「修也さん」
「なんだ」
「こんなにも蒸し蒸し暑いっていうのにー、なんでスカーフなんて巻いてるんですか?」
理由を知っているクセして彼女は意地悪く笑って俺の首を指さす、一昨日 彼女と一夜を共にした時に 散々キスマークをつけられた。
迂闊だった、2歳も年下だからと油断していた報いか。
「悪い小娘のせいでな」
「へえ、その小娘って...もしかして 私ですか?」
「もしかしなくてもお前だろう」
俺の言葉にケラケラと笑い出す◎は、俺の腕に自分の腕を絡めて 頬擦りした。
「ふふ 私の事年下だから、主導権握られないなんて思ってたバツですよ センパイ」
「お前といい 虎丸といい 生意気な後輩ばかりで呆れるよ」
暑いというのにスカーフを巻き、年下の彼女にからかわれる俺をみんなが見たら笑うだろうか。いいように遊ばれているのが堪らなく嫌で 彼女の腕をつかみキスをすれば「街の真ん中でなんですかー?」と 相変わらずのニヤニヤしたむかつく笑みを浮かべる。
「本当にお前みたいな奴を好きになった数年前の俺を殴ってやりたいよ」
「えー そんなこと言わないでくださいよう」
甘えたような声を出して 彼女は、大げさに肩を落として俺を見た。その手には乗らないぞ。
「...はあ、とりあえず 飯でも行くか?」
「はい!お腹ペッコペコです」
にこにこと可愛い笑いを浮かべている時はいいのだが...、年下に振り回される自分を情けないなと笑い 彼女の手を引きレストラン街へと向かった。
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ご飯を食べてから 修也さんのお家に向かう帰り道、キラキラとネオンが私たちを包む。周りにはきっと 最高の男を連れた、平凡な女が見えてるに違いないなぁ。
「修也さんってなんで私を好きになったんです?」
わざと落し物でもするようなわざとらしく 尋ねてみた、彼は私の方を向き少し考えると 首を傾げてこう言った。
「いきなりどうしたんだ?」
「もー 質問を質問で返さないでくださいよ、鬼道さんじゃあるまいし...」
「いや 急にどうしたんだと思ってな」
「で、?どこを好きになってくれたんですか?」
ショーウィンドウに映る私たちは、あまり似合いのカップルとは言えない程釣り合わない...修也さんがカッコよすぎるのが悪いんだけど。いつでもデートの時はセミフォーマルだし、こんなラフな格好してきた私が馬鹿みたいじゃないですかー なんて考えてたら 彼は私の歩みを止めた。
「好きな所は今も昔も、元気で明るい所だな」
「元気で明るい...色気のない、」
「色気なんて必要か?」
「はぁ、もういいですー 絶対またキスマーク付けてやるんだから」
私にとってのキスマークは セックスアピールなんだけど、彼には私の悪戯としか思わないのかなぁ。
コツン 少し大き目の小石を蹴れば、昨日降った雨で出来た水溜りにぽちゃんと沈んでいった。
「キスマーク 今度は俺がつける」
「...え?」
「お前にばかり 主導権を握られるのは堪らないからな、それに...普段は明るくて子供みたいなお前がシてる時だけ見せる女の顔が堪らないんだ」
どうだ、参ったか。
そんな顔して修也さんは私にそんな言葉を投げた、恥ずかしくなってしまって赤くなった私を見逃さなかった彼は 「早くベッドに入らないか?」と意地悪ーく笑ったのだった。
20180612〔恋人の日〕
匿名様、初めまして管理人のriricoと申します。そして、今回はアップが遅くなってしまいまして申し訳ございませんでした。
自分に自信がなくて 豪炎寺にキスマーク残しちゃう女の子とか可愛いなぁと思って書きました。
この度はリクエスト頂きましてありがとうございました!今後もよろしくお願い致します。