#神様
ググッと長い爪が私の太ももにくい込んだ 、私の鼻の先にオッサンの臭い息がかかる。押し倒された私はパンツが見ないようにぐいっと丈の短いワンピースの裾を一生懸命に下に下に伸ばす。
荒い息は次第に気持ちの悪い喘ぎ混じりの笑い声になった、私は横を向く。手を伸ばせば届く距離には私のスマホが...!オッサンは携帯に気がついてない、バレないように あの携帯をとって...って どこに連絡したらいいの?ヒロトさんに電話して 私のことを捨てたら?...怖い、
「処女?」
「...!?ねっ、ねえ お兄さん ごめんなさ、い 私さっきびっくりしちゃっただけなの...おはなししよ...?」
「...◎ちゃん、処女かな?」
「へ...?」
ぐるんっと 身体を反対向きに倒された、ワンピースの首元を捻じり切るかのように掴まれて突っ伏す私のワンピースの裾は背中あたりまでめくれ上がっている。
太ももからお尻までを 長い爪でなぞってくるオッサン、嫌で 嫌で暴れても ビクともしない。こんなに強い力で捩じ伏せられたのは父親以来だ。
「やめてよ!!」
「へへ、処女なんだぁ...優しくするよ?」
「やだって...ば!」
私のお尻に顔を埋めて深呼吸をしてる...気持ち悪くて涙と汗が噴き出るが...右腕を伸ばして スマホを掴んだ、指紋認証だからすぐにロックを外して何十件もの着信を残した"ヒロトさん"のボタンを...押した。
気が付かないで...気が付かないで...!心の中で何度も祈りながら オッサンの長い爪が食い込むお尻を震わせた。痛いし キモいし...こんなんだったら 見つかった時にお日さま園に戻ればよかった。
「もしもし...◎ちゃん!?何処にいるんだい?一体何を考えて...「助けてっ!!!」...◎ちゃん!」
「お前...っ 何してんだよ!?!」
「ヒロトさん!!助けてっ...きゃ!」
右手に握っていたスマホを玄関の方に叩き投げられて、もうヒロトさんの声は聞こえない。はっはっ と呼吸が荒くなる 、沈黙が...怖い...、
「僕は君を助けてあげたのに、なんで君は そんなに悪い子なのかな?」
「...ごめんなさ」
「悪い子には...お仕置きレイプだね...」
私の手首を近くに落ちてたかび臭いタオルで縛り、私のストッキングを脱がして 足首を縛り付けた。
ヨイショ と小さく声を出し私の上にどすっと座る「ぐえ」っと 蛙を潰したような声の私の心配など一切せずに、棚から何かを取り出した。
「見て見て◎ちゃん、コレね わるーい女の子がお仕置きされちゃうAVなんだ...君みたいな子が出てくるよ?一緒に観ようね」
「...私、帰りたい...!」
「ダメだよ 殺されたいの?」
パッケージの角で頭を思いっきり殴られた、痛みに 世界が白黒になる。...ヒロトさん ごめんなさい...初めてはヒロトさんとって夢見てたのに。
▼
がくりと 肩が落ちた、冷えてきた指先で腕まくりをする。ラブホテルの前で 横のホテルで聞き込みをしている緑川を待つ、出てきた緑川の肩を掴み 電話があった事を告げる。
「それで、じゃじゃ馬は何処にいるって?」
「分からないんだ...男の声がして、携帯を投げられたみたいで 」
「...え?こうしてる場合じゃ...あ!待て、なんで気が付かなかったんだ...GPS機能を使えばいいんだよ!」
元々大きな瞳を見開き 緑川はすぐに何処かへ電話をかける、それが 瞳子姉さんだということはすぐに分かった。電話口から聞こえてきた いつもは冷静な姉さんの怒り狂った声、昔に付き合った彼女のヒステリーな叫び声によく似てた。
「ありがとう ヒロトに伝えるよ」と緑川、姉さんから住所を伝えてもらい 俺達はすぐさま車のある方へと走った。
「不動君、◎が見つかった...!今俺達が向かうから 君達は飲み直してて...巻き込んでしまって本当にごめん」
ピッと通話を終わらせるボタンをタッチ、ズボンのポケットにスマホを押し込んで ただ ひたすら息を切らせて走った。
緑川の結いこまれたお団子が外れて、昔よくしていた ポニーテールに。毛先がネオンの波を揺れている。車が見えてきた、すぐに 助けるから...◎ちゃん。
20180402
次へ