381
「人狼ゲームやろうぜ人狼ゲーム!」
ある日の貴重なオフの放課後。倉持がそう言いだして、俺と川上と白州は目を瞬いた。
「人狼ゲーム?」
「あ、俺それ知ってる。嘘つくゲームだよね?」
目を瞬いた俺の隣で川上が言った。そうだけどちょっと違う、と倉持は言って、人狼ゲームのルールを説明し始めた。
「へー面白そうじゃん。」
「でも4人じゃすくねーな。一人死んだらすぐ終わっちまう」
そういう倉持の後ろのドアの向こうに、おしゃべりしながら歩いていく1年達が見えて、俺は立ち上がった。
「ひっかっりっちゃ〜ん!」
「!?」
ぎょっとして俺に注目する倉持たちと名前を呼ばれた玉城。ひらひら手を振ると、玉城はぎろりと俺をにらんだ。
「……。」
「ちょっと待って!何で無視するんだよ〜!」
「あたりめーだろバカが」
倉持にチョップを食らい、何とか玉城と牧瀬を引き留めて、俺は二人を人狼ゲームに誘った。
「え〜面白そう!やろうよ光〜」
「…いいけど…」
「よしよしよーし、2名様ごあんなーい♡」
椅子を持ってきて二人を座らせると、机を囲んでいた野郎共の輪に花が加わった。
他にも東条と金丸、小湊を捕まえてきて、無理やり輪に加わらせた。
「じゃー俺が仕切り役やるわ。えーと、8人だから…人狼2人、占い師1人、狩人1人な。はいクジ引いて」
皆はそれぞれくじを引いて名前を書き、倉持に渡した。
「はい。じゃ全員目ぇ瞑って」
皆がだまって俯くと、倉持はつづけた。
「まず、人狼二人目を開けて」
沈黙が流れる。
「……はい。じゃ、この二人が人狼で。目ぇ閉じて。」
誰だったんだろう。なんだか楽しくなってきた。
「じゃ、占い師目ぇ開けて」
「……。」
「順番に指さしていくから、占いたい人の時に頷いて」
「……。」
「この人?…この人は…これ。確認したら目ぇ閉じて」
「……。」
「…はい。じゃ、全員目ぇ開けて」
パン、と手をたたく音で、全員が顔を上げた。
「じゃー御幸から順番に意見発表!」
「えー俺から?」
「文句言うな。ハイ始め〜。」
そう言われたって、何の情報もなしに一番手では何も言うことがない。
「えーと…俺は村人。特に何も言うことはない。以上。」
「それだけ?」
「他に何言えってんだよ。」
「じゃー次。ノリ。」
「あ、うん…俺も村人なんだけど…特に言うこともないかな…。これって最初は2周するよね?」
「ああ。」
「じゃあ、一旦みんなの話聞いてからで。」
「はい。じゃ、次。白州。」
「ああ。俺は…占い師だった。ノリを占って、村人と出た。以上。」
「うい。ハイ次、小湊。」
「あ、はい。えっと…僕も村人です。占い師が白州先輩…。これって、狩人の人は言わないほうがいいと思うんですけど、どう思いますか?狩人って、自分は守れないんでしたよね。はい…なので狩人は村人っていうふうに言ってもらった方がいいと思います。あとは…一周目みんなの話を聞いてからじゃないと、今は特に何も言うことはない…ですかね。すみません。おわりです。」
「ハイ次金丸。」
「は、はい。…えっと…俺も村人っス。…っていうか、人狼って言う奴がいるわけないっスよね。白州先輩が占い師で…ノリ先輩が村人っていうなら…この二人は一応人狼じゃないんじゃないかと…しょっぱなからウソつくとも思えませんし。えー…以上です。」
「次!東条!」
「はい!俺はえっと…俺も村人です!うーん…スイマセンこのゲーム初めてで。よくわからないけど…信二の言ってることが説得力あったかなぁ。うん。俺も同じ考え…かなぁ。スイマセンとりあえずおわりで。」
「次牧瀬。」
「はーい。えっと〜、あっコレ村人ですとか言わなきゃダメですかぁ?…まいっか!えーと普通の村人でーす。占い師とかやってみたかったんですけど〜残念〜。今のところ嘘ついてそうな人はいない…かなぁ〜。うーんわかんないです!」
「…はい。じゃあ次、玉城さん。」
「あ…はい。私も村人です。ひとつ気になったんですけど…白州先輩、川上先輩を村人と言いましたけど、確か占い師って、人狼か人狼じゃないかしかわからないんじゃなかったでしたっけ…。…そうですよね。村人、って言いきってたので…ちょっと気になって。…言い間違い…だと思うんですけど…。他に占い師って言う人もいないし…。うーん…。…あ、それと…狩人はまだ出てこないほうがいいっていう…小湊君の意見に賛成です。えっと…おわりです。」
「…はい。じゃ、2周目、御幸。」
「はいはい。確かに白州、村人って言いきってたな。あやし〜。他に怪しい奴は…そうだなー、このゲーム慣れてそうな小湊はちょっと怖いけど。あとはそーだなー…東条がちょっと金丸に同調しすぎてたかな〜。もしかしてソコ仲間?(笑)それから、うーん…まー小湊と玉城は村人っぽいっつーか…狩人出てこないほうがいいとか言ってたし、村人目線かなーと思ったけど、この二人だったらあえてそう発言してる可能性もあるかな〜(笑)」
「次、ノリ。」
「あ…うん。えーと俺…白州は嘘ついてない…と思う。あぁでもこれ、俺を村人って言ってくれてるから、仲間って思われるかもしれないけど…でも信じてもらうしかないんだけど、俺は本当に村人だし、白州も嘘ついてる感じじゃない…かなー。だからって、他に嘘ついてそうな人もわからないけど…。まあでも…御幸はちょっと、何考えてるかわからないとこがあって怖いけど…」
「おいノリなんでだよ〜」
「御幸黙れ〜。次、白州。」
「…確かに村人って言ってしまった。村人陣営って意味だ。申し訳ない。ゲームに慣れてないこともあって、咄嗟に村人と言ってしまった。とりあえず今日の処刑は勘弁してほしい。占い師がいなくなったら村人が勝つのは難しいだろう。何より人狼は俺が本物だってわかってるはずだから、もしできたら狩人は俺を守ってほしい…かな。以上。」
「次、小湊。」
「はい。うーん…そうですね。言い間違いはよくあることだと思います。えーとそれから…東条君と金丸君は…仲良しだから意見が一致するのはおかしくないんじゃないかなと思います。今のところ、川上先輩と白州先輩はまぁ…村人陣営かなあ、と思ってて、まだよくわからないのが他の5人…かなぁ。うーん…ウソが得意そう…なのは、御幸先輩…スミマセン。ちょっと、残りの人の話を聞いてもう少し考えます。」
「小湊までヒデェな〜」
「ハイ次、金丸。」
「はい…えーと…うーんこんがらがってきた…俺こういうの苦手なんだよな…。とりあえず小湊の言うことには筋が通ってると思いました。言い間違いも…まあ気になると言えば気になるけど…慣れてないからしょーがないんじゃないかという気も…いやわからないけど…。…あーわからない。わかんないっス…」
「…はい。次東条。」
「あ、はい!そうですね俺は…えー…誰が嘘ついてるのか全然わからないな…。白州先輩とか、表情に出なさそうで…。あ、疑ってるわけじゃないですけど…。うーん…とりあえず牧瀬は嘘ついてなさそうかな…。」
「はい。牧瀬。」
「はーい。私嘘ついてません!っていうか嘘つけません!なんかー、うーん、そうだなー、嘘が上手い…っていうか、頭がいいって言うふうに考えると、小湊君、光、御幸先輩あたりは人狼でも上手に隠せそうかなーと思ってるんですけどー…。でも光の子と疑いたくないんで、小湊君と御幸先輩のこと疑ってます!おわり〜。」
「……。…じゃ、玉城さん。」
「…はい。えっと…白州先輩、疑ってすみません。その言い間違いの点くらいしか、矛盾と感じることがなくて…。うーん…。とりあえず…そうですね…。人狼ってやっぱり、自分以外の人にターゲットを向けたいと思うんですよ。そこで…この中で一人、やたらと他の人を怪しんでる人がいるんですよね。」
「?」
「御幸先輩なんですけど。」
「は!?」
「白州先輩のことは私も言ってしまいましたけど、御幸先輩は白州先輩だけじゃなくて、東条と金丸君を仲間だと言ったり、私と小湊君を疑ったりして、周りの人を攻撃しすぎだと思います。多分、自分が人狼だから、疑いの目をそらしたいのかなーと思いました。」
「た〜ま〜し〜ろ〜?」
「それに御幸先輩、1回目の発言ではほとんど何も言いませんでしたし、2回目の発言でも自分のことを全然喋らなくて、周りを疑う発言しかなかったので、ちょっと怪しいかなと。嘘も得意そうですし。」
「玉城俺に何のうらみがあるんだよ」
「ヒャハハ。じゃー投票!だれに投票するか指さして。ハイせーの!」
びし、とすべての指先が俺を指した。
「玉城〜〜〜…!!!」
「ヒャハハハ!諦めろバーカ。オラ死体はこっちにこい!」
「納得いかねー!玉城に嵌められた!」
「説得力がないのが悪い。」
「日頃の行いじゃないか?」
「自業自得です。」
「なんでだよ!」
「はい、じゃあ全員目ぇ閉じて!」
倉持の号令で、全員が目を閉じた。俺は既に死亡したので、倉持の隣で成り行きを見守った。
「はい、人狼目ぇ開けて」
その声で顔を上げたのは…
「えっ…!」
小湊と…玉城。玉城は俺を見て、ふふんと勝ち誇ったように笑った。
あいつ…やりやがった!
「御幸、声出すなよ?」
「……。」
「じゃー人狼、殺す人指さして」
玉城と小湊は目くばせし合い、最終的に金丸を指さした。
「…はい。じゃ、目ぇ閉じて…狩人、目を開けて」
倉持が言うと、誰も顔を上げなかった。そりゃそうだ。狩人は俺だったのだから。倉持は俺を見てニヤニヤして、つづけた。
「守りたい人を選んで指さしてー。…はい、じゃー目ぇ閉じて。」
狩人が死んだことがみんなにわからないように茶番をし、倉持はつづけた。
「じゃ、占い師目を開けて。」
顔を上げたのは白州だった。やっぱ嘘ついてなかったのか。
「誰を占う?」
白州は少し考えて、小湊を指さした。あ…人狼がバレる。
「その人でいい?」
頷く白州。
「その人は…これだ。」
「……。」
「確認したら目を閉じて。」
倉持が見せた「人狼」の文字を見て、白州は息をのんで目を閉じた。
「はい、じゃー全員目を開けて。」
全員が顔を上げ、倉持の言葉を待つ。
「今度死んだのは…金丸!」
「ええ!?」
「はーい死体はこっちにこ〜い」
手招きする俺の方へがっくりとやってくる金丸。
「じゃ、金丸の隣、東条から。」
「あ、はい!えーと…そうだな…。信二死んじゃったかぁ…」
「死んじゃったかぁ〜じゃねーよ」
「あはは、ゴメン。えーと、そうだな〜…俺全然目星とかついてなくて…。まあ素直に信じるなら、白州先輩が占い師で、川上先輩が村人…。小湊、牧瀬、玉城の中の1人か2人が人狼ってことになる…のかな?御幸先輩が人狼ならいいんだけど…。」
「ハイ次、牧瀬。」
「はーい。いやーなんか楽しくなってきた!!とりあえず〜…わかんないんで、白州先輩が人狼見つけててくれてたらいいなーって思います!」
「ハイ次…玉城さん。」
「はい。私は…うーん…御幸先輩が人狼だったとしたら、御幸先輩が矛先を向けなかった人が怪しいと思うんですよ。つまり…金丸君と司。金丸君は人狼に殺されたから、…司?」
「えー違うよ光!信じて!!」
「牧瀬黙れ〜」
「まぁ私も司は嘘ついてないと思うので…とりあえず白州先輩の占い結果を聞きたいです。」
「ハイ次、ノリ。」
「俺か…。え〜…わかんないなぁ…。白州が占い師っていうのは結構信じてるから…もう白州が人狼引き当ててくれるのを待つよ。」
「ハイ次、白州。」
「ああ。…えっと。人狼が分かった。」
「え!」
「小湊。占って人狼だった。」
小湊が息をのんだ。
「だから今日小湊を選んで…ノリは村人陣営だから、一人人狼がいるとしても、狩人が多分村人陣営と確定してる俺かノリを守ってくれるだろうから、人狼に殺されるのは東条か、牧瀬さんか、玉城さん。残った二人のうちで二択になるから、今日は小湊に投票してくれ。以上。」
さあ小湊絶体絶命。どうする…?
「次、小湊。」
「は、はい。えっと…。お、驚きました。僕は村人…なんですけど…。…ううん…いや、もう言っちゃおうかな…。僕本当は、占い師なんです。」
「え!?」
だ、大胆な手に出たな…。
「黙ってた理由は、白州先輩が先に名乗り出たので、後から名乗り出るのはリスクがあると思ったのと、白州先輩の占い結果から、もう一人の人狼をあぶりだせるかなーと思って…。人狼ゲームって、潜伏するっていう戦法もあるので。一応僕の2回の占い結果を発表すると、牧瀬さんが村人陣営で、川上先輩も村人陣営だったんですよ。隣にいる牧瀬さんと、次に白州先輩の仲間かなーと思っていた川上先輩を占ったんですけど、両方ハズレで…。なので僕から見て、唯一人狼だと確信できるのは白州先輩だけなんです。その白州先輩を疑った玉城さんは多分村人陣営…かなぁ。それから、やっぱりもう一人の人狼ってなると、玉城さんの言う通り御幸先輩が…疑いの目をそらそうとしていたって言うのは、ちょっとわかるかなー…。なので僕が思うのは、白州先輩と御幸先輩が人狼…。かな?さっきは狙われないようにフォローしたんですけど、白州先輩の言い間違いはやっぱり気になりますね。慣れてないからこそ、「村人陣営」って書いてあったものを「村人」とは省略しないと思うんですよ。僕は結構人狼ゲームするので、こういう言い間違いからボロが出る人をたくさん見てきました。…うん、以上かな。すみません…白州先輩に投票します。おわりです。」
「はい。じゃ、投票。せーので指さして」
一斉に皆人差し指を出した。小湊、玉城、牧瀬、東条は白州。白州と川上が小湊。
白州が処刑されることになり、苦笑しながらこっちにやってきた。
「おいおい2年あとノリしか残ってねーぞ!しっかりしろ!」
「一番最初に死んだお前が言うな」
「はいじゃあ全員…」
目を閉じようとするノリ、牧瀬、東条。しかし玉城と小湊は顔を上げたままだった。
「あ、もう終わりか。」
「え!?なんでですか?」
「人狼二人、村人三人。次の夜で人狼が村人噛んで、2対2でどうあがいても終わり。」
「…え!?人狼二人残ってるの!?」
「いや…でも狩人がもしかしたら…」
「いや、狩人コイツだから」
倉持が俺を親指で指し、全員の呆れた視線が俺を突き刺した。
「え〜〜最初に死んじゃったんですかぁ!?頼りな〜〜〜い」
「お前らに殺されたんだよ!」
「お前がヘタクソだったんだろーが」
「じゃあ…人狼って誰だったの?」
ノリが周りを見渡すと、小湊と玉城が顔を見合わせて笑い、小さく手を上げた。
「僕たちです…」
「え!!うっそ!!!」
「意外だったな…全然分からなかった」
「ええ〜〜小湊占い師って嘘だったのか〜」
「玉城さんスゴいよ、初日から攻めて御幸先輩を選ぶ流れにもっていってたし。狩人を最初に消せたのは大き…」
「小湊?」
「す、すみません」
「ヒャハハハ!やっぱおもしれー。次はもっと大人数でやりたいなー俺も参加してえし」
「もっと人数呼んでもう一回やりません〜?」
***
そんなこんなで牧瀬やノリたちが近くにいた知り合いに声をかけ、1年から3年まで大人数が勢ぞろいした。
俺たちメンバーに加えて、1年は沢村と降谷。2年はゾノと小野。3年は亮さん、哲さん、純さん。今回は倉持もゲームに加わり、代わりにノリと白州が進行役をやることになった。
「えーと…14人?」
「こんだけ大人数でやったら楽しそうだな〜」
「役職増やしませんか?」
「個人的に亮さんがコエーっす!ヒャハハ」
「うん…兄貴は強そう」
「でも俺人狼ゲームやったことないよ。」
「皆クジ引いて〜」
村人、狩人、占い師、人狼の他に、今回はハンターと狂人も加わる。
「狂人って?」
「村人陣営で、占いだと村人陣営として出されるけど、人狼側が勝ったら勝ちになる役職。」
「うへ〜難しそ〜!私には無理そうだから当たりませんよーに!」
全員がくじを引いた。俺は…占い師。
「じゃあクジを戻して。みんな、目をつぶって。」
ノリの進行で、第一の夜。今回は人数が多いので、初日から人狼は一人選び、続いて狩人も守る相手を選んだ。
「はい、目を開けて。昨夜死んだのは…ゾノ。」
「はぁ!?まだなんもしとらんっちゅーねん!」
「ヒャハハハ」
「ゾノはこっち座って…」
誰やねん人狼!と文句を言いながら、ゾノは白州の隣に移動した。
「じゃあゾノの隣から時計回り。東条。」
「あ、はい!えーっと…。あ、俺はまた普通の村人です!一旦みんなの話を聞きます。以上。」
「次、金丸。」
「はい…俺も…とその前に。村人陣営の人は役職じゃなくて村人陣営って言いません?狩人がばれたら困ると思うんで…あーでも占い師は出てもらった方がいいのか…?基本的に狩人はバレずに占い師を守ったほうがいいと思うんで…ハンター…は出ても出なくてもいいけど、狩人隠すためにまだ出ないでほしいっすね。というわけで村人陣営っす。次牧瀬。」
「はーい。私も村人陣営でーす。次、光!」
「…うん。私も村人陣営です。…次、御幸先輩どうぞ。」
「あー、俺も村人陣営。っていうか、占い師だった。玉城占って村人陣営。よかったー人狼じゃなくて。さっきはマジで怖かっ…睨むなって。えーと以上。次倉持?」
「おう。俺も村人陣営。つーか金丸すげぇな、さっき初めてやったんだよな?金丸が言ってること正解だぜ。今んとこ金丸は村人陣営とみて間違いねーんじゃねーかなー。…うん。以上!次亮さんお願いします。」
「はいはい。俺も村人陣営。御幸が占い師で…玉城さんが村人陣営?これ、占い結果って役職までわかるもんなの?」
「いや、人狼か村人陣営かだけっす」
「あ、そーなんだ。じゃあ玉城さんは…村人かハンターか狩人か狂人?ってことになるのかな。了解。次、哲。」
「…俺も村人陣営だ。狩人は名乗り出ないんだったか?」
「哲さんそれ名乗り出てるも同然じゃ…」
「そうか?うむ…まだルールがよくわからん。」
「次、純に回しちゃっていいんじゃない?」
「あー、じゃあ俺の番な。俺は村人陣営だぜ。とりあえず御幸ィ!いの一番に玉城さん占ってんじゃねーぞコラ!」
「いや、また玉城が人狼だったらコワイな〜と思ったんですよ。俺を嵌めようとするし」
「ホントに怪しかったもん」
「怪しかったもんじゃねぇ。お前人狼だったろーが」
「イチャついてんじゃねーぞコラ!俺は御幸を疑うからな!人狼はテメーだコノヤロー!!」
「えぇ!?何でっスか!」
「俺の言いたいことは以上!次降谷ァ!」
「…?すいません、ルールが分かりません」
「とりあえず自分の役職言って、皆の印象話してよ。」
「僕の役職…?えっと…ハンター」
「テメェ話聞いてたか!?ハンターは言うなっつっただろーがよ!」
「え?」
「し、信二落ち着いて」
「あーもうめちゃくちゃだよ」
「まぁこれで降谷は狙われねーな…」
「皆の印象…は…。御幸先輩が怪しい」
「なんでだよ」
「御幸毎回疑われてんじゃねーかww」
「日頃の行いでしょ。」
「降谷もう終わり?じゃ次沢村。」
「やっと俺か!!えっと俺は村人陣営な!!人狼は許さん!!人狼なんてすぐわかりますよ!!俺には誰がウソついてるかなんてお見通しですからね!!以上!!」
「沢村意外とまともなコメントで笑える」
「どういう意味だ!!」
「あ?タメ口きいたか今?」
「すいやせん!!」
「謝るの早っ!」
「じゃ最後、小湊」
「はい!僕も村人陣営です。」
「ホントか〜?カワイイ顔して平気でウソつくんだよなぁこの子〜」
「御幸、俺の弟がなんだって?」
「なんでもありません。小湊クン続けて」
「は…はい。えーっと…今のところ御幸先輩しか占い師を名乗っていないので、御幸先輩が本物かなと思います。逆にこの時点で僕が占い師を名乗らないのは、村人として見てもらえる要素かなと思います。人狼だったらここで仕掛けないと難しくなるので。なので玉城さんが村人陣営は確定…とみてます。狂人の可能性もあるけど、この後の発言からわかってくるかな〜…。あとは…もうみんなわかってると思うから言いますけど、結城先輩が狩人で…降谷君がハンター。降谷君は処刑で選ばれることはまずないですね。人狼っぽいかなと思う人は何人かいるけど、2回目の発言を聞いてから発表します…。以上です。」
「やっぱ小湊上手いな」
「じゃあ2周目、東条から。」
「はい。うーんそうですね…小湊がすごいな…。俺も小湊の意見に丸々同意です。多分今夜結城先輩が狙われるのかな…。それか考察が鋭い小湊も危ないかなぁと思います…。これくらいしか意見言えないけど…次信二お願い。」
「おう…えー…結城先輩狩人…ッスよね、多分…。いやーこれ…うん…多分狙われますね…。いやまぁしょうがない…か。でも確実に結城先輩と降谷は村人陣営ってもうわかったんで…これはこれでいいんじゃないですか…ね。俺も御幸先輩が本物の占い師と思ってるんで、玉城さんも白で、4人は人狼候補から外れて…もちろん俺も村人だし、よく考察してた小湊も多分村人かな。牧瀬も発言は少なかったけど、自然だったし嘘はついてなさそう。今のところそんな感じですかね…まぁこれだけ人数いるんで、最初はみんなの意見聞いて、一番グレーな人って意見一致すると思うんで、そこに合わせます。以上。次牧瀬。」
「はーい。うーんそーだなー。村人陣営だと思う人は金丸君の意見に同意です。あとはねぇ、沢村君も村人陣営だと思う。残りの中で人狼っぽいと思うのは〜…。申し訳ないんですけど〜…小湊先輩と伊佐敷先輩…かなぁ。発言がちょっと、人狼を探している感じじゃなかったかなーと思います。んーでも完全に勘ですけど!ん〜とりあえず〜…まだ目星着かないんで、今日は処刑なしでもいいんじゃないかと思うんですけど〜…そういうのってナシですか?」
「一応、2回同票で決まらなかったら処刑なし。」
「あ、そーなんですね。じゃあまあ…怪しいと思った人に入れまーす。次光!」
「はい。……。そうですね。てっちゃ…哲也先輩が狩人…。うーん…。考えてたんですけど、狩人は名乗り出ないのか、って確認する言い方だったんですよね。そこがどうしても引っかかってて。もしかしたら狩人じゃない可能性もあるのかな…。深読みしすぎかな。それから、御幸先輩には一刻も早く人狼を見つけてほしいと思います。次見つけてください。絶対。外したら怒ります。以上です。」
「なんでお前俺にだけ厳しいんだよ。でも…まーそうだな…哲さんはまだ確定じゃない…ってのは、村目線からしたらありがたい発言かな。ホントに確認しただけかもしれないし?哲さんならあり得ますね。俺はよく哲さんと将棋打つんで分かります。あとはそーだなー…純さんが怪しいのは同意(笑)」
「んだとコラァ!!」
「コワイっすよ(笑)唯一俺を人狼扱いしてきましたし?今夜は純さん占うかな〜(笑)じゃ、次倉持。」
「うい。そうだな…俺は小湊もコエーかな。さっきも人狼なのに村目線で考察伸ばして上手く立ち回ってたし。一応小湊警戒しつつ、この後役職名乗り出てくる人がいたらそいつも流石に怪しいと思う。今日はそいつに入れるかな。もしいれば、だけど。次亮さん、お願いします。」
「うん。なるほどね…。そうだなー。人狼はまだ絞れてないかな。ただ一つ言っておくと、狩人は本当は俺なんだよね。」
「…え!?」
「いや…亮さんそれは無理が…」
「フフ。わかってるよ。でもむしろこの状況で俺が嘘ついて名乗り出ると思う?疑われて当然じゃん。倉持のさっきの発言のすぐ後だし。まぁ…人狼から見たら俺が人狼じゃないのはわかってるだろうから、哲か俺どっちが狩人か、これで分からなくなったんじゃない?ちなみに本当に狩人。哲がなんで紛らわしい質問したのかはわからないけど、さすがに哲だって本当に自分が狩人だったらあんなこと言わないよ。まあ…その話はここまでとして。今のところ人狼かなと俺が思ってるのは春市。」
「えぇ!?僕!?」
「お前嘘つくとき饒舌になるんだよ。わかりやすすぎ。あとはそうだな、春市の意見に乗ってた金丸と東条も怪しいよね。俺は今日その3人の誰かに入れるよ。じゃあ次、哲どうぞ。」
「ああ。ふむ…。
ある日の貴重なオフの放課後。倉持がそう言いだして、俺と川上と白州は目を瞬いた。
「人狼ゲーム?」
「あ、俺それ知ってる。嘘つくゲームだよね?」
目を瞬いた俺の隣で川上が言った。そうだけどちょっと違う、と倉持は言って、人狼ゲームのルールを説明し始めた。
「へー面白そうじゃん。」
「でも4人じゃすくねーな。一人死んだらすぐ終わっちまう」
そういう倉持の後ろのドアの向こうに、おしゃべりしながら歩いていく1年達が見えて、俺は立ち上がった。
「ひっかっりっちゃ〜ん!」
「!?」
ぎょっとして俺に注目する倉持たちと名前を呼ばれた玉城。ひらひら手を振ると、玉城はぎろりと俺をにらんだ。
「……。」
「ちょっと待って!何で無視するんだよ〜!」
「あたりめーだろバカが」
倉持にチョップを食らい、何とか玉城と牧瀬を引き留めて、俺は二人を人狼ゲームに誘った。
「え〜面白そう!やろうよ光〜」
「…いいけど…」
「よしよしよーし、2名様ごあんなーい♡」
椅子を持ってきて二人を座らせると、机を囲んでいた野郎共の輪に花が加わった。
他にも東条と金丸、小湊を捕まえてきて、無理やり輪に加わらせた。
「じゃー俺が仕切り役やるわ。えーと、8人だから…人狼2人、占い師1人、狩人1人な。はいクジ引いて」
皆はそれぞれくじを引いて名前を書き、倉持に渡した。
「はい。じゃ全員目ぇ瞑って」
皆がだまって俯くと、倉持はつづけた。
「まず、人狼二人目を開けて」
沈黙が流れる。
「……はい。じゃ、この二人が人狼で。目ぇ閉じて。」
誰だったんだろう。なんだか楽しくなってきた。
「じゃ、占い師目ぇ開けて」
「……。」
「順番に指さしていくから、占いたい人の時に頷いて」
「……。」
「この人?…この人は…これ。確認したら目ぇ閉じて」
「……。」
「…はい。じゃ、全員目ぇ開けて」
パン、と手をたたく音で、全員が顔を上げた。
「じゃー御幸から順番に意見発表!」
「えー俺から?」
「文句言うな。ハイ始め〜。」
そう言われたって、何の情報もなしに一番手では何も言うことがない。
「えーと…俺は村人。特に何も言うことはない。以上。」
「それだけ?」
「他に何言えってんだよ。」
「じゃー次。ノリ。」
「あ、うん…俺も村人なんだけど…特に言うこともないかな…。これって最初は2周するよね?」
「ああ。」
「じゃあ、一旦みんなの話聞いてからで。」
「はい。じゃ、次。白州。」
「ああ。俺は…占い師だった。ノリを占って、村人と出た。以上。」
「うい。ハイ次、小湊。」
「あ、はい。えっと…僕も村人です。占い師が白州先輩…。これって、狩人の人は言わないほうがいいと思うんですけど、どう思いますか?狩人って、自分は守れないんでしたよね。はい…なので狩人は村人っていうふうに言ってもらった方がいいと思います。あとは…一周目みんなの話を聞いてからじゃないと、今は特に何も言うことはない…ですかね。すみません。おわりです。」
「ハイ次金丸。」
「は、はい。…えっと…俺も村人っス。…っていうか、人狼って言う奴がいるわけないっスよね。白州先輩が占い師で…ノリ先輩が村人っていうなら…この二人は一応人狼じゃないんじゃないかと…しょっぱなからウソつくとも思えませんし。えー…以上です。」
「次!東条!」
「はい!俺はえっと…俺も村人です!うーん…スイマセンこのゲーム初めてで。よくわからないけど…信二の言ってることが説得力あったかなぁ。うん。俺も同じ考え…かなぁ。スイマセンとりあえずおわりで。」
「次牧瀬。」
「はーい。えっと〜、あっコレ村人ですとか言わなきゃダメですかぁ?…まいっか!えーと普通の村人でーす。占い師とかやってみたかったんですけど〜残念〜。今のところ嘘ついてそうな人はいない…かなぁ〜。うーんわかんないです!」
「…はい。じゃあ次、玉城さん。」
「あ…はい。私も村人です。ひとつ気になったんですけど…白州先輩、川上先輩を村人と言いましたけど、確か占い師って、人狼か人狼じゃないかしかわからないんじゃなかったでしたっけ…。…そうですよね。村人、って言いきってたので…ちょっと気になって。…言い間違い…だと思うんですけど…。他に占い師って言う人もいないし…。うーん…。…あ、それと…狩人はまだ出てこないほうがいいっていう…小湊君の意見に賛成です。えっと…おわりです。」
「…はい。じゃ、2周目、御幸。」
「はいはい。確かに白州、村人って言いきってたな。あやし〜。他に怪しい奴は…そうだなー、このゲーム慣れてそうな小湊はちょっと怖いけど。あとはそーだなー…東条がちょっと金丸に同調しすぎてたかな〜。もしかしてソコ仲間?(笑)それから、うーん…まー小湊と玉城は村人っぽいっつーか…狩人出てこないほうがいいとか言ってたし、村人目線かなーと思ったけど、この二人だったらあえてそう発言してる可能性もあるかな〜(笑)」
「次、ノリ。」
「あ…うん。えーと俺…白州は嘘ついてない…と思う。あぁでもこれ、俺を村人って言ってくれてるから、仲間って思われるかもしれないけど…でも信じてもらうしかないんだけど、俺は本当に村人だし、白州も嘘ついてる感じじゃない…かなー。だからって、他に嘘ついてそうな人もわからないけど…。まあでも…御幸はちょっと、何考えてるかわからないとこがあって怖いけど…」
「おいノリなんでだよ〜」
「御幸黙れ〜。次、白州。」
「…確かに村人って言ってしまった。村人陣営って意味だ。申し訳ない。ゲームに慣れてないこともあって、咄嗟に村人と言ってしまった。とりあえず今日の処刑は勘弁してほしい。占い師がいなくなったら村人が勝つのは難しいだろう。何より人狼は俺が本物だってわかってるはずだから、もしできたら狩人は俺を守ってほしい…かな。以上。」
「次、小湊。」
「はい。うーん…そうですね。言い間違いはよくあることだと思います。えーとそれから…東条君と金丸君は…仲良しだから意見が一致するのはおかしくないんじゃないかなと思います。今のところ、川上先輩と白州先輩はまぁ…村人陣営かなあ、と思ってて、まだよくわからないのが他の5人…かなぁ。うーん…ウソが得意そう…なのは、御幸先輩…スミマセン。ちょっと、残りの人の話を聞いてもう少し考えます。」
「小湊までヒデェな〜」
「ハイ次、金丸。」
「はい…えーと…うーんこんがらがってきた…俺こういうの苦手なんだよな…。とりあえず小湊の言うことには筋が通ってると思いました。言い間違いも…まあ気になると言えば気になるけど…慣れてないからしょーがないんじゃないかという気も…いやわからないけど…。…あーわからない。わかんないっス…」
「…はい。次東条。」
「あ、はい!そうですね俺は…えー…誰が嘘ついてるのか全然わからないな…。白州先輩とか、表情に出なさそうで…。あ、疑ってるわけじゃないですけど…。うーん…とりあえず牧瀬は嘘ついてなさそうかな…。」
「はい。牧瀬。」
「はーい。私嘘ついてません!っていうか嘘つけません!なんかー、うーん、そうだなー、嘘が上手い…っていうか、頭がいいって言うふうに考えると、小湊君、光、御幸先輩あたりは人狼でも上手に隠せそうかなーと思ってるんですけどー…。でも光の子と疑いたくないんで、小湊君と御幸先輩のこと疑ってます!おわり〜。」
「……。…じゃ、玉城さん。」
「…はい。えっと…白州先輩、疑ってすみません。その言い間違いの点くらいしか、矛盾と感じることがなくて…。うーん…。とりあえず…そうですね…。人狼ってやっぱり、自分以外の人にターゲットを向けたいと思うんですよ。そこで…この中で一人、やたらと他の人を怪しんでる人がいるんですよね。」
「?」
「御幸先輩なんですけど。」
「は!?」
「白州先輩のことは私も言ってしまいましたけど、御幸先輩は白州先輩だけじゃなくて、東条と金丸君を仲間だと言ったり、私と小湊君を疑ったりして、周りの人を攻撃しすぎだと思います。多分、自分が人狼だから、疑いの目をそらしたいのかなーと思いました。」
「た〜ま〜し〜ろ〜?」
「それに御幸先輩、1回目の発言ではほとんど何も言いませんでしたし、2回目の発言でも自分のことを全然喋らなくて、周りを疑う発言しかなかったので、ちょっと怪しいかなと。嘘も得意そうですし。」
「玉城俺に何のうらみがあるんだよ」
「ヒャハハ。じゃー投票!だれに投票するか指さして。ハイせーの!」
びし、とすべての指先が俺を指した。
「玉城〜〜〜…!!!」
「ヒャハハハ!諦めろバーカ。オラ死体はこっちにこい!」
「納得いかねー!玉城に嵌められた!」
「説得力がないのが悪い。」
「日頃の行いじゃないか?」
「自業自得です。」
「なんでだよ!」
「はい、じゃあ全員目ぇ閉じて!」
倉持の号令で、全員が目を閉じた。俺は既に死亡したので、倉持の隣で成り行きを見守った。
「はい、人狼目ぇ開けて」
その声で顔を上げたのは…
「えっ…!」
小湊と…玉城。玉城は俺を見て、ふふんと勝ち誇ったように笑った。
あいつ…やりやがった!
「御幸、声出すなよ?」
「……。」
「じゃー人狼、殺す人指さして」
玉城と小湊は目くばせし合い、最終的に金丸を指さした。
「…はい。じゃ、目ぇ閉じて…狩人、目を開けて」
倉持が言うと、誰も顔を上げなかった。そりゃそうだ。狩人は俺だったのだから。倉持は俺を見てニヤニヤして、つづけた。
「守りたい人を選んで指さしてー。…はい、じゃー目ぇ閉じて。」
狩人が死んだことがみんなにわからないように茶番をし、倉持はつづけた。
「じゃ、占い師目を開けて。」
顔を上げたのは白州だった。やっぱ嘘ついてなかったのか。
「誰を占う?」
白州は少し考えて、小湊を指さした。あ…人狼がバレる。
「その人でいい?」
頷く白州。
「その人は…これだ。」
「……。」
「確認したら目を閉じて。」
倉持が見せた「人狼」の文字を見て、白州は息をのんで目を閉じた。
「はい、じゃー全員目を開けて。」
全員が顔を上げ、倉持の言葉を待つ。
「今度死んだのは…金丸!」
「ええ!?」
「はーい死体はこっちにこ〜い」
手招きする俺の方へがっくりとやってくる金丸。
「じゃ、金丸の隣、東条から。」
「あ、はい!えーと…そうだな…。信二死んじゃったかぁ…」
「死んじゃったかぁ〜じゃねーよ」
「あはは、ゴメン。えーと、そうだな〜…俺全然目星とかついてなくて…。まあ素直に信じるなら、白州先輩が占い師で、川上先輩が村人…。小湊、牧瀬、玉城の中の1人か2人が人狼ってことになる…のかな?御幸先輩が人狼ならいいんだけど…。」
「ハイ次、牧瀬。」
「はーい。いやーなんか楽しくなってきた!!とりあえず〜…わかんないんで、白州先輩が人狼見つけててくれてたらいいなーって思います!」
「ハイ次…玉城さん。」
「はい。私は…うーん…御幸先輩が人狼だったとしたら、御幸先輩が矛先を向けなかった人が怪しいと思うんですよ。つまり…金丸君と司。金丸君は人狼に殺されたから、…司?」
「えー違うよ光!信じて!!」
「牧瀬黙れ〜」
「まぁ私も司は嘘ついてないと思うので…とりあえず白州先輩の占い結果を聞きたいです。」
「ハイ次、ノリ。」
「俺か…。え〜…わかんないなぁ…。白州が占い師っていうのは結構信じてるから…もう白州が人狼引き当ててくれるのを待つよ。」
「ハイ次、白州。」
「ああ。…えっと。人狼が分かった。」
「え!」
「小湊。占って人狼だった。」
小湊が息をのんだ。
「だから今日小湊を選んで…ノリは村人陣営だから、一人人狼がいるとしても、狩人が多分村人陣営と確定してる俺かノリを守ってくれるだろうから、人狼に殺されるのは東条か、牧瀬さんか、玉城さん。残った二人のうちで二択になるから、今日は小湊に投票してくれ。以上。」
さあ小湊絶体絶命。どうする…?
「次、小湊。」
「は、はい。えっと…。お、驚きました。僕は村人…なんですけど…。…ううん…いや、もう言っちゃおうかな…。僕本当は、占い師なんです。」
「え!?」
だ、大胆な手に出たな…。
「黙ってた理由は、白州先輩が先に名乗り出たので、後から名乗り出るのはリスクがあると思ったのと、白州先輩の占い結果から、もう一人の人狼をあぶりだせるかなーと思って…。人狼ゲームって、潜伏するっていう戦法もあるので。一応僕の2回の占い結果を発表すると、牧瀬さんが村人陣営で、川上先輩も村人陣営だったんですよ。隣にいる牧瀬さんと、次に白州先輩の仲間かなーと思っていた川上先輩を占ったんですけど、両方ハズレで…。なので僕から見て、唯一人狼だと確信できるのは白州先輩だけなんです。その白州先輩を疑った玉城さんは多分村人陣営…かなぁ。それから、やっぱりもう一人の人狼ってなると、玉城さんの言う通り御幸先輩が…疑いの目をそらそうとしていたって言うのは、ちょっとわかるかなー…。なので僕が思うのは、白州先輩と御幸先輩が人狼…。かな?さっきは狙われないようにフォローしたんですけど、白州先輩の言い間違いはやっぱり気になりますね。慣れてないからこそ、「村人陣営」って書いてあったものを「村人」とは省略しないと思うんですよ。僕は結構人狼ゲームするので、こういう言い間違いからボロが出る人をたくさん見てきました。…うん、以上かな。すみません…白州先輩に投票します。おわりです。」
「はい。じゃ、投票。せーので指さして」
一斉に皆人差し指を出した。小湊、玉城、牧瀬、東条は白州。白州と川上が小湊。
白州が処刑されることになり、苦笑しながらこっちにやってきた。
「おいおい2年あとノリしか残ってねーぞ!しっかりしろ!」
「一番最初に死んだお前が言うな」
「はいじゃあ全員…」
目を閉じようとするノリ、牧瀬、東条。しかし玉城と小湊は顔を上げたままだった。
「あ、もう終わりか。」
「え!?なんでですか?」
「人狼二人、村人三人。次の夜で人狼が村人噛んで、2対2でどうあがいても終わり。」
「…え!?人狼二人残ってるの!?」
「いや…でも狩人がもしかしたら…」
「いや、狩人コイツだから」
倉持が俺を親指で指し、全員の呆れた視線が俺を突き刺した。
「え〜〜最初に死んじゃったんですかぁ!?頼りな〜〜〜い」
「お前らに殺されたんだよ!」
「お前がヘタクソだったんだろーが」
「じゃあ…人狼って誰だったの?」
ノリが周りを見渡すと、小湊と玉城が顔を見合わせて笑い、小さく手を上げた。
「僕たちです…」
「え!!うっそ!!!」
「意外だったな…全然分からなかった」
「ええ〜〜小湊占い師って嘘だったのか〜」
「玉城さんスゴいよ、初日から攻めて御幸先輩を選ぶ流れにもっていってたし。狩人を最初に消せたのは大き…」
「小湊?」
「す、すみません」
「ヒャハハハ!やっぱおもしれー。次はもっと大人数でやりたいなー俺も参加してえし」
「もっと人数呼んでもう一回やりません〜?」
***
そんなこんなで牧瀬やノリたちが近くにいた知り合いに声をかけ、1年から3年まで大人数が勢ぞろいした。
俺たちメンバーに加えて、1年は沢村と降谷。2年はゾノと小野。3年は亮さん、哲さん、純さん。今回は倉持もゲームに加わり、代わりにノリと白州が進行役をやることになった。
「えーと…14人?」
「こんだけ大人数でやったら楽しそうだな〜」
「役職増やしませんか?」
「個人的に亮さんがコエーっす!ヒャハハ」
「うん…兄貴は強そう」
「でも俺人狼ゲームやったことないよ。」
「皆クジ引いて〜」
村人、狩人、占い師、人狼の他に、今回はハンターと狂人も加わる。
「狂人って?」
「村人陣営で、占いだと村人陣営として出されるけど、人狼側が勝ったら勝ちになる役職。」
「うへ〜難しそ〜!私には無理そうだから当たりませんよーに!」
全員がくじを引いた。俺は…占い師。
「じゃあクジを戻して。みんな、目をつぶって。」
ノリの進行で、第一の夜。今回は人数が多いので、初日から人狼は一人選び、続いて狩人も守る相手を選んだ。
「はい、目を開けて。昨夜死んだのは…ゾノ。」
「はぁ!?まだなんもしとらんっちゅーねん!」
「ヒャハハハ」
「ゾノはこっち座って…」
誰やねん人狼!と文句を言いながら、ゾノは白州の隣に移動した。
「じゃあゾノの隣から時計回り。東条。」
「あ、はい!えーっと…。あ、俺はまた普通の村人です!一旦みんなの話を聞きます。以上。」
「次、金丸。」
「はい…俺も…とその前に。村人陣営の人は役職じゃなくて村人陣営って言いません?狩人がばれたら困ると思うんで…あーでも占い師は出てもらった方がいいのか…?基本的に狩人はバレずに占い師を守ったほうがいいと思うんで…ハンター…は出ても出なくてもいいけど、狩人隠すためにまだ出ないでほしいっすね。というわけで村人陣営っす。次牧瀬。」
「はーい。私も村人陣営でーす。次、光!」
「…うん。私も村人陣営です。…次、御幸先輩どうぞ。」
「あー、俺も村人陣営。っていうか、占い師だった。玉城占って村人陣営。よかったー人狼じゃなくて。さっきはマジで怖かっ…睨むなって。えーと以上。次倉持?」
「おう。俺も村人陣営。つーか金丸すげぇな、さっき初めてやったんだよな?金丸が言ってること正解だぜ。今んとこ金丸は村人陣営とみて間違いねーんじゃねーかなー。…うん。以上!次亮さんお願いします。」
「はいはい。俺も村人陣営。御幸が占い師で…玉城さんが村人陣営?これ、占い結果って役職までわかるもんなの?」
「いや、人狼か村人陣営かだけっす」
「あ、そーなんだ。じゃあ玉城さんは…村人かハンターか狩人か狂人?ってことになるのかな。了解。次、哲。」
「…俺も村人陣営だ。狩人は名乗り出ないんだったか?」
「哲さんそれ名乗り出てるも同然じゃ…」
「そうか?うむ…まだルールがよくわからん。」
「次、純に回しちゃっていいんじゃない?」
「あー、じゃあ俺の番な。俺は村人陣営だぜ。とりあえず御幸ィ!いの一番に玉城さん占ってんじゃねーぞコラ!」
「いや、また玉城が人狼だったらコワイな〜と思ったんですよ。俺を嵌めようとするし」
「ホントに怪しかったもん」
「怪しかったもんじゃねぇ。お前人狼だったろーが」
「イチャついてんじゃねーぞコラ!俺は御幸を疑うからな!人狼はテメーだコノヤロー!!」
「えぇ!?何でっスか!」
「俺の言いたいことは以上!次降谷ァ!」
「…?すいません、ルールが分かりません」
「とりあえず自分の役職言って、皆の印象話してよ。」
「僕の役職…?えっと…ハンター」
「テメェ話聞いてたか!?ハンターは言うなっつっただろーがよ!」
「え?」
「し、信二落ち着いて」
「あーもうめちゃくちゃだよ」
「まぁこれで降谷は狙われねーな…」
「皆の印象…は…。御幸先輩が怪しい」
「なんでだよ」
「御幸毎回疑われてんじゃねーかww」
「日頃の行いでしょ。」
「降谷もう終わり?じゃ次沢村。」
「やっと俺か!!えっと俺は村人陣営な!!人狼は許さん!!人狼なんてすぐわかりますよ!!俺には誰がウソついてるかなんてお見通しですからね!!以上!!」
「沢村意外とまともなコメントで笑える」
「どういう意味だ!!」
「あ?タメ口きいたか今?」
「すいやせん!!」
「謝るの早っ!」
「じゃ最後、小湊」
「はい!僕も村人陣営です。」
「ホントか〜?カワイイ顔して平気でウソつくんだよなぁこの子〜」
「御幸、俺の弟がなんだって?」
「なんでもありません。小湊クン続けて」
「は…はい。えーっと…今のところ御幸先輩しか占い師を名乗っていないので、御幸先輩が本物かなと思います。逆にこの時点で僕が占い師を名乗らないのは、村人として見てもらえる要素かなと思います。人狼だったらここで仕掛けないと難しくなるので。なので玉城さんが村人陣営は確定…とみてます。狂人の可能性もあるけど、この後の発言からわかってくるかな〜…。あとは…もうみんなわかってると思うから言いますけど、結城先輩が狩人で…降谷君がハンター。降谷君は処刑で選ばれることはまずないですね。人狼っぽいかなと思う人は何人かいるけど、2回目の発言を聞いてから発表します…。以上です。」
「やっぱ小湊上手いな」
「じゃあ2周目、東条から。」
「はい。うーんそうですね…小湊がすごいな…。俺も小湊の意見に丸々同意です。多分今夜結城先輩が狙われるのかな…。それか考察が鋭い小湊も危ないかなぁと思います…。これくらいしか意見言えないけど…次信二お願い。」
「おう…えー…結城先輩狩人…ッスよね、多分…。いやーこれ…うん…多分狙われますね…。いやまぁしょうがない…か。でも確実に結城先輩と降谷は村人陣営ってもうわかったんで…これはこれでいいんじゃないですか…ね。俺も御幸先輩が本物の占い師と思ってるんで、玉城さんも白で、4人は人狼候補から外れて…もちろん俺も村人だし、よく考察してた小湊も多分村人かな。牧瀬も発言は少なかったけど、自然だったし嘘はついてなさそう。今のところそんな感じですかね…まぁこれだけ人数いるんで、最初はみんなの意見聞いて、一番グレーな人って意見一致すると思うんで、そこに合わせます。以上。次牧瀬。」
「はーい。うーんそーだなー。村人陣営だと思う人は金丸君の意見に同意です。あとはねぇ、沢村君も村人陣営だと思う。残りの中で人狼っぽいと思うのは〜…。申し訳ないんですけど〜…小湊先輩と伊佐敷先輩…かなぁ。発言がちょっと、人狼を探している感じじゃなかったかなーと思います。んーでも完全に勘ですけど!ん〜とりあえず〜…まだ目星着かないんで、今日は処刑なしでもいいんじゃないかと思うんですけど〜…そういうのってナシですか?」
「一応、2回同票で決まらなかったら処刑なし。」
「あ、そーなんですね。じゃあまあ…怪しいと思った人に入れまーす。次光!」
「はい。……。そうですね。てっちゃ…哲也先輩が狩人…。うーん…。考えてたんですけど、狩人は名乗り出ないのか、って確認する言い方だったんですよね。そこがどうしても引っかかってて。もしかしたら狩人じゃない可能性もあるのかな…。深読みしすぎかな。それから、御幸先輩には一刻も早く人狼を見つけてほしいと思います。次見つけてください。絶対。外したら怒ります。以上です。」
「なんでお前俺にだけ厳しいんだよ。でも…まーそうだな…哲さんはまだ確定じゃない…ってのは、村目線からしたらありがたい発言かな。ホントに確認しただけかもしれないし?哲さんならあり得ますね。俺はよく哲さんと将棋打つんで分かります。あとはそーだなー…純さんが怪しいのは同意(笑)」
「んだとコラァ!!」
「コワイっすよ(笑)唯一俺を人狼扱いしてきましたし?今夜は純さん占うかな〜(笑)じゃ、次倉持。」
「うい。そうだな…俺は小湊もコエーかな。さっきも人狼なのに村目線で考察伸ばして上手く立ち回ってたし。一応小湊警戒しつつ、この後役職名乗り出てくる人がいたらそいつも流石に怪しいと思う。今日はそいつに入れるかな。もしいれば、だけど。次亮さん、お願いします。」
「うん。なるほどね…。そうだなー。人狼はまだ絞れてないかな。ただ一つ言っておくと、狩人は本当は俺なんだよね。」
「…え!?」
「いや…亮さんそれは無理が…」
「フフ。わかってるよ。でもむしろこの状況で俺が嘘ついて名乗り出ると思う?疑われて当然じゃん。倉持のさっきの発言のすぐ後だし。まぁ…人狼から見たら俺が人狼じゃないのはわかってるだろうから、哲か俺どっちが狩人か、これで分からなくなったんじゃない?ちなみに本当に狩人。哲がなんで紛らわしい質問したのかはわからないけど、さすがに哲だって本当に自分が狩人だったらあんなこと言わないよ。まあ…その話はここまでとして。今のところ人狼かなと俺が思ってるのは春市。」
「えぇ!?僕!?」
「お前嘘つくとき饒舌になるんだよ。わかりやすすぎ。あとはそうだな、春市の意見に乗ってた金丸と東条も怪しいよね。俺は今日その3人の誰かに入れるよ。じゃあ次、哲どうぞ。」
「ああ。ふむ…。