Murmur

2019/07/01 (23:35)


6月の終わり、思い立って唐突にピアスをあけた。
ピアスをあけたいと漠然と思いながら痛そうで実行することはなかったのに、あの日、わたしは突然思い立って、薬局でピアッサーを手にしていた。真夜中に手鏡を覗き込みながら開けたピアスは、想像しているよりもずっと容易くて、それでも、貫通したばかりの穴はじんじんと痛かった。
ピアスをあければ何かが変わるかもしれない。そんなことを思っていたのに、実際に変わることなんてなに一つなかった。鏡に映った自分の耳に、ひとつ、異物がくっついているだけ。
ピアスの穴をひとつあけたくらいで、何かが変わったりするはずがないってこと、少し考えればわかりそうなものなのにね。髪で隠れてしまう耳の異変にあのひとが気が付くことだって、きっと。


 TOP