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「お邪魔しまーす。」

楽しげに俺の部屋に入って行く光を、俺はまだ夢を見ているようなふわふわした気持ちで追いかけた。

「わぁ…」

リビングに入って、はにかんだ顔のまま固まる光。

「なに、その感想。」
「ふふふ。」

お互い照れ臭く笑って、俺は光にソファを勧め、キッチンの冷蔵庫を開けに行った。ビール…はあんま飲まなそうなイメージ…なんだろう、ワイン?ワインはねぇなー…

「梅酒でも買ってこようか」
「え?」

光はちょっと驚いた顔をして、ふわっと笑った。

「私まだ19歳。」
「あ…そうだった」

そーか、光は一個下だっけ…。他校だったからあまり後輩って意識が無い。…先輩って呼ばれてるけど。

「いいよ、飲み物なんて…」

え…。そ、それって。早速ベッドに行こうとかそういう…

「さっきお茶飲んだから。」
「……そっか」

…ですよねー。
でも…今日から3日間、光がこの部屋に泊まる。もちろん夜は…期待していいよな!?

「…で、仕事はどう?」

俺は結局湯を沸かして紅茶を淹れながら尋ねた。

「楽しいよ。」
「光が芸能人になったって知った時は驚いたなー。」
「ふふふ、私も。」
「スカウトされてたんだ?」
「うん…。」

…なんだろう…光、ちょっとはぐらかしてるような…。あえて返事を少なくしている感じがする…。

「……。」

…口数も少ない。昔はもっと、次から次へと話題を変えて笑って…お喋り好きなイメージだったけど。

「はい。」
「あ…、ありがとう。」

光に紅茶を出して、俺も隣に座って、彼女の横顔を見て…。
…赤く染まった頬を見て、あれ、と思った。…もしかして、照れてる?口数が少ないのってそのせい?
……。……めちゃくちゃ可愛いんだけど…。

「…な、何…?」

俺の視線に気が付くと、光は一層顔を赤くして身を竦めた。髪を撫でてはにかんで、落ち着かなくソファに手を置いて。俺はその隣に置かれた手に自分の手を重ねて、身を乗り出して顔を近づけた。

「……。」

恥ずかしそうにしながらも、光はキスに応じた。体を密着させ、キスをしたまま手を絡め、ゆっくりと後ろに押し倒していく。…もうソファでいいや。

「せ、先輩…、」

先輩、って呼ばれると、イケナイことしてる気分になるなー…。スゲー背徳感…。たまらない。

「や……、」

光の手が俺の体に伸びてきて、そして…

「やだ…」

…押し返した。
…え?

「え…ダメ?」
「だ、だって、…痛いんだもん」

うっ…。確かに一昨日は、ちょっと強引に…しちゃったけど…。そのせいで翌朝は、光は歩くのも辛そうだったけど……。

「この間は初めてだったから多少はさ…。今度は前ほど痛くない…と思うけど」
「本当に?」
「…優しくする!」
「え〜…」
「ダメ?」
「……。」
「…どーしてもダメ!?」
「や、やめてよ…。」

あ、やべぇ、これじゃただのヤリ目…。いやでも遠距離の彼女が家に泊まりに来たらフツーは…!!

「…したいの?」
「そりゃ…、…したいよ」

当たり前だろ…!泊まりに来てくれるって聞いた時からヤル気満々だったっつーの!

「え…、し、したくないの?」
「……。できれば…あんまり…、…したくない」
「……。」

ガーーン…と鐘のような音が頭の中にこだました。同時に頭が真っ白になった。し、したくないって…、そんな…。
…まだ1回しかしてないのに…!!

「……。」

光が俺の様子を窺っている。う…。無理やり頼み込むわけにはいかないし…。今日はおあずけ…だよな…、これはもう…

「…し、してもいい…けど…」
「え!?」

急に折れてくれた光の言葉につい反応すると、光はびくりと肩を竦ませた。…がっつきすぎた…。

「で、でも、お風呂入ってから…」
「あ、あぁ、じゃ…先にどーぞ…」

身を起こして離れると、光は起き上がって、小型のキャリーバッグからいくつかポーチを取りだした。

「あ…風呂ここな。」
「うん」
「タオルはそこ、で…あとは適当に、使っていいから」
「ありがとう」

…パタン。脱衣所のドアが閉まって、胸が打ち始めた。…これじゃ欲求不満丸出しじゃねーか!!最低だ俺…。
でも…なんか無理言った感じだけど…でもとにかく、ヤレる…!男なんて単純だ、これだけで簡単に有頂天になってしまうんだから…。落ち着かなく深呼吸を繰り返し、そわそわとソファに座ったりベッドを確認したりして、落ち着け俺、と思い出す。
これは言わばテストだ。今日は光に気持ち良くなってもらって、痛いから嫌だというマイナスイメージを払しょくするんだ。そうすればこの3日間は素晴らしいものになる…!!

……。

20分ほど後、シャワーの音が止んで少しして脱衣所のドアが開き、寝具のワンピースタイプのシャツを着た光が濡れた髪を拭きながら現れた。
彼女にドライヤーを渡し、入れ替えに俺も風呂に入って、シャワーを浴びながら緊張をどうにか落ち着かせようとした。
しかしその努力は報われず、風呂を出るといよいよ心臓の音は大きくなる一方で、濡れた髪をドライヤーで乾かしながら必死に光をベッドに誘う手順を繰り返し考えて、よし、と決意した。

リビングに戻ると光はソファで冷めた紅茶を飲んでいた。俺に気が付くと、表情に緊張を滲ませ、観念したようにそっとマグカップをテーブルに戻した。…なんか良心が痛むんだけど。

俺も光の隣に座って、緊張で渇いたのどを潤すために冷めた紅茶を少し飲んで、光の手を握った。

「光。」

応えるように俺の手をそっと握り返し、俺を見つめる光。

「確かに俺慣れてないし、下手かもしれねぇけど……」

光の目がちょっと瞬いて、手元に視線を落とした。緊張が伝わってくる。まじかー…そんなに痛かったか…

「…ゆっくり、するから」
「…う うん…」

こくん、と頷いた光の手を引いて、ベッドへ連れて行った。ベッドに向かい合って座り、光の髪や頬を撫でた。柔らかな肌は緊張で震えている。なんとなくすまない気持ちになりつつも顔を近づけ、キスをした。怯える小動物を宥めている気分だ。でもキスを繰り返して抱きしめながらベッドに押し倒し、光がうっとりしたうるんだ目で俺を見上げると堪らない高揚感でくらくらした。

ひとつ、ひとつ、シャツのボタンを外していく。下着をつけていない無防備な白い胸の谷間が現れて、俺はごくりと喉を鳴らした。
シャツを脱がし、俺も服を脱いで、秘部を覆う下着一枚になった光に覆いかぶさり、緊張の殻をほぐすように首筋にキスをしたり腰を撫でたりして愛撫する。光は時々くすぐったそうに肩を竦め、それでも俺を受け入れるように抱きしめて息を荒くした。
胸を触ると、光は恥ずかしそうに目を逸らした。
再会して、有頂天になって、愛してると言ったら光は喜んでくれて、初めてを捧げてくれて…オフの日には俺のマンションにこうして泊まりに来て、これからはずっと、一緒にいてくれるような調子で…だから、いいんだよな?俺たち…また恋人同士になったと思っていいんだよな?
はっきりと、また付き合おうとか、よりを戻そうと確認したわけじゃない。婚約者の事故のことや、光臣と新たに婚約したことも気になっていないといえば嘘になる…。でも光の左手の薬指に指輪はないし、光が結婚したという話も聞いていない。芸能人なんだからニュースにはなるはずだ。まして、今は大人気女優なんだから…。
そう…有名人。だから、俺たちの交際を表ざたにするのには、光の事務所の許可が必要。口にはしないけど、俺たちの間にはいろいろな問題が残っている。
でも、これだけは確かなはずだ。
俺たちは想い合ってる。
だって、光もあのカフェに…俺と同じ気持ちで来ていたはずだろ?

「あっ…。」

乳首を弄られ光は甘い声を漏らした。可愛い…。もっと…よがらせたい。光がイくところを見たい…。

「…先輩…。」

うっとりと俺を呼ぶ光にキスをしながら、先輩、って呼び方も変えてもらわないとな、と思った。何が良いかな。やっぱり普通に…一也?

下着の中に手を滑り込ませ、光の表情を見ながら優しく撫でていく。まだあんま濡れてない…な。緊張のせいもあるのかな…。

「…光。どこが気持ちいいか教えて。」
「…え…?」

光は顔を赤くして困ったような顔をした。体も強張っている。

「力抜いて…大丈夫、まだ挿れないから」
「……。」

でももうすぐ挿れるんでしょ、みたいなちょっと抗議めいた目でちらりと俺を見上げて、光は唇を舐めた。
まぁでも…しょうがない。気持ち良すぎて理性が飛んで、ちょっと強引にしちゃったのは事実だし…。
手が動かしづらいと気づき、俺は光の下着に手をかけ、すべすべした長い脚から抜き取った。あ、と光がちょっと声を零して、隠すように足を閉じてしまう。その足を手で撫でながら開かせると、ちょっと抵抗しながら開き、代わりに白い手が秘部を隠しように伸びてきた。

「隠すなよ…。」
「だ、だって…恥ずかしい…」
「もう見たことあるのに」
「そういう問題じゃないの!」

わかったよ、と宥めて、構わず秘部に手を這わせた。白い肌がうっすらと桃色に色づいたところに、淡く熟れたように蜜を流す割れ目があって、そこはきっと甘いんじゃないかと脳裏にささやきかけてくる。実際、甘いにおいが漂ってきそうなほどに、そこはおいしそうな桃色に色づいて蜜に塗れ、ひくひくと俺を誘惑した。

「…舐めていい?」
「…えっ?…え!や…っ、な、何して…っ」

光のか弱い抵抗を抑えて、俺は白い太ももの間に顔を突っ込み、果実に唇を近づけた。

「や、やだっ…、そんなことしないで…。」

恥ずかしさに喘ぐ光の手が俺を押し返そうともがいたけど、俺の舌が果実の割れ目を撫で、蜜を吸い、とろとろに溶け合うと、光はふるふると震えて声を押し殺し、太腿で俺の頭を挟み、そこに顔を埋められたまま、腰をよがらせてぐったりと脱力した。
秘部を舐められて羞恥心が吹き飛んだのか、胸を隠していた腕も快楽に従うようにシーツを手繰り寄せて脱力している。光のそんな姿を見るのは初めてで、俺は興奮でどうにかなってしまいそうだった。
秘部から唇を離し、再び手での愛撫を始めた。しつこく舐めたそこは、指一本ならば簡単に飲み込んだ。すげえ…ぬるぬるして、柔らかくて、熱くて…キツいけど、一昨日ほどじゃない。前後に動かしすぎると痛いというのが昨日わかったから、今度は小刻みに動かして柔らかな刺激を意識した。

「…んっ…。」

光の息が荒くなっていく…。腰が浮いて、刺激を求めるようにもじもじして…。気持ちいいのかな…?

「…気持ちいい?」
「……。」

光はちょっと考えて、恥ずかしそうに、こくん、と頷いた。かっ…可愛い…。

「…これは?」

俺は指を動かしつつ、もう片方の手でクリトリスを撫でた。蜜を絡めて、やさしく、軽く、小刻みに。

「あっ…。…ぁ…」

光が…喘いでる。よし…いいぞ…この調子で…。

「……。」

光はもじもじしながらも、もどかしい顔で俺を見て、逃げるように腰をくねらせた。

「イけそう?」

おかしいな、よくないのかな…、と思って訊いてみると、光はお腹のあたりを押さえてもじもじしながら言った。

「…え…?なに…?」

その質問に、え?と目を瞬くと、光も不思議そうな視線を返してきた。え…、まさか…。

「…イく…とか、わかる?よな?」
「…?何が?」
「いや、だから…気持ちよくなるとさ、イくじゃん。」
「……気持ち…いいよ?」

…うん。それはすげえ嬉しいんだけどさ…。

「…イったことないの?」
「どういうこと?」
「…えーと…気持ちよさの頂点って言うか…、オーガズムっていうんだけど」
「……?」
「まじか…」

つい苦笑する俺を、光はなぜかすまなさそうに見つめた。

「よくわからないんだけど…」
「ちょっと…待ってな。あー…、どう説明すれば…」
「……。」
「…じゃあ一人でやったこともないんだ?」
「一人で?…え、こういうことを?」
「うん」
「す、するわけないじゃん!ひとりじゃできないでしょ?」
「…光…」
「な、なに?」
「いや〜…もうほんっと……可愛いなーお前…」
「なんか馬鹿にしてない?」

ちょっとむっとした光を宥めるようにキスしたら、誤魔化してる、と言われてしまった。だってしょうがないじゃないか、にやけるのを堪えるのに必死なんだよ。
でも、そうか…、光はこういう知識がないから余計に恐怖心があるのかもしれない。でも、じゃあどうする?…AVでも見せる?いやいやいや、それは絶対ダメ…。
…むしろ最高じゃないか?俺好みに色々仕込めるし…なんて…。

「先輩。」

光が俺の肩口を撫でて、俺はハッと我に返った。

「どうかした…?」
「あ、いやなんでもない。」

邪な考えを悟られぬように苦笑して、俺は指を二本に増やした。

「あ…。」
「痛い?」
「…っ、…ゆ、ゆっくり…」
「うん…」

光の表情を見つつ、手元にも気を配って、ゆっくり、ゆっくりと指を挿入していく。この間よりも濡れてる感じがするし…光の表情も、緊張で強張りつつも痛みに耐えている様子はない。

「ふ…、…ぅ…」

あ…、いやちょっと痛そう…?このまま続けるのまずいかな〜…すげぇキツいし…。

「大丈夫か?」
「ん…、…っ、」

眉根を寄せて、こくん、と光は頷くけど、やっぱり無理をしているように見える。俺は指を抜いて、また足の間に顔を埋めた。

「…あっ、や…、やだ…」

恥ずかしがる光の秘部に舌を這わせ、吸い付いて、中まで解すように舐める。

「やぁ…。…あ…っ」

ぴくぴく反応して…可愛いな、ほんと…。

「…ん…。」

はぁ、はぁ、と荒げる呼吸に合わせて上下する白い胸。それに誘われるように秘部から唇を離して起き上がると、とろり、と蜜が糸を引いた。俺はサイドボードに仕舞っていたコンドームを取り出し、下着を脱いで、はち切れそうに天井を向く肉棒を曝け出した。

「……。」

光は息を飲んで一瞬それを見て、恥ずかしそうに目を泳がせて顔を背けた。そんな初心な反応に胸をくすぐられ、俺はゴムを装着し、彼女の足を開かせてそこに体を割り込ませた。

「大丈夫、ゆっくりするから…」

不安気に目を潤ませる光を宥めるように言い、肉棒の先で割れ目をなぞって蜜を絡ませた。

「…っ…、…ん…。」

割れ目をなぞるたびに、くすぐったそうに…それでいてよがるように、光は吐息を乱れさせて反応した。
この様子なら大丈夫かな…。なぞっていた割れ目に、ゆっくりと、肉棒を沈ませていく。

「……、…ぅ…」

光はぎゅっとシーツを握りしめて顔を背けるように振った。

「い…いたい…」

うめく光の頬を撫で、挿入をいったん止めて、額にういた汗を拭ってキスをした。ゆっくり…ゆっくりでいい。光に気持ちよくなってもらうんだ…。あぁでも、俺、そろそろ限界かも…。

「…っ」
「…先輩…?」

息を吐いて気持ちを落ち着かせ、達しそうになるのを堪えた。大丈夫だというように光に頷いて、ふう、と彼女の肩口に顔を埋める。あまくていいにおいがする。やわらかくて、あたたかい。

「光の中…、気持ち良すぎて……ヤバい」
「……。」

耳元で囁くと、光が息を飲んだのが分かった。シーツを掴んでいた手が、甘えるように俺の背中に回った。
ゆっくりと…、ゆっくりと挿入を再開して、俺の背中に回った手に力が篭る。

「力…抜いて、光」
「……っ」

無理、というように、ふるふると首を振って、光は苦し気に顔を顰めた。そんな表情さえも、綺麗で…。俺は唾を飲みこんで、はっ、と息継ぎを思い出したように熱い吐息を零した。

「もう少し…」
「や…、っ…あ…、…いや…いたい…っ」

光が叫ぶと同時に俺の背中にも鋭い痛みが走った。痛みに驚いて光が爪を立ててしまったのだと気づくと同時に、あ、やばい、と冷や汗を流した。またやってしまった…。だって、気持ち良すぎて…!!

「いたいぃ〜…」
「ご…ごめん…」

涙ぐんでいっぱいいっぱいになっている光は、申し訳ないけど、すごく…そそられる。桃色に赤らんだ頬がしっとりと汗で濡れて、柔らかな金の髪が白い肌に張り付いて、細い腕で精一杯俺にしがみついて。すごく可愛い…。

「でも、あとちょっとだから…」
「あっ、い、いた…っ…大きすぎ…」
「……。」

痛がってるとこ申し訳ないけど、その言葉、逆にエロい…。

「…全部入った」

息を荒げて汗を滲ませ、目を潤ませる光を抱きしめると、光が強請るように唇を近づけてきた。おぉ…光の方からキスを…。やっぱ最高、いっぱいいっぱいになって、俺に縋りついてくる光の姿…。

「…動いていい?」

もーほんと、限界…

「ゆ…ゆっくり…ね」
「うん」

光の顔を見つめながら、ゆっくり、腰を動かし始めた。
…あー…飛びそう…。すげぇ気持ちいい…。

「う、…ん…っ、……っ」

光…苦しそうだ。だけど俺にしがみついて、キスに応じて、ときどき甘い声が混じる。

「ん…、…はっ…」

青い目が俺を見つめる――

「……ぁ……」

熱を吐き出して動きを止めると、光の肩口に顔を埋めた。光は俺を抱きしめたまま受け止めて、お互いに呼吸を整えながら、しばらく抱きしめ合っていた。
ゆっくりと肉棒を引き抜いて、火照った体で、潤んだ目で俺を見上げる光に、またムラムラしてきて…

「…光さん」
「イヤ」

また覆いかぶさろうとしたら、ぷいとそっぽを向かれてしまった。

「今日はもうおしまい。」
「……はい」

がっくり…。やっぱり痛かったらしい。これからも行為拒否られそうな予感…あぁ、どうしよう。

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