終わりと始まりには音がある

「おはよう 豪炎寺君」

「おはよう、今日も寒いな」

「本当だね...もう体冷えて辛いよ」



そう言えば 豪炎寺君は私に自分のポケットからカイロを取り出して私にくれた。



「豪炎寺君はカイロある?」

「俺は大丈夫さ、サッカーの朝練があるからその内あたたまるさ」

「...ありがとう!」



にこりと笑えば 彼も嬉しそうに笑ってくれた、それが今日の朝のお話。


それから3日後 私は空き教室の前で手首を掴まれて豪炎寺君に「俺と付き合ってほしい」と告白された、遠くの方で女生徒たちの楽しそうな笑い声と 冬の隙間風に揺れる。










放課後、雪でも降りそうな空を見つめていたらサッカーの練習に行く前の鬼道君がやって来た。



「今日は冷え込みそうだな」

「鬼道君 こんなに寒いと練習辛いね」

「動き出せば あたたまるさ」

「今日の朝豪炎寺君にもそんな事言われた気がする」

「豪炎寺...?」



眉間に皺を寄せて 鬼道君は一瞬怖い顔をした。



「鬼道君?」

「いや、最近 豪炎寺と仲がいいんだな」

「うん最近良く喋るよ、今日はカイロくれた」

「...そうか」



何やら少し考え込んだ様子の鬼道君は 自分の鞄からマフラーを取り出す。



「お前はこんなに寒いのにいつも 首元が無防備すぎる、これを巻いて帰れ」



ズイっと渡されたそれを受け取れば彼は颯爽と去っていった、手元に残されたマフラーを恐る恐る首に巻けばスベスベな肌触りに笑みが漏れる自分に なんだか変な気持ちに...。


その数日後 「付き合ってくれ」と急に告白されたのは、花壇の前。ポインセチアが咲いている花壇は冬の香りがしていた。











2人の告白から数日が経ち、もうすぐ冬休みが始まる。あんな風に2人から好意を持たれていたなんて気が付かなかった...。


早く2人にちゃんと返事をしなければいけないというのに、どちらかを選べば どちらかが選ばれない...そんな当たり前な事を私は考えて胸と頭を痛ませた。



「どうしたらいいのよ...」



誰もいなくなった教室で深いため息を吐けば、コツンコツンとローファーを鳴らす音がした。



「...鬼道君」

「よう」



学ラン姿の彼は 私の隣の席に座りこちらを見る、なんとも言えない気まずさに目を逸らせば「返事を聞きに来た」なんて少し鋭い声が。



「...もう少し、」

「待てん」

「そんな...!」

「知ってるさ 豪炎寺にも同じように気持ちを伝えられたのだろう」

「なんでそれを、」

「俺達はこう見えても親友だ、話をしたさ 二人でな」



驚いて声が出ない私の肩をぽんと叩く鬼道君。



「豪炎寺君...なんて?」

「気持ちを伝えられただけで満足さ と、カッコイイ事を言っていたさ」

「...私にそれいってくれたらいいのに」

「アイツは俺に お前を幸せにしろと言って帰ってしまったからな、俺とお前との関係全てを守ろうとしたんだろう それに甘える俺は悪い奴だな」



鬼道君が少しだけ 寂しそうに笑うと私の手の甲に自分の手を重ねて、寂しそうに笑った口元を優しく動かしてこう言った。



「お前を幸せにしないと 豪炎寺に取られてしまうからな、必ず幸せにする だから付き合ってくれないか」



好きだ 〇。


私はあの日からずっと借りているマフラーが膝の上を滑る、私は重ねられた手をゆっくりと絡めてみた。



「...お願いします、」



複雑な感情を消すように 私は鬼道君を見つめれば、彼は一瞬驚いた表情を見せながらも優しく微笑んだ。




20181231[冬の恋]
豪炎寺と鬼道の三角関係、鬼道落ち

夜見様 企画参加ありがとうございました!

アレスの鬼道と豪炎寺なら多分落とし合いが出来る仲だと思いますが、無印の彼等はきっと豪炎寺の方が身を引くだろうな...と思いこんな感じのお話にしました。いかがだったでしょうか??

2019年もよろしくお願いします!