タークスへの道




タークスに戻って数日たった頃。アイルは社長室に呼ばれた。
何か悪いことしただろうか。いろいろ思い当たる節はあるが(あるんかい)、あの社長に呼ばれるのは良い事でも悪い事でもどちらでも気が引けた。



社長室の扉をノックすると、出てきたのは社長の飼っている犬―ダークネイション。シッポを振って歓迎してくれるのが嬉しい。それをアイルもこれでもかというくらいに受け止める。今やアイルは飼い主以上にダークネイションを可愛がっているといっても過言ではなかった(clap参照)。


「…私に挨拶はナシかアイル」


しばらくその光景を見ていたルーファウスだが、ついにしびれを切らして声を発した。


「あ、おはようございますしゃちょー」


ついでか。と心の中でつっこむ。まぁアイルらしいからいいかと何かとアイルに甘いルーファウスは、彼女を自身の前まで来るように促した。


「用ってなんですか?」

「アイル、お前もそろそろ本格的にタークスとして活躍してもらわねばならん」

「え」


あからさまに嫌そうな顔を向けたアイルをルーファウスは見なかった事にした。


「そこでだ。お前には特別に訓練を受けてもらう事にした」

「訓練!?」

「そうだ。タークスに戻ってきた以上それは必然だ」

「…はぁ、」

「この一週間、特別に我々が一丸となって鍛えてやることにした」

「え」

「ありがたく思えよ。滅多にないぞ」


ちょっと待て。どういう事だ。訓練は別に構わない。「我々」という言葉にアイルは思い切りひっかかっていた。


「…社長直々ってことすか?」

「私は砦だ。タークスの面々をクリアすれば私と訓練出来る」


どうだ嬉しいだろう。と自慢げに語るルーファウス。いや嬉しくない。この社長との訓練なんかろくな事があるわけがない。ましてやタークスのメンツと訓練なんて自分死んでしまうんじゃないだろうか。ツォンなんて厳しいに決まってる。ルードのあの厳つさにも勝てそうにない。レノだって社長と同じ類だ、ろくな事がなさそうである。となればイリーナぐらいがまともにいけそうだ。…というより自分はタークスの闇の部分に関わらなくていいってツォンが初日に言わなかったっけ。言ってる事が違うではないか。自分はパソコンと睨めっこするだけでよかったんじゃないのか。…ツォンめ、社長にしてやられたな。


「…、」


あぁ、何でタークスに戻ってきたんだろう。いよいよ自分、この手を赤く染める時が来たようだ。


「明日から励んでくれたまえ。私はいつでもここで待っている」

「……」


ダークネイションが構ってというようにアイルに擦り寄って来た。



…そして、地獄の一週間が始まった。


to be continued…



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