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「シンナーくせー」
明日の練習試合に備えて黄色いマニキュアを塗っていたら、部屋に来た倉持が顔をしかめた。
「窓開けてるけど」
「くせーもんはくせー。」
「文句言う割に座るんだ…」
よっこらせ、と倉持は床に座り、勝手に部屋の漫画を読み始めた。
「その爪さあ」
すべて塗り終わって慎重にボトルのふたを閉め、何にも触れないように乾かしている俺を見て倉持が呟いた。
「女がおしゃれでやってんの、俺理解できねー」
「別に女もお前に見せるためにやってるわけじゃねえだろ」
「殺すぞ」
「はっはっは」
「だって可愛いと思うか?爪に色付けてるだけで」
「さあ。どう?可愛い?」
自分の黄色い爪を見せてやると、倉持は顔をしかめて「キメェ」と言った。
「爪の色見てあっ可愛い!とはならねーだろ」
「まあねえ」
「なんもつけてねーほうが清楚で可愛いのに」
「ただのお前の好みじゃん」
俺は立ち上がり、部屋の中を見渡す。
「どっか行くの?」
倉持は俺を見上げた。
「喉乾いた。」
「あっそ」
「でも爪乾いてないからジュース買いに行けない。」
「じゃあ我慢するんだな」
「倉持クン代わりに買ってくれない?」
「は?テメーで行け」
「だから、財布出せないんだって」
ホラホラ、と爪を見せると、倉持は舌打ちをして立ち上がった。優しいやつ。
「チッ、行くぞ!」
「倉持やさし〜」
「キメーよ死ね」
***
「あっ一也先輩…」
なんと、自販機でジュースを買った帰り、すぐそこの道路に光と牧瀬が通りかかった。私服姿だ。どこか出かけてきたらしい。
「光。」
思いがけない嬉しい邂逅。遊びに行ってきたの?と尋ねると、光はうん、と笑顔で頷く。
「ねえ、見て見て。」
光にしては珍しくうきうき嬉しさを抑えきれない様子で、自らの手を俺に見せてきた。見ると、爪に綺麗な模様が塗られている。
「お、可愛いな〜」
にこにこ、光に笑い返すと、隣の倉持が猛抗議の念を込めた目で俺をにらみつけた。
「さっき光と、私の従姉のおねーちゃんがやってるネイルサロンに行ってきたんですよ〜!まあ学校あるから明日には取らないといけないけど…」
ね〜、と楽しげに笑いあう女子二人。女の子たちの笑顔というのはとてもいい。特に光。
「へー、よかったな。可愛いよ、似合ってる」
我ながらさらりと気障なことを言うと、光は頬を染めてはにかみ、牧瀬はからかうようににやにやした。
「お前さっきと言ってること違えじゃん」
ちくり、と倉持が言った。
「なんですかぁ?違うって」
きょとんと眼を瞬く牧瀬。
「さっきはこいつマニキュアなんて可愛くないって」
「ちーがーうーしー。それは倉持だろ。それに俺は嘘ついてない。マニキュアじゃなくて、マニキュア付けた光を可愛いって言ったんだよ」
「……。」
光だけじゃなく倉持まで顔を赤くした。
「お前よくそういうこと言えるよな…」
「だって可愛いじゃん。見て見て〜って嬉しそうにさ〜あ〜もうホント可愛い!」
「も、もうやめて…」
光は恥ずかしそうにうつむいて牧瀬の腕につかまってしまった。
明日の練習試合に備えて黄色いマニキュアを塗っていたら、部屋に来た倉持が顔をしかめた。
「窓開けてるけど」
「くせーもんはくせー。」
「文句言う割に座るんだ…」
よっこらせ、と倉持は床に座り、勝手に部屋の漫画を読み始めた。
「その爪さあ」
すべて塗り終わって慎重にボトルのふたを閉め、何にも触れないように乾かしている俺を見て倉持が呟いた。
「女がおしゃれでやってんの、俺理解できねー」
「別に女もお前に見せるためにやってるわけじゃねえだろ」
「殺すぞ」
「はっはっは」
「だって可愛いと思うか?爪に色付けてるだけで」
「さあ。どう?可愛い?」
自分の黄色い爪を見せてやると、倉持は顔をしかめて「キメェ」と言った。
「爪の色見てあっ可愛い!とはならねーだろ」
「まあねえ」
「なんもつけてねーほうが清楚で可愛いのに」
「ただのお前の好みじゃん」
俺は立ち上がり、部屋の中を見渡す。
「どっか行くの?」
倉持は俺を見上げた。
「喉乾いた。」
「あっそ」
「でも爪乾いてないからジュース買いに行けない。」
「じゃあ我慢するんだな」
「倉持クン代わりに買ってくれない?」
「は?テメーで行け」
「だから、財布出せないんだって」
ホラホラ、と爪を見せると、倉持は舌打ちをして立ち上がった。優しいやつ。
「チッ、行くぞ!」
「倉持やさし〜」
「キメーよ死ね」
***
「あっ一也先輩…」
なんと、自販機でジュースを買った帰り、すぐそこの道路に光と牧瀬が通りかかった。私服姿だ。どこか出かけてきたらしい。
「光。」
思いがけない嬉しい邂逅。遊びに行ってきたの?と尋ねると、光はうん、と笑顔で頷く。
「ねえ、見て見て。」
光にしては珍しくうきうき嬉しさを抑えきれない様子で、自らの手を俺に見せてきた。見ると、爪に綺麗な模様が塗られている。
「お、可愛いな〜」
にこにこ、光に笑い返すと、隣の倉持が猛抗議の念を込めた目で俺をにらみつけた。
「さっき光と、私の従姉のおねーちゃんがやってるネイルサロンに行ってきたんですよ〜!まあ学校あるから明日には取らないといけないけど…」
ね〜、と楽しげに笑いあう女子二人。女の子たちの笑顔というのはとてもいい。特に光。
「へー、よかったな。可愛いよ、似合ってる」
我ながらさらりと気障なことを言うと、光は頬を染めてはにかみ、牧瀬はからかうようににやにやした。
「お前さっきと言ってること違えじゃん」
ちくり、と倉持が言った。
「なんですかぁ?違うって」
きょとんと眼を瞬く牧瀬。
「さっきはこいつマニキュアなんて可愛くないって」
「ちーがーうーしー。それは倉持だろ。それに俺は嘘ついてない。マニキュアじゃなくて、マニキュア付けた光を可愛いって言ったんだよ」
「……。」
光だけじゃなく倉持まで顔を赤くした。
「お前よくそういうこと言えるよな…」
「だって可愛いじゃん。見て見て〜って嬉しそうにさ〜あ〜もうホント可愛い!」
「も、もうやめて…」
光は恥ずかしそうにうつむいて牧瀬の腕につかまってしまった。