「修也 そろそろ許してよ」
怒っているのか、私には目もくれず彼は頬ずえをつき携帯を睨んでいる。きっと空っぽの画面をスクロールして私の謝罪の言葉に耳を済ませているに違いない彼になんとか 許してもらおうと揺さぶるも全然こちらを見てくれない。
「ねえ、謝ってるんだから...少しはこっち向いてよ...」
「...うるさい」
「子供みたいな事言わないで」
「お前 あんな所で鬼道と何をしてたんだ?」
図書室の隅っこで転びそうになった私を抱きしめるような形で救ってくれた鬼道君にはなんの罪もないというのに、運悪くそれを見てしまった修也は 飛び出すようにして図書室から逃げていったのだ。
私も鬼道君も誤解を解こうと 走って探したがどこにも居なくて、家まで押しかけて...今というわけだ。
「あれは事故だったの、」
「どっちから 抱き合ったんだ?」
「だから 違うの...!私が転けそうになったのを鬼道君が受け止めてくれて...」
「苦しい言い訳だな」
「もう!何で信じてくれないの??」
あー だめだめ、泣きそうになってきた私は天井を向いた。修也の部屋は相変わらず整理整頓がされていて 怖いくらいだ、誤解を解こうとしているのに話を聞いてくれない修也に次第に悲しいとかよりもイライラしてきた私は彼の肩をぽこんと殴った。
「ばか!」
ぶわっと溢れ出した涙を見せてしまい恥ずかしくなった私はダッシュで部屋を飛び出そうとするも、彼に腕を掴まれて床に逆戻りだ。
ぺたんと両足を揃えて座り込む私の頭をグチャグチャと撫でて、彼はこんな事を言った。
「あの時 どうしようもなく心臓が痛くなったんだ」
「...それは、私もそうなると思う」
「だから お前に意地悪な態度をとってしまった」
「ばか...親友の鬼道君と、大切な彼女のこと嘘つき呼ばわりして...ばかばか!!」
「いや 本当は鬼道から聞いていたんだ、お前があまりにも可愛く謝るもんだからいつ言い出そうかと考えてたら 意地悪な事を言いたくなってな」
ぱりんと心臓が割れそうになった。
「もう...これで、別れちゃうとか...思ったじゃない!ばか!」
「すまない もうしないから許してくれ」
ぎゅっと優しく抱き締めれば許すと思ってるのだろうか、大当たりだ。本当に別れちゃうかもって心配してた分の涙が一気に溢れ出る、両手で私の頬を掴んで ぎょっとした顔をした修也が「すまない...泣かないでくれ、」と謝るがもう時すでに遅し。
「ばか、修也のせいで寿命30年縮んだ...」
「...すまない」
「もー 嫌い!嫌いなんだから!!」
「俺を嫌いにならないでくれ」
自分のせいで彼女が泣いているというのに彼は楽しそうな声でそう言って、困ったような顔をして笑った。それにめっぽう弱い私は 鼻水をずずっと吸い込み息を整えるように深呼吸した。
「嫌いにならないようにしてみて」
「どうすればいいんだ?」
「考えてよ」
「そうだな...これは?」
私の髪を撫でて おでこと鼻にキスする修也、泣いてブスになった私の顔を「かわいい」なんて言うものだから 嬉しくて下唇をかんだ。
「たりない、」
「困ったな それなら、これは?」
人差し指で私の唇を撫でて、彼は唇を重ねてきた。だいぶ腹立つけど キスをされたら許すしかない、惚れた弱みというやつだろうか 彼の首に腕を回して今度は私からキスをした。
「修也が嫉妬深いってしれて次のイタズラ決めちゃった」
「...何するつもりだ?」
「秘密...嫌?」
「そうだな、今日みたいな思いは二度とゴメンだ」
「なら やめといてあげる」
ありがとう、左の口角を上げて彼はまた私にキスをした。
20180612〔恋人の日〕
嫉妬
みと様~!リクエストありがとうございます、アップが遅くなってしまいまして申し訳ございません...。
今回は中学生らしい可愛い嫉妬豪炎寺をテーマに書いてみました!いかがだったでしょうか?
今後も是非よろしくお願い致しますー!