※サンジ恋人設定
「ね、これなんてどう?」
「んーちょっと派手すぎない?」
海に行こう!という船長に、今海にいるじゃないかと突っ込みが入ったのはいつの事だったか。
海、即ちビーチで遊ぼうと言うことなのだろう。ルフィの言葉に反論はあったものの、反対する人はいなかった。
しかしそんな事を言い出してから立ち寄った島々は、海に入るような季節ではなかったり、整備がされているビーチがなかったりと、なかなか機会がなかったのだ。
そんなこんなでやっと海に入れるような島を見つけたとあってクルーは大喜びで水着を買いに来ているのだが、如何せん女性の服選びは時間がかかる。
あーでもないこーでもないとウンウン唸っている小夜にナミとロビンがこんなのはどうかと勧めるが、ピンと来るものがないらしい。
「全く、なんならいいのよ?いっそサンジくんに選んで貰ったら?」
「それは名案ね、今から呼んで来ようかしら」
「自分で選べるから!」
いくら恋人だとしても、水着を選んで貰うのは恥ずかしいと思い却下する小夜だが、既に2人の間ではどちらがサンジを呼びに行くかで話し合っていた。
早く選ばないとやばいと感じた小夜は適当な水着を引っ掴み、これにしようかな!と2人に見せに行く。
しかし「可愛いくない」「もっと明るい色の方がいいと思うわ」などと言われ却下されてしまう。
これでは埒が明かない。
「もー!じゃあさっきナミが持ってきたやつでいいから!」
「あら、いいの?さっきはあんまりって言ってなかったかしら」
「いいの!それにする!」
「本当に?どうせなら自分が着たいやつ着なさいよ」
「却下したくせに!?」
ギャーギャーと喚きながら水着を戻しに行く小夜。そんな小夜にロビンがまた声をかける。
「小夜、これなんていいんじゃないかしら」
ロビンが選んだ水着はエメラルドグリーンのフリルビキニにパレオがセットになったもので、所々に白い花模様が描かれており、大人っぽすぎない可愛いらしいものだった。
「あら、いいじゃないそれ。小夜、それにしたら?」
「可愛い〜けど、ビキニか……2人みたいにスタイル良くないしなあ」
「あんただってスタイル悪くないでしょ。ま、私には適わないかもしれないけど?」
ナミがフフンと笑いながら小夜をバシバシと叩く。
2人の中では既にそのフリルビキニに決定したらしく、サンジくんに確認しに行く?などと盛り上がっている。
「わざわざサンジくんに確認しなくていいでしょ!子供じゃないんだから!私もそれ気に入ったし、買ってくるよ」
「いいの〜?緑なんて、サンジくん怒るんじゃない?」
「さすがにそこまで気にしないでしょ……」
ナミがからかってくるのを軽く流し、レジへと向かう。
海へ着くと既に男性陣は水着に着替えはしゃいでおり、ビーチバレーを楽しんでいた。
そして水着に着替えた女性陣を見たサンジが鼻血を出して倒れ、ナミが言った通り緑の水着だとサンジが起こりだしゾロに八つ当たりするのは、また別のお話。