Maria
「アルファ 今日は恋人の日なんだって」

「YES それはブラジルのイベントだ、恋人や夫婦間でフォトフレームを送り合うのだ」

「なんだ...知ってたか」

「YES だが私達には関係がない、何故ならここは日本だからだ」



キリッと眉をつりあげて誇らしげには笑うアルファに苦笑いが零れてしまった、分かってはいたけど こんなにもロマンチストの欠けらも無い男だったとは。



「ねーせめて どこか出かけようよ」

「NO そんなものに振り回されるな」



もしかしてバレンタインもクリスマスもこんな感じで突っぱねられるのだろうか、イベントを大切にしたい女に優しく無さすぎるアルファの紫色した髪を腹が立つので軽く引っ張ってみた。

仏頂面のまま私の方を向くと「痛いだろう」と制止の言葉が、彼は私の名前を呼び髪を掴んでいる手を握るようにして離すとこんな事を言い出した。



「そんなイベントがなくとも 私達の間には愛があるじゃないか」

「そういう問題じゃないの」

「お前は私のもので、私はお前のものだ...だから チャラチャラとしたイベント毎は必要ない」



背後から誰かに刺されたみたいな衝撃を受けて私は頭を抱えた、なんでこんな男付き合ったんだろうか。乙女心を1%でも理解しようとしないバカ男に対して流す涙が勿体無いが アルファは私が泣くのが嫌いだから、せめてもの仕返しで泣いてやった。



「アルファのバカ!ガンマでもちゃんとやってくれるよ!」



私は走って自室に逃げ込んだ、後ろから「ガンマと何かあるのか?」なんてアホ丸出しの言葉を投げかける バカ男を閉め出して私はドアの前で暫く泣いた。










「そろそろ 開けろ」



泣いた後そのまま私は眠ってしまったのか、アルファの優しげな声で目を覚ました。



「...はい、」

「やっと開けたな」

「寝てたの」

「...腫れているじゃないか」



冷たい水が入ったペットボトルを目に当ててくるアルファ、水滴が頬と鼻を伝って床に落ちる。ひんやりと痛いくらいに冷えた目をぱちぱちと何度か瞬きさせて彼を見た。



「誤りに来たの?」

「...NO 私は謝らない、これを渡しに来ただけだ」


「これ、」



可愛らしい芍薬の小さなブーケだった、フリルドレスみたいにふわふわと揺れている芍薬を彼の手から受け取り 鼻を近づける。

むせ返りそうなほど 芍薬の甘い香りが鼻腔をくすぐる、その匂いで少し機嫌が良くなってしまった私は 彼に笑みを向けた。



「芍薬...ありがとう」

「花言葉は知らないが、お前に似合うと思った」

「そうなの?ありがと アルファ」



抱き締めようとした私よりも先に、アルファが私をぎゅっと抱き締めた。



「ガンマには渡さない」

「...あれは、怒らせるためにわざと」

「本当か?」



うんと頷けば安心したように、いつもの仏頂面を少し和らげて 私の頬を撫でた。



「さて、私を怒らせようとしたお前にどんなお仕置きをするか考えるとしよう」

「...え」





20180612〔恋人の日〕

ポンズ様、初めまして管理人のriricoと申します。そして、今回はアップが遅くなってしまいまして申し訳ございませんでした。

アルファ初書きでした...!
彼の口調などおかしかったらすみません。芍薬の花を買いに行くアルファと可愛いなぁと思いまして書いてみました~!

この度はリクエスト頂きましてありがとうございました!今後も是非よろしくお願い致します。
prev top next