甘ったるいモード
寒いけど節約ねって二人で買った甘くて温かいジンジャーの入ったミルクコーヒーに口をつける、目の前でニコニコ笑いながら「美味いか?」と笑うリュウジ君。
「美味しいですよ、はいリュウジ君も飲んでみて下さい」
同じようににこりと笑えばリュウジ君は私の手からコーヒーカップを受け取って口つけた。あ、間接キスだ・・・そんな事口には出せないけど少し照れくさい。そんな感情を隠すようにして私はこほんとわざとらしい咳払いをした。
「スゴイ生姜の味だな」
「そのおかげでポカポカですけどね」
「この後イルミネーション見に行くしちょうど良いか」
ことんと一度置いたコーヒーカップをもう一度手に取って口につけてリュウジ君は私の手元にカップを置く、それを受け取って私もリュウジ君が口つけた後の飲み口に唇を重ねた。
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俺よりも身長の低い◎の長くて綺麗なツインテールが冬の不機嫌そうな風に揺れる、暖まったと思った体は一瞬のうちに冷えて俺たちの距離を自然と縮めた。
「寒いなぁ」
「本当に寒いです・・・」
「・・・俺手冷たいけどさ、手繋ぐか?」
「えっ」
「人多いし、その寒いし さ」
なんか恥ずかしいこと言ってるな俺・・・。
照れ隠しに鼻の頭を曲げた人差し指で擦れば◎が遠慮がちに俺の手に手を伸ばして来た、お互いヒンヤリしているからか冷たい指先が固く感じる。ヒンヤリした指と指を絡めてぎゅっと握って歩みを進めればどんどんと指の窪みがじんわりと暖まっていく。
「さっきよりちょっとマシ?」
「暖かくなってきました、リュウジ君の手」
「◎の手も」
「あっ、見えてきました!」
「本当だ、人多いなぁ」
「ごめんなさい・・・私がイルミネーション見たいって言ったばかりに」
「謝らないでくれよ 俺も◎と二人でイルミネーション見たいなって思ってたし」
人が多くなってきた、俺はぐっと引き寄せるように手を引っ張る。ぐらりと揺れたツインテールが俺の腕にたらんと垂れた、さっきよりも随分と近づいた俺たちは周りのカップルや家族に紛れて光の海に飛び込む。キラキラと輝いてる光に包まれてこんなにも人がいるのに俺と◎は二人きりの世界に来てしまったようだ。
「あはは、◎の顔キラキラしてるな」
「リュウジ君だって」
「来てよかったな今日」
「ええ ありがとう、リュウジ君」
「・・・好きだぞ、◎」
耳から頬まで真っ赤にした◎の頬を青いライトが隠していく。このまま俺たちの世界がキラキラしたものになれば良いな、なんて女みたいな事考えながら俺は◎の手を握る力を強めた。
2019冬の恋企画
兎月様、企画参加ありがとうございました!
寒い日が続きますのでお体ご自愛ください💌
また来年もよろしくお願いいたします!