要注意作品です!
お互いに気持ちはないとはいえ、青桃表現がある上に裏物・百合です。
嫌悪感を抱く方はご回避ください





たんたんたん。
リズミカルに木の階段を叩くコレが、地獄への道だとは思わなかった。



大ちゃんいるかなぁ
幼なじみで家も近くて高校のクラスまでいっしょ。
運命だって言われてもいいくらいに私と大ちゃんの距離は近かった。
さっちゃんとも同じくらい、いや物理的な密接度は彼女との方が高かったが、高校でクラスが離れてしまったのだ。
だからどうというわけではないけれど、自然と大ちゃんの部屋を訪れる機会が多くなった。

土日に宿題やった?って。
平日は明日の準備した?明日はこれが必要だから忘れずにねって。


「へーへー。わかってるよ、名前」


そう言って頭を撫でてくれるのが嬉しくてクセになってしまったこの行動が。
私を、地獄のどん底に落とすなんて。


妙に静かだから大ちゃんのお母さんやお父さんはお出かけしたのであろう、日曜日の夕方。
土日の間に出ていた宿題を持って大ちゃんの部屋を目指す。
いっしょにやってあげなきゃ絶対にやらない。
そう思って訪れているだけなのに、なんだか、ただこの静かなだけの空間に胸がもやついた。


「………?」


胸元に手を当てれば夏前だから薄着をしていたため、すぐにさっちゃんより小さいけど丸い膨らみに触れる。
なんだろう
気のせいか、と片付け階段をのぼってゆく。


「大ちゃんー?」


静寂に負け気味になってしまって、小さい声で少し呼びかけてみる。もちろん返答はない。
寝てるのかな?
もう、あと二階まで三段、というとこで、不自然な軋みと吐息交じりの声が聞こえた。
己の名を呼びながら。


「……っは、あ、名前っ…」
「ああっ、あ、んんン…名前ちゃぁん…!やぁ、」
「う、イく、名前…名前っ」


ここまで、呆然としたのは、わたしは生まれて初めてだった。
心は理解を拒むのに好奇心は体を動かして、大ちゃんの部屋…いや、地獄への扉を開けた。

私の網膜に映ったのは互いに瞳を閉じながらも器用に性交する大事な男女の幼なじみ。
大ちゃんは『イく』という感覚に陥ったようで背中をびくりびくりとさせて、普段の獣のような強さなんてなくて、ただの男のようにその突っ込んでいたモノをさっちゃんから抜き出す。

反してさっちゃんは満足していなかったらしく大ちゃんなど気に留めず己の指で、私の名を呼びながら彼と同じく絶頂を迎えた。

だめよ、私。
だめなの、コレは私への秘め事なんだから。
でも、でも。


「ねえ…なんなの…?コレ」


すべての感情が弾けて飛び去ったような感じの表情で、ふたりは私を見た。
ありえないものを見るように。
ありえてはイケナイものを見つけてしまったように。


「なっ、名前っ…!?」
「っ…あ、名前ちゃ…!」


大ちゃんはコンドームを外して後処理をしていたところだった為、バッチリと彼のソレを目にした。
視線の行き所に気づいた彼は頬を染め恥じらったが、何の興奮を生んだのか、ヘタレてたソレが上を目指す。
さっちゃんはさっちゃんでパンツもほったらかしで私に違うの!これは、と縋り付いてきている。


「…もういい。落ち着いて、ふたりとも」


呆れて吐いたため息に大ちゃんもさっちゃんも絶望を見たかのようなひどい表情をした。


「ふたりがそういう関係なのは何も言わないし恋人同士ならどんな行為をいつするかだなんて、ふたりの勝手だから口は出さない。ただ、私の名前は出さないで」


ヒクッと喉をひくつかせたあとに、一斉に反撃に合う。
ごちゃごちゃ煩い、ただでさえ今は気分が最悪な上に未だ状況を整理できていないのだ、あーだこーだ言われて良い気分ではない。
うるさい
ピシャリと言い退ければ面白いほどに口をつむいだ。


何でも、ふたりは私に昔から恋心を抱いたそうだ。思春期になって変わっていく体、声、顔立ち。それに伴って膨らんでいったふたりの恋心と性欲という、新しい感情。
ソレを私にぶつけようとしたが、大ちゃんは大事な私に痛い思いをさせたくない・絶対ヤったら止められないという思いから。
さっちゃんは同じ女に性欲まで持たれてると知られて私に引かれたら・もしそれで幼なじみですらいられなかったら。
そのふたつの恐怖が、ふたりの利害の一致を導いたらしい。

しかも、お互い同士の顔だと欲情しないため、盗撮した私の動画を隣に置いたスマホで流しながらコトに及んでいたとな。

ああ…本当にネット世間て怖いなぁ…

本日何回目かわからないまでの遠い目をして明後日の方向を向く。
知らない。動画や盗撮をされていたなんて知らない、心当たりはないんだけどな…。
幼なじみで毎日の時間のほとんどをいっしょにしていた二人がそれをしていたというのだから、本当に恐ろしい。もう少し自分に警戒心を持たなければ。


「っ!」


そんなことを思っていれば、素っ裸の大ちゃんに腕を引っ張られ、さっちゃんから引き剥がされベッドへダイブした。


「いった…」


あまり痛くはないのだけど、やはり反射的に、ね。出てしまう言葉である。


「なあ名前。俺はずっとずっとお前が好きだったぜ、もちろん女として。俺の世界にオンナはお前ひとりしかいない」


なんて熱烈な告白だろうか。
でも、感動なんてする暇なんてなかった。だって私の上にはオトコ全開の大ちゃんがのしかかっていたから。


「あっ大ちゃんずるい!名前ちゃんに何するの!」
「バレたらもう開き直るしかねーだろ。どの道他の男にやるつもりなんてなかったんだ、いいキッカケじゃん」


助けを求めてさっちゃんを見て絶望した。
彼女は大ちゃんの言葉を理解した途端にキラキラと瞳を輝かせ出し、あろうことか素っ裸のまま私の顔を跨いで見下ろしてきた。
これは、あのー…俗にいうシックスナインの体形?
…え?


「な、さっちゃ…?」
「わかった、いーよ。じゃあ名前ちゃんの初めてサレルのは大ちゃんにあげるから、初めてスル方は私がもらうね」
「好きにしろよ」


いいや、大ちゃん。
好きにしろよじゃないから。
これは私の体だから!拒否権は私にある!


「やめっ…!え?ひゃあああ!ん、んむぅっ」


軽装で来たのが災いしてそそくさと大ちゃんに服を剥ぎ取られた上に、口元にさっちゃんの性器が押し当てられて喋れない。


「気持ちよーくしてね名前ちゃん」
「気持ちよくしてやるよ、名前」


青峰大輝と桃井さつきの幼なじみに生まれた瞬間からもう、私は逃れられなかったのだ。
どこまで自分が正気でいられるかだなんて、もう秒読みでしかない




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