Lucky Star
「これ、今日記念日だし 有人に渡したくて」



彼女の手には趣味の良いフォトフレームが、それを受け取り 何度も角度を変えてそれを見た。彼女からなにか貰えるとわかっていたら俺も渡していたのに...、来月にある半年記念日に何かを渡そうと思っていたのに 先を越されてしまったな。



「ありがとう、嬉しいよ」

「みんなで撮った写真とか飾ってね、素敵な写真沢山あるんだし」



みんなと撮った写真をアルバムじゃなくて、こうやって毎日見れるところに飾ってほしいんだ。と 記念日だというのに、俺の為を思って選んでくれたのだと考えると胸がじんわりと痛くなるほど温かくなった。

彼女への感謝の気持ちを込めて 手の甲にキスをし「ありがとう」と言えば、照れくさそうに笑って◎は 俺の頬を人差し指で撫でた。



「◎、この後何も用事がないなら アイスでも食べに行くか?お前の好きな店で新商品が出ているとさっき記事を読んだ」

「新しいアイス食べたいなって思ってたの...なんで分かっちゃうの?有人エスパーみたい!」



何も入っていないフォトフレームをベッドルームの小さな机に飾り 上着を羽織り、彼女の手を引いて家を出た。










次の月、私達は半年記念日を迎えた。誰かと付き合うのなんか初めてで本当だったら毎日祝いたいくらい嬉しいのだけれど、有人に「半年毎に祝おう」なんて止められた。

まあ、当たり前といえば当たり前なんだけど...



「◎ 来たか」



ドアを開ければ、有人の部屋にはケーキと大きなキャンドルが綺麗に並べられていた。



「どうだ?こんな事をするのは初めてでな 気に入ってくれたか?」



恐る恐る私の顔色をうかがう有人の表情があまりにも可愛くて「こんな事してくれると思わなかったから、本当に嬉しい」と笑えば、安心したように「そうか」とつられて笑ってくれた。



「私はこれ 手作りのクッキー、口に合うといいけど」

「先月プレゼントくれたじゃないか...俺ばかり貰っているな、すまない」



そんな事を言いながら有人は自分の後ろに隠していた箱を私に渡して、開けてみてくれと言ってきた。

丁寧に箱を開ければ 出てきたのはピンク色した可愛いチェキが顔を出す、私はそれを手に取って有人を見た。



「この前 お前がフォトフレームをくれた時に、二人で写真を撮ったことがないなと思ってな...これで沢山思い出を残さないか?」



照れくさそうに有人は笑って私の髪を撫でた。



「なんか、意外でびっくりしちゃった...!」


「...俺と春奈の両親はあんまり写真を残さない人だったから、もし 俺達に子供ができた時写真を見せながら思い出を話せるといいなと...思っ...いや、すまない 急にこんな事」



有人の話に赤くなってしまった私に気が付いた彼も言葉を詰まらせて終いには謝ってしまった...。まるでプロポーズみたいな事を言われるとは思って無かったから、恥ずかしくて うれしくて 私は有人の手を握った。



「...そうだね、未来の為に沢山思い出を残そう?」



精一杯の勇気を振り絞って出した言葉を聞いた有人は、世界で一番幸せそうに笑って「ああ」と小さく声を漏らした。



「撮ってみるか」

「本当だね、最初はほら ケーキとキャンドルの写真とか撮ろうよ」

「そうか...?なら ◎、ケーキを持ってくれ」

「え?私を撮るの??」


「ほら、早く 撮るぞ」



ピンク色した私達の恋を保存してくれるチェキを大事そうにかまえて、私とケーキをとらえる。



「撮るぞ」

「うん」



独特の機械音を出して、チェキが1枚出てきた。真っ黒なそれは みるみる内にカラフルな世界を写だして、浮かび上がったのは 嬉しそうに笑う私と 有人が一生懸命作ってくれたケーキだった。



「いい写真」

「これは俺用だ」



有人の馬鹿っぽい言葉に吹き出してしまうと、なんだと眉間に皺を寄せて 不思議そうに私を見つめ彼は首を傾げた。




20180612〔恋人の日〕
夢主がフォトフレームを鬼道さんに送って、そのお返しをもらう

まくら様~!いつも仲良くして下さり本当にありがとうございます、リクエストまで...!嬉しいです。この度はアップが遅くなってしまいまして申し訳ございません。

本当の恋人の日!って感じのお話になったんではないでしょうか、鬼道さんが両親の写真残ってないっていってたあのシーンが本当に辛くて どこかでそれを発散させることが出来るお話しかけたらなぁなんて思っていたので 書いてみました!
チェキで沢山二人の思い出を残してほしいなぁ~!

今後も沢山仲良くしてくださいね(^-^)それでは、改めまして ありがとうございました!
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