※男主の友情もの?です。笠松先輩の弟が誠凛に入ったらいーなって話です。オリキャラで友人が複数人出てきます。
※黒子くんたちは2年生になりました。木吉先輩は部活に口だけ出します。




俺が屋上から全国制覇と叫んだすぐあとに、笠松は同じくとだけで済ませた。正直ずりい。ただ兄貴を越えるとかそれ系のこと言わなかったアイツをからかうことはできなかった。俺もアイツも、バスケは好きだけどなんかもやもやしたものを腹の底に抱えたままだ。


結局バスケ部に本入部したのは4人。俺と笠松と、残る2人は水島という食えない男とスラムダンク(漫画)が好きだという元陸上部の和田だった。ちなみに、その和田が相田監督バスケがしたいです、と朝礼前の屋上から全力で叫び、全校生徒の笑いを取ったのは記憶に新しい。

そうして、日直で笠松が教室に足止めをくらった日、俺は部室でキャプテンとカントクに捕まった。自分はタッパはある方だと思ってたけど、なんつーか、やっぱ2年の差はデカい。つまりは威圧感半端ねぇ。

「そんな怯えなくてもとって食いやしねーよ」
「そーよー。ちょっと、笠松くんについて教えて欲しいだけで」

笠松。その名前が出て、下げていた視線をカントクに合わせる。が、40センチ下となるとほぼ旋毛しか見えない。

「言っても俺ら、そんな仲良くないっすよ?」
「そーなの?仮入部初日とか、今もだけど仲良くしてるじゃない」
「戦ったことあるのと、去年のWCでキセキが負けるの見てざまあっつって意気投合したくらいの浅ーい付き合いです」
「ざまあって、」
「見てて気持ちよかったけど。まあ、出来たら自分の手で負かしたいってのが本音っす」
「そーでなきゃ困るわよ。でも皆本くんはキセキの世代と中学で一緒だったんでしょ?そんな嫌なヤツらだったの?」

がりがり、と首の後ろをかいて言葉を選ぶ。帝光バスケ部のキャプテンになってからの半年間は必死すぎてそこまで考えはしなかったものの、いざ引退してからが酷かった。澱んだものが腹の奥底で混ざって、日に日に腐っていくくせに、どこにも吐き出す場所なんてなくて。そんなときに新設校が青峰さんのいる桐皇を破ったことをテレビで知った。慌てて動画サイトでその日の試合を探し出して、見て、少しだけ気持ちが収まったのは今でも忘れられない。そしてすぐ後の陽泉戦を見に行ったその先で、ついこの前の全中決勝で抑えきれなかった笠松に会った。

「イヤなヤツと言いますかね。ほら、俺らはキセキの世代の直後の凡人世代なわけですよ。しかも、先輩らがレギュラー総ナメだから試合経験なんてほとんどない。それがいきなりはいどーぞ試合です。でも負けんなって、さすがに14やそこらのガキにはキツイっすよ。だからいいイメージないだけで、あんま深く考えないでくださいね。って、俺のことじゃなくて笠松っすよね。どーしたんすか?」
「あ、ああ。海常行かなかったのがどうしてもやっぱり引っかかってて。全中MVPなら尚更スカウトとか来たんじゃないかなって。しかもあの笠松さんの弟だし」
「スカウトは来てたみたいだけど、断ったっつってたかな、いやでも」
「ごめん、聞こえない」
「や、独り言っす。まあ、あれです。アイツすっげー負けず嫌いだから、緑間さん倒したいってのは割と本気だと思いますよ」

あとは、そう。仮入部のときに零した、海常の笠松はひとりで十分ってのが全てだ。

「良くも悪くもお兄ちゃん大好きっすからね、アイツ」

だから兄と似ていないと言われるのが嫌いで、その似ていない顔を隠すように黒いセルフレームの眼鏡をかけてる。兄貴と同じく黒いレッグスリーブは絶対に外さないし、厄介なことにチームの危機にはPGの真似事も熟す。

「笠松の載ってる月バス見たんすよね?嘘みたいだけど、マジな話、全中決勝でアイツ1人に何点取られたかわかんないっす」
「つかそれって、俺のポジションやばくね?」
「日向くんファイトー」

シュート練してくる、と慌てて部室を出たキャプテンがさらに大きい声で、笠松来てたのか!つか制服のまま撃つな!つかもうお前シュート練禁止!などと理不尽に声を張るのが聞こえて、カントクと同時に肩を震わせた。

「そう簡単には俺も笠松も折れないっすよ」
「そーみたいね」
「で、俺にそんなこと確認するくらいだから、海常あたりと練習試合でもするんすか」

疑問でなく断定で声を掛ければ、カントクは目を見張って息を吐き出した。

「さっすが、帝光のキャプテンだっただけはあるわね」
「そりゃどーも」


(150314)(たっのしー)



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