#何処にも居場所がない
繁華街のど真ん中にあるディスカウントストアの前に立った、1人 すごく気になる男の人が居たから その人に連絡をしてみた。猫を飼ってるみたいで、つぶやきのほとんどが 猫ちゃんだった。28歳という彼は 優しげで、魅力的に感じた。
"前に立ってます、白ワンピです"
"分かった今向かってるよ(^^)"
"変なこととかしないですよね"
"しないよー!多分ね(笑)"
なんて、連絡を取り合ってたら...遠目に赤い髪の毛が見えて...え!?ヒロトさん...!?や、ヤバっ!!
「...っ!◎ちゃん!!!」
ヤバすぎる!アーケードの中に逃げ込んで、走って走って走った。ヒロトさん達は私の名前を呼びながら追いかけてきたけど、だんだと声が小さくなり もう今じゃどっかの誰かが笑いあってる声しか聞こえない。
はぁ...焦ったーー。
なんで、私がいた所が分かったんだろう?もしかして...SNSを見られたのかな...?さっきの人 無視した形になっちゃった...、ちらっと横を見ると 薄暗い路地があって そこに身を潜めた。途中 ヒロトさんとリュウジさんから鬼のように電話がかかってきて...取らずに ダイレクトメールをまた確認した。
「...今日野宿とか絶対やだからねー」
30件を越えるメールの中に、さっきのお兄さんからの"どこにいるの?"って連絡...あ 返さなきゃ...。
"ごめんなさい、知り合いに見つかっちゃったから 場所移動しました"
"そうなんだドタキャンされたかと思った(^-^; 迎えにいくよ どこ?"
今いる場所の地図のスクショを送って、しばらく その薄暗い場所でゆっくりとぼーっとしてみた。アーケードの中からは楽しそうな声が聞こえてるけど、私は全然楽しくない。
生ゴミのすえた匂いがする。
ネズミみたいなのが走っていったけど、なんだか心地よかった。
ブブブ と携帯のバイブが鳴り、液晶を見ればまた...ヒロトさん の文字が...。何回電話すんのよしつこいなぁー。
どうせ私が心配なんじゃなくて、自分の顔に泥がつくのが嫌なのよ。ヒロトさんなんか 大人なんて みんな大っ嫌い。
「◎ちゃん、かな?」
ぱっと、上を向けば 28歳よりももっと年上に見えるおじさんが立ってて すぐにダイレクトメールをくれた人だってわかった。薄汚れたチェックのシャツにボロボロのジーパンをはいてて スケベそうな顔に無精髭がよく似合ってた。
「...お家、泊まっていいんですよね?」
いいよ、と 鼻の下を伸ばしたおじさんは 私の腕を掴んで 立たせた。
20180314
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