#家出中

こっそりと 窓からそろりそろりと出た、ヒロトさんのスポーツカーは無くなってる。白いワンピースを揺らしながら 私は繁華街へと向かった。

途中、ダイレクトメールを確認すると数十人の男の人から連絡が来てて犬とか猫とか景色の写真をアイコンにしてる人は優しそうな気がするなーカチカチと歩きながら次々に返信していく。










お日さま園からの帰り道、不動君達に呼ばれた俺と緑川は繁華街からほんの少しだけ外れた駐車場に車を停めて いつも皆で飲んでいるイタリアンバルへと向かった。



「おーヒロト!久しぶり!」

「円堂君元気そうだね」



円堂君と不動君は出来上がってて...。空になったボトルは既に3本...鬼道君の好みだろうか趣味のいいイタリアワインだ...流石鬼道君。

口の広いブルゴーニュグラスに色鮮やかなワインが注がれた、運転手の緑川に「ごめんね」と一言謝り口をつけた。何故か◎ちゃんの事を思い出した、今日も俺に告白をしてきたけど 小さい頃からそばに居て甘やかしてくれる人間を好きになってしまうのは恋とは違うものだって彼女が気付くまで 俺は鬼にならないといけないのがなんだか 寂しいが...彼女の為だ。

飲み干した グラスを机の上に置くと、不動君が「げっ」とこえをだした。



「どうした 不動」

「...いや、最近よォ 選手達がどんな事を考えてるかって知りたくてSNSとか見てんだけど これ......お前んとこの子じゃねェ...?」



不動君のスマホの画面で俺達の顔が照らされる。



「◎ちゃん...?」



アイコン画面、見覚えのある◎ちゃんの部屋。目元を隠しているが 誰がどう見ても◎ちゃんの顔だった。

最新のつぶやきには...家出という文字が乱用されていて......「これ、やべぇんじゃねぇの?」みんなが何か言っているが パニックになってしまって 使い物にならない俺の頭。

......どうして?




20180314

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