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「爆豪おはよ〜」
「……はよ」

 朝食をとっているとミョウジが声をかけてきた。爆豪はまだ眠気が残る中、なんとか声を振り絞って返事をした。正直朝から人と喋るのは面倒なので、他のクラスメイトだったらシカトしていた。

「爆豪パン派?私もパンにした」

 ミョウジはトレーを机に置き、スーと静かに椅子を引きながら言った。まさか隣に座ってくるとは思わなかったので爆豪は内心動揺し、おかげで目が覚めた。
 空いてる時間を狙って一人で朝食をとっていてよかったと爆豪は思った。

「いただきます」

 そう言って手を合わせてから食べ始めるミョウジを横目に見て、爆豪はくっと奥歯を噛み締めた。
 ──朝から可愛いなクソ!
 爆豪は自分に寒気がし、気を紛らわすためにバターロールを豪快に噛みちぎった。

 爆豪は最近、ミョウジが気になって気になって仕方がなかった。見かければ可愛いと思い、話しかけたくなり、でもどうすればいいかわからなかった。
 たまに目が合うとピリッと静電気が走るような感覚がした。爆豪はいつもその瞬間逃げたい気持ちになったが、自分が先に目を逸らすというのはプライドの高い爆豪にはできないことだった。その時いつもミョウジはにこりと微笑んで、ふわりとどこかへ行く。その姿が目の奥に焼きついていて、眠りにつくときにふと思い出しては恋焦がれるのだった。
 寮生活になってから、爆豪はそういう意味で心が休まる時間が無くなった。常にミョウジの存在を物理的に近く感じてしまい、意識してしまうからだ。

「また教室でね」

 爆豪が席を立つと、ミョウジが言った。
 爆豪は「ん」とだけ言って、食器を片すと自室へ戻った。

 一言声をかけられただけで舞い上がるほど嬉しいのに、それを隠そうとするあまりそっけない態度になってしまう自分が嫌だった。感情を素直に表現したいわけではないが、もう少し上手く話せないだろうかと爆豪は悩んでいた。
 
 




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