「ほら、買ってきたぞ」
「あっ 折緒君ありがとう」
コトンと置かれた甘い甘いコーヒーを受け取って私は折緒君を見た、綺麗な紫色の髪をカッコよくセットして 頬ずえついて外を見る彼は別次元の人間のようにきまってて 見とれてしまう。
「〇 見すぎ」
「ごめん、絵になるなあって」
「は?」
なんで私と付き合ってくれたんだろう...なんて考えても考えても分からない、折緒君は照れくさそうに私の言葉で笑って「何言ってんだよ」と呟いた。
「...もうこんな時間か、送る」
「えっ 悪いよ一人で帰れるし」
「一人で帰らなきゃダメな時だけ一人で帰ればいいだろ」
ほんのり苦いカフェオレを彼は流し込んで私の方を向いた、狐のように綺麗なツリ目を揺らして「ほら行くぞ」と優しく言う彼は サッカーしてる時とは別人だ。
「折緒君 いつもごめんね」
「付き合ってんだから 当たり前だろ」
私の手を引いて駅の方へと向かう、今日はとっても蒸し暑いのに 汗ばんだ手をしっかりと握ってくれて なんだか嬉しかった。
▼
揺れる車内、毎員電車のせいで 〇はオッサン共に押されてて見てられなかった。抱き寄せるようにして引き寄せ、角っこに彼女を立たせた。こうすれば 触れるのは俺だけだ。
「折緒くん、ありがと」
「掴まってろよ」
小さい体をもう少しだけ小さくして 嬉しそうに頷くと〇は俺にしがみつきながら外の風景に目をやった。
「〇 明後日は予定あるか?」
「ないよ」
「そうか、お前の好きな所に出かけないか?水族館とか遊園地とか...」
「そうだなぁ...折緒君と遊園地いきたいな」
可愛い笑顔を俺に向けて 彼女はそう言った、どきりと 胸がムカムカと恋愛特有の気持ち悪さが俺を襲う。
最寄りの駅に到着、人混みに飲まれないようにしっかりと彼女の手を繋いで 改札へと向かう階段を降りるあいだ 彼女の好きな果物や 小学生の頃のあだ名 好きな色が分かった。付き合いたての俺達には短い会話の中にお互いの好き嫌いが分かるヒントが沢山隠されているから こういうのも悪くないな。
▽
もうすぐ家に着いてしまう。
私は折緒君の手を繋いだまま少し強めにぎゅっと握ってみた、彼も無言で 握り返す。
「折緒君って 私の事そんなに好きじゃないってずっと思ってたからね、告白された時本当に驚いたんだ」
「...急にどうした?」
「今日のデートで 折緒君って私の事結構好きなんだなって分かったから、その...ドキドキしてしまって」
「恥ずかしい事言うなよ」
折緒君の足がぴたっと止まった。
私の方へを向いて 彼は強く抱き締めてくれた、ブレザー越しに伝わる熱と心臓の音...。
「...どきどきしてる」
「当たり前だろ、お前といるといつもこうだ」
折緒君は照れくさそうに笑いながらも、悪戯っ子みたいな表情を浮かべる。私ばっかりドキドキさせられてズルい!なんて思っていたけど、彼も私みたいにドキドキしていたんだと分かり 安心して笑ってしまった。
「折緒君 またデートしようね」
「しような」
どのタイミングで離せばいいかなんて分からなくて二人して、暗くなっていく道のど真ん中でドキドキ心臓を鳴らして 抱き合っていた。
20180612〔恋人の日〕
あずま様、初めまして管理人のriricoと申します。コメントまでありがとうございます...!励みになります!そして、今回はアップが遅くなってしまいまして申し訳ございませんでした。
折緒君初書きなのでとても楽しかったですー!今回は付き合いたてのカップルをテーマにしてみました。毎員電車で抱き締めるようにして 人混みから守ってくれそうな凛々しい彼がカッコよくて好きです...!
また地上波で折緒君みたいですね...。
それでは、今後も是非是非よろしくお願いします!リクエストありがとうございました。