すぐそばだった
油臭い店内はクリスマスとは無縁だ。
「モー!ムカつく、メンマ!チャーシュー!ビール!!!おかわり!」
「...お前なヤケ酒なら家でやれ、みっともない」
「私にヤケ酒させるバカ男に文句言ってよ!」
そう 今日はクリスマス。
昨日までは彼氏がいた、そう 昨日まではいた。クリスマスの朝にフラれた私は飛鷹の働く雷雷軒にヤケ酒をしにきた、いや...愚痴を聞いてもらいたくて泣きついた。
クリスマスにこんな所に来る人はあんまりいない、お客さんがいない店内私と飛鷹は静かに睨み合う。
「...で、お前なんでフラれたんだよ」
「知らないもん」
「またどうせ 男っぽい事ばかり言って浮気されたんだろ」
「なっ なんで分かったのよ...」
メンマを口からぺろりと出しながら彼女は心底驚いた表情で落胆すれば、ビールを一気に飲み干した。
「もう一杯!」
「...潰れんなよ お前の事また家まで連れて帰らなきゃいけねえじゃねえか」
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「飛鷹はさぁ クリスマスまで仕事してさぁ、かのじょいないのぉ?」
酒に酔い出して 子供のような喋り方になった〇、店の外には閉店の看板がぶらりとかけられているこの店はいつの間にかスナックになってしまった。
「うるせえな」
でかいまな板を洗浄しながら〇のウザったい質問を一蹴り、明日の仕込みをしながら次のウザイ質問を待った。
「えー 好きな女の子は?」
「お前 いつも俺にベッタリだろうが、女と知りあう機会なんてないだろうが」
俺のその言葉に 〇はがちりと固まり、申し訳なさそうに眉を垂らした。
見てー!私今日はサンタのコスプレー!なんてヤケになったのか 真っ赤な衣装に白いフワフワがついたワンピース姿で店に来た彼女の空元気は消えた。
「...ごめん」
「別に 怒ったわけじゃねえよ」
「だって、私がいなければ 飛鷹彼女できてるかもしれないのに...」
「愚痴愚痴悩んで うるさいヤツだな...」
「......うるさいっていったぁ」
泣き出しそうな瞳を 必死に瞬きをして堪える〇、女が泣く顔だけは無理だ...。俺は寸胴鍋に入ったスープに火をかけて 〇を睨むようにして見つめた。
「泣くんじゃねえよ」
「だって、」
「...はぁ、俺は お前とこうやって二人きりでなんでもない話してるの好きだから 気にすんな」
カウンター越しにガシッと頭をつかむようにして撫でれば、〇は涙を引っ込めて代わりに 服と同じように顔を赤く染めていった。
20181231[冬の恋]
クリスマスに振られた夢主、飛鷹がさらっと主人公に胸キュンセリフを言って、主人公が意識しちゃう話
たくそ様~企画参加ありがとうございました!
飛鷹24歳 初めて書いちゃった{emj_ip_0176}
リクエストありがとうございました、胸キュンできるセリフになったか心配ですが彼の男っぽいところが書けて楽しかったです...。
オンオフと仲良くして頂いて ありがとうございます!2019年もよろしくお願いします~!