結晶は熱にとける
待ち合わせ場所に15分程早く到着しまった俺のグレーのコートに、真っ白な白い粒が落ちてくる。
「...雪か」
今日はそんな予報どこにもなかったのにな、降り出した雪は強さを増す。睫毛に積もってしまいそうなそれを はらって俺は携帯を確認した。
「...ヒロト!お待たせ相変わらず早いなぁ」
「◎ 今来たところだから気にしないで、雪凄いね 寒いから温かい物でも飲みに行くかい?」
お互いに少しづつ付いている結晶を払いながら、目を合わせれば彼女は微妙そうな顔をした。
「あったまりたい」
グイッと手袋越しに俺の手を引っ張る◎、それは どういう意味だろうか?どこで暖まりたいの?と聞けば彼女は「分かってるくせに 聞かないで」と頬を膨らませる。
「君が行きたいところに入ってしまったら 俺達きっと中々出られないと思うけど」
呆れ気味に笑ってみせた。
暖まりたいという言葉の意味をきちんと理解して言っているのだろうか、彼女の手袋越しに手を握れば ぎゅーっと俺より強い力で握り返す。
「行こう ヒロト」
「仕方ないな 夜までには出るよ?君と食事したり カフェしたりしたいから」
「うん!」
嬉しそうに笑った彼女の手を引いてココから一番近いラブホテルを探し出す、今いる場所から見えている背の高いホテル 少しだけ悪趣味な派手な看板を目印に歩いた。
寒い寒いと呟く彼女の肩を抱いて足速にホテルに向かえば 俺達をひやかすように強くなっていく風と雪。
「...もうすぐ着くよ」
「寒いよ 早く入ろう」
ウィーンと小さな機械音を抜けたら、暖かなフロントが俺たちを出迎えてくれた。こじんまりとしたパネル 最後の2つのどちらかを押そうかなんて考える暇もなく 立ち位置から一番近かったボタンを押した。
ペラペラの紙に印字された 部屋番号を確認しながら俺達は上の階へ向かう、寒さからか震える彼女の腕や肩を摩ってやれば ◎が俺の腕に自分の腕を絡ませた。
「お湯ためて ゆっくり浸かろう、私お湯いれてくるからヒロト暖房係ね」
ムードも何も無い会話が逆になんだか心地よくて、部屋の奥にあるベッドルームの暖房をつけて彼女から渡された鞄をソファーに置いた。
「◎」
「ヒロト お湯今ためてるよ」
「ありがとう ほら、おいで」
「うん」
「お湯がたまるまで俺が暖めてあげるよ」
後ろから抱き締めて浴室前の洗面台の鏡に二人の姿をうつした、モコモコと着込んでいる彼女が照れ臭そうに笑ってる。片耳だけ出している彼女の耳から首までを優しくキスしていけば 目を細めて身体を前に倒そうとする◎、コートを脱がして洗面台に置く 胸の膨らみに手を伸ばした。
「ヒロト...」
「冷えてるね 体」
首や肩に口付ければ 小さくて可愛い甘い声が漏れていく、口付けを強くして甘噛みしてみたら ビクンと身体がはねた。
「ん?どうしたの?」
「分かってるくせに、」
「俺は君を暖めてあげようとしてるだけだよ、変な声出して 誘ってるのかい?」
意地の悪いセリフを吐ける自分に驚きながら 彼女の服の中に手をいれる、可愛い下着を外して 上にまくりあげた。寒さからかぴんとたっている乳首を人差し指と親指を使い愛撫すれば「ぁっ、」と気持ち良さそうな声が。
「君が俺を誘ったんだよ ◎」
「だって暖まりたかったんだもん、」
「そんな事言って デートの前から俺にこうされたくてわざとホテルに誘ったんじゃないのかい?」
「違う...」
「ならなんでそんな 顔をしてるの?」
彼女の顔は次の快楽を求めるためにとろけている、愛らしいその表情をもっと歪めて愛してあげるために 俺はキスをしたすぐ後ろの浴槽から水音が消えた。
きっと浴槽八分目までお湯が溜まったのだろう 彼女の服を脱がせながら「お風呂の中でシようか」と言えば恥ずかしそうにこくりと頷いた。
20181231[冬の恋]
雪の日に凍えた体を暖める
さくら様 企画参加ありがとうございました!
待ち合わせ場所からラブホに直行してしまう二人の話です、いかがだったでしょうか??
2019年もよろしくお願いします!