はくちゅーむ

20日 ヘーゼルナッツの入ったチョコレート

21日ピスタチオのチョコレート

22日トロンチーニ

23日パンドーロ


そして24日...



「あれ?」



少し大きめのポケットの中には何も入っていなかった、有人から送られてきたアドヴェントカレンダーの中身は20日から23日そして25日から31日まであるというのに...24日のポケットはすっからかんだ。

まさか 配達の人が食べたのか...?なんてありえないことを考えながら私は仕方なく無いものを探すのを諦める。

有人がイタリアに行ってしまってからこの部屋はガランと寂しい色になったな、連日のお菓子達のせいか会えないストレスのせいか ぽつんとニキビがひとつ出来ていた。


クリスマスイブに家で何もせずにダラダラと過ごすくらいなら、何か買い物でもしに行こうかな。とりあえず気分を上げるためにも化粧をしようと鏡台に向かう 彼が居なくなってから少しサボりすぎたかもしれない、処理が甘い眉毛を整えて 足りない部分をアイブローで足していく。

ささやかなラメが美しく光るアイシャドウをひと塗り薬指で塗って、オレンジとピンクが可愛らしく混ざったグロスを塗れば ぱっと顔色が明るく見えて少しテンションが上がった。









クローゼットから取り出した服達を並べて着替えればおひとり様イブのコーデが完成、沢山歩くかもしれないから足元だけはぺたんこ靴で私はドアを開けた。

一瞬で頬が凍るように冷たくなって ぶるっと身震いすれば、マフラーがちょこんと垂れる。マフラーを元に戻しながらボタンを押すとグッドタイミングで私を迎えに来るエレベーター 一歩足を出して乗り込み一階に向かった。



「...まさか、出迎えてくれるとはな」

「有人!?」



これがクリスマスの奇跡なのか...何度瞬きしても目の前にいるのは私の大好きな有人だった、ウィーンと小さな機械音。

閉まりそうになるエレベーター越しに呆れ顔の有人が...。



「もう一度上に戻るぞ」

「え、」

「なんだ?誰かとデートの予定でもあるのか」

「誰とデートするっていうのよ...」



冗談さ 意地悪く笑う彼がエレベーターに乗り込んでくるとふわっと薔薇の香りが個室に充満する、噎せるような薔薇の香りと彼の香水が混ざってなんだか急にドキドキしてきた。



「帰ってきてれるなら 連絡してくれたらよかったのに」

「伝えたつもりだがな」

「...あ、だから今日の分のお菓子がなかったのか」

「察しがいいじゃないか」



また小さな機械音、それを抜けて先程施錠した家の鍵を開ければ 数分前に見た光景が...。



「さて 久しぶりに会った恋人がこういう時何をするか知っているか?」



靴も脱がずに有人は挨拶のようなキスをした後に深く深く再会を喜ぶように舌を絡め合うようなキスをした、苦しくて膝を少し折れば彼は薔薇の花束を優しく玄関テーブルの上に置き両手平で私の頬を包みキスを続ける有人。



「ん、有人...!」

「舌を使え」



先程まで追いかけ回されていた舌を有人合わせて絡めたり舐めたりすれば満足そうに笑うと、彼の左手が私の髪と後頭部を優しく撫でてくれた。

急に遠距離の寂しさを思い出して 胸が苦しくなって、泣き出しそうな瞳を誤魔化すために 私も有人の首元に腕を絡ませる。



「中々会いに来れなくて 悪かったな◎」

「ううん、テレビで有人の事観てたし...連絡もこまめにくれてたから」

「本当か?」

「...ちょっと、さみしい時もあった」



「俺もだ」なんて...優しく笑いながら愛らしいキスをもう一度してくれた。



「後でランチに行こう」

「薔薇を花瓶に飾ってからなら すぐ行けるけど」

「俺がすぐに行きたくないんだが」



白昼夢だと思った有人は 現実で...腰をグイッと寄せられてまた抱き締めれられる、その言葉の意味を理解したと同時に有人は また私の唇を奪い...次は私のブラウスのボタンに手がかかった。





20181231[冬の恋]
アドヴェントカレンダーが送られてきて、毎日開けて入っているお菓子たべてたけど24日には何も入ってないなーと思っていたら鬼道さんがプレゼント持って家に来た話

まくらさん!今回も企画参加ありがとうございましたー!

「さて 久しぶりに会った恋人がこういう時何をするか知っているか?」ってセリフをどうしてもいれたかったので R18にするか悩んだのですが まくらさんのことを知ってるので恥ずかしくなっちゃって15くらいにしておきました(笑)

2019年もよろしくお願いしますー!