「わー 贅沢の極みって感じ、普通の生活戻れるかなぁ」
「俺と結婚した時からこれが普通の生活になると分かっていただろう」
結婚式から30時間後には どこを切り抜いても素敵な景色が広がるハワイに到着、人生で二回目のウェディングドレスを脱いだ後はずっと裸だったけど出発する前に有人がプレゼントしてくれたハワイにピッタリのブルーが素敵なワンピースを南国の風に揺らして私は彼の腕に自分の腕を絡めた。
「式代まで払った挙句、盛大な結婚式も挙げちゃって 終いにこのハネムーン...凄くかかったんじゃないの?」
「馬鹿言え 金の事を気にしてる暇があれば、その分楽しんでくれないか 人生で一度しかない最高の日なんだから」
空港で買ったコーヒーを片手に私のおでこに 可愛らしいキスを落とす有人に「...私も帰ったらなんかするから」と言ってみせた、「一生 毎朝おはようと言って、毎晩おやすみのキスがあれば元は充分取れるさ」なんて返す有人...。
「本当にイイ男だよね 一生離せないわ」
「それは良かった」
荷物をホテルのフロントに預けて 私達はホテルからすぐの海に向かった、綺麗な青が広がってる海に今すぐにでも飛び込みたかったけど 有人の腕を離すのがなんだか嫌で じーっと海を見つめる。
「綺麗」
「水着取りに行くか?」
「明日でいいよ 今日はゆっくりしよ」
打ち寄せる波をしばらく見てから私達は、空っぽの胃に何か入れるために歩き出した。
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「はー美味しかったー」
「こんなもので良かったのか?」
ハンバーガーショップにずかずかと向かっていった◎について行き、二人でチーズバーガーを食べた。彼女の為に贅沢なハネムーンにしたいと思っていたのに もしかしたら気を遣わせただろうか、テーブルナプキンで口の端っこの汚れを拭き取り レモンが入った水を一気に口に流し入れれば爽やかな香りが鼻を抜ける。
「なんか、A5ランクの肉とか 伊勢海老とか 高級食材が続いたから ハンバーガーとか食べたくなったの」
「そうか」
「有人は違うもの食べたかった?」
「いや お前が食べたいものを一緒に食べるさ」
海が近いからか 風が気持ちいい、全て忘れて◎と過ごすこの時間が永遠に続けばいいのにな なんて14の子供のような事を考えながら 俺は◎の髪に手を伸ばした。
「結婚式 世界で一番綺麗な花嫁だった」
「んー、有人も そこそこイケてたよ」
「そこそこか?」
「嘘 世界一カッコよかった」
くすぐったい会話はどうやって終えるべきかなんて考えていたらポーンと飛んできたボール、目を輝かせた少年達に天馬達が重なった。
「キドー!」
声変わりがまだなのか 高い声の少年は俺が手に持ったボールを指さしてきた、片言で鬼道鬼道と呼ぶ少年達に引っ張られて ハンバーガーショップ前にある広場に。
「有人のちっちゃいファン可愛いね」
「...ちょっと待ってろ」
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サッカー楽しくなっちゃったのかな、嬉しそうにはしゃぐ子供たちの中心でサッカーを教える有人に胸がときめいた。
汗がまるでラメみたいにキラキラと光る ハワイの綺麗な海をバックに、まるで映画を観てるみたいに様になってる有人をじっと見つめていたら 彼は急に少年達にボールを渡して手を振った。
「あれ、帰しちゃったの??」
「お前をずっと待たせるのは申し訳ないからな」
「見てて楽しかったよ 有人と子供」
子供欲しくなっちゃったもん
さらっと 出てきた言葉の意味に恥ずかしくなって、ゆっくりと視線を彼に向ければ サングラスの奥の赤い目が笑った。
「ほう」
「...ほう、じゃないよ」
「子供が欲しいって言ったな」
「言ったけど...別にもう少し新婚生活を、」
「俺が出会った中でお前は最高の女だ お前と夫婦になった後は家族になりたい、と思うのはダメか?」
「...もう、その目 私が断れないの知ってるでしょ」
きっと 彼はいい旦那で、いい父親になるんだろう。考えても考えても 不安なんてひとつもなかった そっと重ねた指先は、沈みかけたオレンジの太陽みたいにあたたかく 気持ちが良くて...ゆっくりと時間をかけて指を絡めた。
20180707〔七夕〕
恋人の日続き、ハワイに新婚旅行
南小雪様 今回もリクエスト頂きありがとうございます、またまた遅くなってしまい大変申し訳ございませんでした...!
ハネムーンのお話なんて初めて書いたので、ドキドキでしたがいかがだったでしょうか?いつまでも強引な鬼道さんを書きたかったので、大満足のお話になりました。
次回のリクエスト募集は12月ですが、またどうぞ 宜しくお願い致します。改めまして ありがとうございました。平成最後の夏を楽しみましょー!