べろちゅー

「帝国学園には貴方じゃなくて、鬼道さんが来るべきだったわ」

 また今日も、彼女は俺に嫌味を言いに来たようだ。綺麗に整えた眉を吊り上げて怒った顔を見せる〇。俺だって 来たくてここに来たわけじゃない……。彼女の憧れの人なのだろうな。鬼道鬼道と、いつもキャンキャンと俺に噛み付いてくる彼女は父親が権力者らしい。まぁ、ここの生徒のほとんどがそうか。影山総帥と父親が知り合いだからか、サッカー部部室にもよく出入りしているようだ。校友である佐久間や源田達に見せる顔は普通の15歳の女子中学生、だが。俺に見せる顔は、仏と般若程違う。

「おい。そろそろ着替えたいから出てってくれないか?」
「私に命令するのはやめてくださらない? そもそも、ね。貴方が帝国のユニフォームを身に付けること許せないのよ。帝国サッカー部の彼等は過酷なテストをクリアして、血を吐くほどの訓練に耐え、やっと一軍選手になれるのよ」
「その帝国学園のサッカー部に、俺は強化委員で来てるんだ。日本サッカーレベル向上の為に来ている。何度言えばいいんだ? 冗談抜きに100回くらいは言ってるぞ」

 そんな俺の言葉に、彼女は苛立ちを隠さない。
 足を組み替えつつ、床についている左足の爪先で地団駄を踏むようにコツコツと床を鳴らした後。立ち上がり、俺の手に持っているユニフォームを手に取る。

「たった一度のまぐれの優勝校に、そんなの重荷じゃなくって?」

 パサっと床に落とし「雷門にお帰りなさい」と俺を睨んだ。

「流石にやり過ぎだ」
「嫌なら出ていきなさい。雷門に帰ってちょうだい」

 コツコツとローファーを鳴らして、今度は大事にしているみんなで撮った写真たてに手を伸ばす。ユニフォームの次は写真たてを握るように掴むと、彼女は床に叩き付けるように落とした。ブチン。脳のどこかで、何かが切れる。堪忍袋の尾とは、上手く言ったもんだよな。気が付けば俺は、〇の肩を掴んで部室の机に押し倒していた。

「黙ってたら勝手ばかり言って、俺が怒らないと思ったのか?」

 ギロリと見下ろせば、彼女は目を丸くして驚く。
 先程の高飛車な勢いは衰え、怯えた子犬のように体を小さくしている。

「なにをするの……」
「黙れ」

 毎日毎日煩い唇を切り取る事が出来ないのならば。荒々しいキスで黙らせよう、なんて、我ながらどうかしている。その衝動が過去になった途端、困るのは俺の方なのにな。それでも勢いは止まらず、唇を押し付け、驚いて緩み切っている唇を舌でこじ開けた。
 彼女の舌に、自分の舌が触れたと同時に……。
 〇は、バタバタと下品に足を暴れさせ、抵抗。

「暴れるなよ。うるさいお前が悪い」
「なっ! いきなり何するのよ……っ! 変態ッ……!」
「何って、キスだろ」

 針の穴に糸を通すみたいに、慎重に舌を絡める。
 何してんだ、俺。
 首に浮かんだ汗の粒は、だらりと背中に落ちていく。無駄にいい素材のワイシャツが汗を吸う。まるで、俺の罪をチャラにするみたいに。舌を絡める続けると、彼女の体から力が抜けていった。

「んんっ……っ、んんっ……」

 苦しげに鼻を鳴らして、体をよじったり、舌を引っ込め抵抗する姿に今まで我慢していたストレスが報われる気がした。ダメだ、こんなこと。いいや、もっとやれ。俺の耳元で、凡人と悪魔がそう告げる。

「や……っ!」
「っは。やらしい顔だな」

 嫌だ嫌だと、小さい悲鳴が喉元に伝わる。
 今までの鬱憤を晴らすように無理矢理キスを続けると、彼女の微かな抵抗は消え去り、互いの体が溶けてくっついてしまったかのように一体化した。

「いいこと教えてやろうか?」
「この変態……」
「そういうことじゃない」
「じゃあ何よ」

 俺は、覆い被さるように体勢を変えてねっとりと濡れた舌で耳を舐めた後「もうすぐ此処に鬼道達が来るぞ」と笑った。面白いくらいに目を白黒させ「ぇっ……も、もう……やめ……こんなとこ、っ……」と、狼狽える。

「こんな所見られたらマズイよな」

 怒っている最中、よく揺れている小ぶりな胸をぎゅっと掴むと 「ぁあっ!」と、驚いた声を漏らす〇にニタリと笑みを向けた。睨む余裕すら無くなった〇は、焦った様子で「だめ、だめ……風丸くん……だめよ……」と、忙しなく唇を動かした。それを無視して、ボタンを外していくと白いレースが特徴的なブラジャーが現れる。ペロ、と、捲れば……。誰にも見られたことないであろう、本人同様に箱入り娘のような控えめな胸が顔を出した。
 もう声すら出ないらしい。
 うっすらとできている谷間に顔を埋めて、舌を這わせれば〇は「ちょっと……やめて……来ちゃうから……だめ、っ」と、泣きそうな声で俺の頭を押しのけようと腕を伸ばした。

「俺が散々やめろって言ってもやめなかっただろ?」
「それはっ……ごめんなさい、謝ります。だから、っ」
「汗かいてきたな」
「や、め、風丸くん……っ、だめ」

 焦った声の彼女は随分と可愛い。
 いじめたくなってしまった。

「誰にも触られたことないんだろ」
「ゃ……みちゃだめ」
「可愛い色だな」

 淡い桜の花びらがついていると思うくらい、色素の薄い乳首がさりげなく主張する。それを人差し指で押すと、ビクンと腰が跳ねた。いつものお返しだと言わんばかりに、次は痛いくらいにつまむ。

「っン……!」
「痛くしてるのに……。お前まさか感じてるのか?」
「違うわよ……っ」

 そう言いつつ、潤んだ瞳は『気持ちいい』と、言っている。指を離して、舌を這わせて舐めあげる。脳が痺れるような甘い声で俺の名前を呼ぶ〇に、頭がくらくらとしてきて……。ここまできたら、もう何を言っても悪いのは俺になる。だから、もういい。そんな投げやりな気持ちで、〇の乳首を吸ったり、舐めたりを繰り返す。
 そして太腿に手を伸ばした。
 皮膚がふやけてしまいそうなほど熱いソコは、俺の指が触れた途端クチュっといやらしい音を立てる。

「……かぜまるくん」
「なんだよ」
「ごめんなさい。あなたが嫌がること、もう言わないから許して……恥ずかしい。ごめんなさいっ……ごめんなさい……」

 とうとう泣き出してしまった〇に、痛いほど下腹部が膨らんでいく。

「許して欲しいんだったら、お前から俺にキスしろよ」

 ニヤリと笑うと、〇はゆるゆると起き上がって、俺の顔をじっと見た。すると、恥ずかしそうに目を逸らし「目を閉じててくれないと、ムリよ」と、呟く。俺はしっかりと目を開けて「嫌だ」と、〇の顎を掴んだ。観念したらしい。いつもは見せない女の顔で小鳥のキスみたいな、情けないキスをひとつ。
 くっつけるだけのキスをした後、ゆっくりと離れていく女の顔に「どうだ、嫌いな奴の言いなりにされるのは」を笑いかける。

「ムカつく」

 頬を膨らませ、目を真っ赤にさせる〇に「そうだろ? じゃあ続きするぞ」と笑いかけ、俺はもう一度机に押し倒した。え? と、小さな驚き声を漏らした唇に、今度は荒々しく自分の唇を押し付ける。下着の中は、さっきよりも濡れていて 「お前、実は俺の事好きなんだろ?」と、冗談を言い放つ。
 すると〇は、顔を赤くして「なっ……そんなわけっ!」と、否定するもんだから。そんな、反応されるなんて思わず……。俺は、固まってしまった。


20180523(キスの日)
⇨20251029加筆修正
匿名様、この度は企画への参加誠にありがとうございます!

捏造可!R15!との事だったのでかなり勝手に色々と書いてしまいましたが、結構気に入っております。
風丸夢って結構爽やかなものが多くて、こういうのも書いてみたかったんですけどなかなか機会に恵まれなかったので 今回とても楽しくお話しかけました!ありがとうございました。

お時間ある時で結構ですので、ご感想頂けると嬉しいです...!頻繁にリクエスト募集しますので、気になるなーって企画ありましたら是非またご参加くださいませ。改めまして ありがとうございました!