恋ミスってる

「雷門ってやっぱり面白い試合するよねー、私彼らと話したいから行ってきます!」



また、◎の勝手な行動が始まった。彼女は王帝の中では珍しい 他人に興味がある女の子、だから 俺はあの子に興味がある。

だけど いつもいつも俺じゃなくて、灰崎君や稲森君を気にする彼女...あんな男達よりも俺の方がいいと思うんだけどね。



「顔怖いですよ野坂さん」

「...うるさいよ」



ピリッと粗挽きの黒胡椒を噛んでしまった時のように舌が痺れる、遠くから彼女と雷門の選手達の交流を眺めていたがどうにもこうにも胸が掻き乱されたようで 平常心を保っていられない。



「...そんなに嫌なら止めればいいものを」

「彼女はそんなんで、自分の好奇心を捨てる様な女の子じゃないだろう」

「まあ、それは言えてますね」

「俺なんかよりも ああいう泥臭い連中の方が好きなんだよ、彼女は...物珍しいからね」



ピカピカと王子様のように光っている氷浦貴利名...彼と握手をした◎の顔が、綻ぶ。


なに、あの顔。


ずっと手を握ったまま なにか話し込んでいる◎の姿に立ち上がる、西陰が後ろで笑ったような気がしたが 今はそんな事を気に留めてる場合ではない。

俺以外にあんな顔するなんて絶対に許さないよ、◎。











普段の靴のまま歩くグラウンドはなんだか変な感じだ、後10歩ほどで◎に触れる距離。



「◎」

「あ、野坂さん!聞いてくださいよー 雷門の子達...っ!?!?」

「俺 以外と何でそんなに仲良くするの?」



彼女の顔を両手で包み込むようにして、自分の方に向かせた。彼女は大きく目を開いてぱちくりと瞬きをして 俺に「え?」「のさかさん...?」なんて間抜けな声を漏らす。



「俺以外を見るのはそろそろやめて」



頬を包む手を少しだけ強めた、むにっと歪む頬...顔を少しずつ近付けて キスをすれば彼女の驚きの声が喉元を通り 一気に胃までストンと落ちた。

何が起きたかわからないって顔と、周りのうるさい声と、西陰の溜息...


すべて無視して もっと強く唇を押し付けて、苦しそうな声を出し始めた◎の為に唇を離す。



「のさ、かさん...」

「こうしていたら、君は俺しか見えないね」



もう1度 キスをした。

深く深くすることも出来たが、触れるだけのキスを何十秒も...。そろそろ 彼女が酸欠になるかもなと思い顔を離せば 真っ赤っかな彼女の顔と その後ろに当の本人でもないくせに赤くなっている雷門中サッカー部の姿。



「なんで君達まで赤くなってるんだい」


「と、都会って凄い...!」



間抜けそうな声でそんな事を言った雷門の選手に少し微笑みかければ、我にかえった◎がぴーぴーと騒ぎ始めた。



「野坂さん!いきなり何するんですかー!」

「うるさいよ 君が悪いんだから」

「なんでですか、私はただ交流を...」


「本当にうるさい口だね」



顎と頬をつかむ、歪んだ頬が可愛い。

もう1度グイッと引き寄せて唇を奪えば、んんっ!!と怒ったような声で抵抗する◎。


ゆっくりと 力が抜けていく◎ ぷはっと、唇を離せば赤い顔で恨めしそうに俺を見ていた。



「...野坂さん、気が済みましたか?」

「西陰は黙っててよ」

「皆見てるので 続きは中でしてください」


「......それもそうだね」



ほら、行くよ。

ズルズルと彼女を引っ張って、中に戻ろうとすれば ◎が「野坂さん!!やだー!!犯されるー!!」と下品な悲鳴をあげた。


本当にそうしてあげようか?





20180523(キスの日企画)
雷門イレブンと仲良くしてる夢主を見て嫉妬してキス

ネコナベ様、この度は企画への参加誠にありがとうございます!

素敵なシチュありがとうございました!
とても楽しくお話し書けました、キスのみとの事だったので ほっぺたを包み込むようにムニッとしてくる野坂君を書きたいー!と思い、こんな感じにしてみました いかがでしょうか...??

お時間ある時で結構ですので、ご感想頂けると嬉しいです...!頻繁にリクエスト募集しますので、気になるなーって企画ありましたら是非またご参加くださいませ。改めまして ありがとうございました!