魔力供給の言葉はレイシフト先でも幾度となく聞いたことはあるが、その言葉の意味をきちんと説明できるか?と問われればそれはNOだ。

ダ・ヴィンチちゃんからも「美月ちゃんは、一度信頼のおけるサーヴァントに魔力供給が何なのか、を教わると良いよ〜!」と言われ、美月が一番信頼している(絆10の)サーヴァントの部屋へとやってきた。

悠々とベッドでスフィンクス・アウラードと戯れるサーヴァントの姿がそこにはあった。

アウラード数匹が先に気づきベッドから降りて美月を出迎える。そしてようやく己のマスターの来訪に気づく。声を掛ける前に美月が近づいて来たので口を紡ぎ、ベッドで上半身を起こして美月が見えるように体勢を整える。

「ファラオ…魔力供給について教えてください」

「………ほう。良いぞ許す!余の寝具に上がるが良い!」

「今の謎の間は何ですか!え…ベッドじゃないと出来ない事ですか?」

と言いながら美月はファラオ・オジマンディアスのベッドへと上がる。

するとオジマンディアスは、頭が謎でいっぱいの美月の腕を引っ張るとベッドへと押し倒し、状況を飲み込めないで居る美月を見下ろす。

「余と交じりたいのであろう?」

「まっ!交じる?」

流石にこの意味は理解したであろう、カッと頬を赤くして美月はベッドから出ようとしたがもう遅い。食べられに来た獲物をオジマンディアスが逃がしてくれるわけがない。

「ふぁ…ファラオ??」

「む?どうした、魔力供給を余から教わりたいのであろう?良いだろう…その身に刻み付けるが良い、今夜は寝かさぬぞ?」

耳元で囁くような声に身をたじろぎ、息が吹きかかり変な声が出そうになるのを抑えるのでオジマンディアスの言葉が頭に入ってこない。

(もしかして、魔力供給って言うのは男女のアレとソレがああなって、ああなるの!?)

するとパチンと音を出して美月の服にある胸元のベルトを外していく。思考が状況に追いつかない美月は、目の前で何食わぬ顔で服を脱がそうとしているオジマンディアスに数秒遅れて気づき手首を掴んで止めに入る。

「な、何してるんですか!」

「するのに服が邪魔であろう?それとも、貴様は着たままの方が好きであったか?」

「そういう意味じゃなくて!って今度は自分の服脱がないでください、ファラオ…ファラオ!!」

顔から火が出るというのはこういう事を言うのだろうか、と美月はようやく魔力供給が何なのかというのを薄らと理解してきた。

「生娘ながら美月、貴様普段から鍛えておるだろう。それなりに良い体してるでないか」

服のベルトが外され手で必死に隠しているが、オジマンディアスが服の上から胸部を撫でる。その何気無い仕草が色っぽく美月は胸の高鳴りを感じ、触れられた所を押さえる。

「余のマスターは、優しい方が好きか?それとも激しい方が好きか?」

「なっ…!」

あまりの恥ずかしい質問に身体が固まる。そんな事をお構いなくオジマンディアスは自らの装飾品を外して、着々と準備を進めている。

そして黒布一枚を脱ぎ捨て、肌を露にすると美月の服へと再度手を掛ける。

「ほれ、手をどかさぬと触れられぬ」

「や…やだ、ファラオ怖い、です。で、でも優しくしてくれなきゃ…やだ…」

この距離だと意味は無いが、最後のあたり小声になってしまった。

急に襲ってくるかと思われたが、オジマンディアスは固まったままぴくりとも動かない。

「………」

「ファラオ?……お、オジマンディアス??」

名前を口にすると、自身をベッドに横たわる美月の脇に置いていたオジマンディアスは腰を上げ、美月にゆっくりと覆いかぶさる形になった。

美月は慌てて逃げようとするが、オジマンディアスが置いた手で逃げようにも逃げれない。

「少しからかうつもりであったが、余をその気にさせたのだ、愛でてやらんこともないぞ」

「〜っ!」

このあと美味しく頂かれました。

魔力供給は肌を密着させるだけでも、微弱ながら魔力供給は可能である。その事を知るのはもう少し先のお話。




無知
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