真ん中で愛は笑ってる
299円のドリアはいつ食べたって美味しいけど、今日はなんだか特別美味しく感じた。
「瞬木くん ありがとう!」
「どうしいたしまして 高校生になったらもっといい所に連れて行くから」
いつもは彼女が気を使って割り勘してくれるけど、今日くらいは男っぽいことをさせて欲しいと俺は彼女とのこのデートの為に貯めたお金を今日全て持ってきた。
ファミレスじゃなくて 洋食屋とかに行けばよかっただろうか、なんて 気にしているのは自分だけのようだ。ポテトやスープを半分こしながら彼女は「このお店で色々頼んでみたかったの 瞬木君ありがとう」と笑う。
「本当にここで良かったの?」
「うん!私、ここ好きだよ」
「気を使ってるとかじゃなくて?」
「...瞬木君美味しくない?」
ドリアに粉チーズをかけながら彼女は首を傾げる、気にしすぎていたのは俺だけなのか...。周りを見れば他にも俺達と同い年くらいのカップルや もう少し上のカップル達が楽しそうに食事をしていた。
「いや 美味しい」
今日は特別な日だからか、もっと美味しい。
▽
2,000円弱の食事代を支払って俺達は手を繋いだ、いつもなら二人で600円くらいの食事代からしたらかなり高い方だが 彼女と楽しい食事を出来たから満足だったし 自分が少し大人になったような感覚にドキドキした。
「瞬木君ありがとう、ご馳走様でした」
「沢山食べたな」
「うん お腹いっぱいだよー」
ぽんぽんとお腹を自分でやさしく叩く彼女が可愛らしくてクスリと笑えば、彼女の手のひらと俺の手のひらの間が湿り出す。
外はひんやりと冷たくて 耳が痛くなる。
「ちょっと歩こう」
向こうでイルミネーションがキラキラと輝いてる、俺達はまるで虫みたいに光へと向かっていく。
カイロを忍ばせているポケットの中に彼女の小さな手をいれた、繋いだ手をホカホカと温めながらゆっくり歩く。
「高校生になったらどこに行きたい?」
「えー そうだなぁ 遊園地とか?」
「遊園地いいね」
「弟君達も連れていこうよ」
「皆で?大変な事になるな」
未来の話をしながら俺達は気付けばイルミネーションが作り出した魔法みたいな空間にやってきた、どこをみてもキラキラしてて一瞬クラっと頭が揺れる。
「ミルクティーでも飲む?」
自販機のなかに120円を入れて ペットボトルに入ったホットのミルクティーを取り出す、ほんのりと温かいそれを半分こしようと言えば嬉しそうに笑った。
「こうやってさ 一緒にいれるのが嬉しいよ」
「本当か?」
「うん、ありがとう またデートしようね」
「ああ」
人混みの中をゆっくりと二人で歩きながら、こっそりと 彼女の頬にキスをしてみた。
20181231[冬の恋]
クリスマスにお金のかからないデート
皐月様今回も企画参加ありがとうございました!
瞬木隼人~!!!めっちゃ好きだったなぁ...めっちゃ書きたかった...!とリク頂いたとき飛び跳ねました。ですが5年ぶりくらいなので口調とかがマッチしてなかったらすみません...。
中学生らしい愛らしいお付き合いのお話が書けていたらいいなと思います、いかがだったでしょうか??
2019年もよろしくお願いします!