あの日から、私はまた一郎太と会うようになった。私が一郎太に片想いしてたあの幼かった初恋は 胸の中に大事にしまっていたせいか それか...辛い時に優しくしてくれたせいか...。私はとても、汚い心の持ち主なのかもしれない。一郎太が好き。
「一郎太」
「どうした?」
「久々に二人で遊びに行きたいな」
そうだな!と元気よく一郎太は言うと、自転車の後ろに私を乗せた。まず映画館「ポップコーン食べるか?」「うん、ハーフ&ハーフがいい」「わがままだな◎」私よりも綺麗な顔で笑う一郎太、ポップコーンが弾けるように 私も心がずっと跳ねている。
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映画を観た後、感想を言い合いながら自転車に乗せて河川敷に向かった。すーっと息を吸う、本当にここの空気は気持ちがいい...。ちらぅと◎を見たら真面目な顔して 夕日を眺めてた。オレンジ色に包まれて俺達は無意識の内に...いや お互い分かってたのかもしれない肩が当たるまで近くに寄って お互いの手を繋いでた。
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繋いだ手が温かい。
彼みたいに、誰彼構わずに繋ぐような一郎太じゃないからかな 本当に優しさが指先から溢れてる。私、今すごく恋をしてる。本当の恋ってここにあったのに、私何を遠回りしてたんだろう...。
夕日が私達を包んでるみたい。
この世界は全部、私と一郎太のものみたいだなぁ。
「ねえ...一郎太。小さいとき私の事お嫁さんにするって言ってたのおぼえてる?」
「あぁ お嫁さんになるって◎も言ってたよな」
「まだ...その気持ち...残ってる...?」
「......勿論だ、◎は どうなんだ?」
「私 一郎太の事がす、き...」
幼馴染以上の関係になりたいの
私がそう言うと、一郎太は「俺もお前が大好きだ」なんて...返事は勿論イエスだと分かってたのに。その優しい声がオレンジの夕日と混ざって私の身体をとろとろに溶かそうとしてる。顔が赤くてもバレない早くここの夕日に頼ればよかったな...なんて。
見つめあってる瞳が、綺麗なオレンジだ。
「それにしても言うのが遅いぞ、◎...ずっとその言葉を待ってたのに」
「一郎太こそ...言ってくれなかったじゃん...」
「それもそうだな...大好きだ」
私に向けてくれる笑顔が本当に素敵。お互いにそっとキスをした。たった一度のキス、やっとできた キス。さっき飲んだオレンジジュースの味が仄かにした。
「おいおい なんで泣いてんだよ」
「嬉しいからに決まってるでしょ」
嬉しくても悲しくても涙は出るけど、嬉しくて出る涙は 本当に特別なんだよ一郎太。そう言えば、眉を少し下げて「お前は本当に 泣き虫だな」と肩を抱いてくれた。
私の世界と君の世界やっと同じ色だね。
嬉しい涙(世界を君にあげるよ)
20131222
⇒20180306 修正
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