「ねえ〜これはどうやるの〜?」
「これはですね――」
「じゃあこれは〜?」
「あぁ、これは――」
鬼教官クラサメが急遽次の時間魔道のテストを行うといいだしたので、バカTOP3のうちの二人_ジャックとシンクがトレイに質問攻めしている。トレイはそんな二人に嫌な顔せず寧ろもっと聞いてくれと言わんばかりに顔を輝かせて自分の知識をひけらかしている。…なんだかんだで結構同じタイプなのかもしれない。
「へぇ〜…トレイって物知りなんだね〜」
「私が知らない事などこの世にありません」
「じゃあさ〜!次のテストの問題教えてよ〜」
「そ、それは――」
「答えられないんだ〜?トレイは嘘つきだねぇ〜」
「嘘つき嘘つき〜〜」
「そ、それとこれとはまた別問題で、」
「で、これは何だっけ〜?」
「だからですね、それは――」
「どうしてそうなるの〜?」
「ねえ!これはこれは〜?」
「ちょ、ちょっと待って下さい!二人一度に質問されてはさすがの私も困ります!」
「え〜?頑張ってよ〜トレイでしょ〜?」
「トレイは何でも出来るんじゃないの〜?」
「そ、そうですが…」
「ねぇ〜これわかんなぁ〜い」
「僕もう諦めようかな〜」
「…」
トレイがポケットからハンカチを出して自身の汗を拭き出した。
…あのトレイが焦っている。なんだかおもしろい光景だと人ごとのように眺めつつ、あの二人が自分に質問してこなくてよかったとアイルは心底思いながら、魔道の教科書に視線を戻した。