2

 時透様に初めて会った時のことは忘れない。
 十四歳という若さで柱になったのも凄いが、なんと刀を握ってわずか二ヶ月ほどだという。天才とは彼の事だと思った。更に時透様は独特な雰囲気を纏っていて掴みどころのない、まさに霞のような人だった。

「お初にお目にかかります。ナマエナマエと申します。本日よりこちらで仕えさせていただきますので、どうぞよろしくお願い致します。何かご希望などございましたらいつでも仰ってください」
「そうなんだ、よろしく。多分すぐ忘れるけど」

 これが時透様との最初の会話だった。
 お館様から、彼は記憶障害があると聞かされていたのでそれに関して




LIST TOP