Murmur

2019/07/01 (23:35)


6月の終わり、思い立って唐突にピアスをあけた。
ピアスをあけたいと漠然と思いながら痛そうで実行することはなかったのに、あの日、わたしは突然思い立って、薬局でピアッサーを手にしていた。真夜中に手鏡を覗き込みながら開けたピアスは、想像しているよりもずっと容易くて、それでも、貫通したばかりの穴はじんじんと痛かった。
ピアスをあければ何かが変わるかもしれない。そんなことを思っていたのに、実際に変わることなんてなに一つなかった。鏡に映った自分の耳に、ひとつ、異物がくっついているだけ。
ピアスの穴をひとつあけたくらいで、何かが変わったりするはずがないってこと、少し考えればわかりそうなものなのにね。髪で隠れてしまう耳の異変にあのひとが気が付くことだって、きっと。

2019/01/31 (22:18)


因という名前が好きじゃなかった。というより、今でもあまり好きではなくて、自己紹介では苗字だけを言ったり、名前は平仮名で書いたりしてる。親が想いを込めて名付けてくれた、最初の贈り物ってことはわかってるんだけど、漢字がどうしたってかわいく見えない。
でも、あのひとに「」と呼ばれるのは好きだったりするから我ながら現金だ。普段は「ちな」って呼ぶのに、ふとした瞬間に、そう呼ぶの。ずるい。
好きじゃなかったって、それがわたしの名前だもの。

2019/01/30 (00:00)


日記を書こうと思い付いたのはなんとなくで、飽きっぽいわたしがどのくらい続けられるかはわからないけど、見切り発車で始めてみようとおもう。新しいことに挑戦するのは悪いことじゃないって、あのひとなら言ってくれそう。
伝えられない想いをつらつらと吐き出すこの場所が見つかったら、恥ずか死してしまうから、教えることはないのだけど。幼馴染みって特別、良いのか悪いのかよくわからないよね。


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