あまえんぼ

 秋やってのにまだまだ夏を感じさせてくる、狂った気候に舌打ちしながら、あのアホが食べたいと強請る鍋の用意野菜をたっぷりといれた鍋の中はグツグツとヒップホップでも踊っているように 跳ねたり揺れたり楽しそうで、それを二人で食べ進めながら 沢山他愛のない話をした。



「ご馳走様でした!」

「ご馳走様」



ふう、と一息ついたと思ったら 道也さんは私の前に置かれた食器達を丁寧に重ねてキッチンに持っていくと洗い物を始めた。



「ねえ 私がするからいいよ」

「いや、お前は ゆっくりしていろ」



そんな道也さんに あれよあれよと欲が出る、皿洗いを終えた彼に「道也さん ありがと」と伝えれば「どういたしまして なにか飲むか?」なんてまだまだお給仕をしてくれるつもりの彼は私の顔を見つめる。



「うーん アイス!食べたいな」

「ああ...そういえば、鬼道のイタリア土産があったな」

「ジェラート?」

「ああ 味は何かわからないが 食べるか?」

「うん!持ってきてくれる?」

「いいぞ 今日は、お姫様だな◎」



優しく微笑む彼にどきんとときめく、未だにときめいてしまう。私の横に腰掛けた彼の手から受け取ったジェラートアイスは当たり前だけど ひんやりと冷たくて指先が冷える。



「◎ ほら」

「食べさせてよー」

「仕方ないな」



小さなスプーンで食べさせてもらったアイスは ぎゅーんと甘い味がして、にっこり笑顔になった。











彼女は今日随分と甘えん坊だ。


甘いジェラートを口に含んで舌の熱で溶かす、彼女も何度も私がすくうジェラートを奪ってはニコニコと笑って 1つ目のアイスを平らげた。



「もう1つ食べるか?」

「口移しで食べさせてよ」

「...どうしたんだ今日は」

「甘えたいの」



ちゅと彼女の方から口付け、嬉しい溜息を吐いた。口の中にジェラートを含んで彼女の顎に手を添えれば 楽しそうに鼻で笑う◎。



「もう 少し口を開けろ」

「...ん、」



あんなに冷たかったジェラートは 二人の舌の間で甘いだけの液体に変わっていく、小さな手のひらに自分の手のひらを重ねると ぎゅっと強い力で握る◎。



「なくなっちゃった...」



残念そうな声 口を離して暫く見つめ合ったあと、もう1度唇を重ねる。ビクッと震わせた体をゆっくり抱き締めながら 日常に溶け込んだ幸せを噛み締めた。



「◎」

「道也さん...」

「ベッドに行こう 続きがしたい」



人差し指で首から太腿までを線を描くように撫でれば 言葉の意味を理解した◎は、唇を薄らと開けて 「行く」 と呟いた。





20181231[冬の恋]
鍋パーティー、とにかく甘えたい

やえ様企画参加ありがとうございました!

久遠監督の作った鍋食べたーい!!!
ジェラート!?食べさせてー!!って感じで書いてみました。甘えたい気持ちめっちゃ分かります...

オンオフと仲良くして頂いてありがとうございます!2019年もよろしくお願いします、今年は遊びましょー!