「エーーースーーーーー」
エース探して三千里。…とまではいかないが、アイルはエースの行方を探していた。
0組の中でも無類の動物好きであるアイルとエースは、二人揃ってチョコボ牧場に行くほど仲がいい。
さきほど牧場にいる朱雀生(チョコボ仲間)からCOMMでチョコボのヒナが生まれたという知らせを受け、これは是非とも見に行きたいと思ったアイルは、自分一人で行ってはエースがすねると思いその彼を探しているのである。
「エースーーぅ。どこにおるんやーー?」
結局教室の中にも廊下にもいなかったので、アイルは裏庭に足を進めた。
「っあ!」
すると目線の先にあるベンチの上にその人を見つけた。ベンチは人が座って休憩する場所であるにもかかわらず、エースはそれを独り占めするようにゴロンと横になっている。…何様だアイツ。と思いつつ、アイルはそこに近づいていった。
「エース!なぁエース――?」
エースは後頭部で腕を組み、それを枕変わりにして目を閉じていた。規則正しく動くお腹の部分を見て、エースは今夢の中だとアイルは悟ってその声を落とした。
「…エースたん。エースたーん?」
アイルはそのままエースの目の前にしゃがんだ。ツンツンと脇腹当たりをつついてみるも、エースはくすぐったがることなく微動だにしなかった。
アイルは溜息をついて自身の膝の上で頬杖をついた。そしてまじまじとその寝顔を見つめる。
エースもとい、0組は信じられないくらい美形がそろっていると思う。マザーってイケメン好きなのかなと思いつつ、エースのその整った顔に少しドキドキしている自分がいることに気づき少し恥ずかしくなって視線をずらした。
…その時。
「…アイル」
「!?」
いきなりかかった声に驚いてその方を見やる。しかしそこにいるのは今だ目を瞑っているエースだった。
今さっきの自分の気持ちを見透かされたような気がしてアイルは少し慌てたのだが、次のエースの一言はアイルをもっと慌てさせるものだった。
「パンツ丸見え」
「…へ!?」
アイルは自身の下へ視線を落とす。足の間から覗くそれは自分の角度からは見えないものの、エースの角度からはバッチリと見えていると思ってアイルは急いで立ち上がった。
「…この変態エース!!」
アイルは顔を真っ赤にして教室の方へ走って戻って行ってしまった。
…何しに来たんだアイツ。エースはようやくその目を開けてその後ろ姿に視線を向ける。
「…ピンクか――」
アイルからは想像出来ない色だな。と思いつつエースはまたその目を閉じた。
満足そうな、笑みを浮かべながら。