充電日






※銀♀注意








シンと静まりかえった夜中。
万事屋の寝室には布の擦れる音と軽い水音、そして息が洩れる音がする。




(高杉…)

突然の来訪に驚く間もなく唇が塞がれていた。
万事屋で眠っていたら寝込みを襲われるという。
でも夢の中に落ちる前だったし、嫌な気は無かったので、銀時は軽く唇を合わせてくる高杉に全てを委ねた。




(神楽が、いるのに)

止まらない。
布団に縫いつけられた腕をゆっくりと動かせば簡単に離してくれた。
そして首に腕をまわすと口付けが深く絡み合う。

お互いの舌がもう離さないと代弁しているかのよう。
気持ち良くて足をもじもじと動せば、高杉の足が絡んでくる。




「………は……ぁ、ふ。」

早く、一つになりたい。
名前を呼ばれて、一つに。




「ん………。」

布団の中で体が絡み合う。
ゆっくりと目を開ければ視線も絡んで更に体が熱くなった。
唇が離れると少し乱れた息遣いだけがやけに大きく聞こえ、感じてしまう。
そして囁かれる。
いつにも増して感じてんな、と。

今日も今日とてお迎えが来るのを期待しながら万事屋で待っていた。
逢瀬の時はいつも日にちだけ決まっていて、時間や場所は教えてくれない。
高杉が万事屋に来るのをおとなしく待つのは、もうお決まりなので特に何も言うことはない。
が、今回は特に遅かったため睡魔に負けて寝ていた。
そしたら寝込みを襲うという、何とも強引な挨拶で起こされた。




(…ばぁか)

感じさせてんのは、どこの誰だよ。

体が絡み合って、少しでも動けば快感となって体を駆け巡る。
早く場所を変えて二人きりの時間を過ごしたい。
しかし、触れてくる高杉の手がどうにもぎこちない。
不思議に思った銀時が高杉の目を見ると、どこかうつらうつらとしていた。




「高杉…?」

「……………。」

高杉はいつものように、銀時の服を乱しながら吸い付いていく。
しかしそれもだんだん弱くなり、ついに銀時の隣で横たわってしまった。




(寝てないのかよ…)

はっと意識を取り戻した高杉が身を起こそうとするが、銀時はそれを制す。
そして今度は銀時から口付けを仕掛け、高杉の唇を啄みながら衣類を全て脱いでいった。
全裸になった銀時は、高杉の着物も脱がそうと帯を取る。

着物から下着まで全てを脱がし、丁寧に畳んでいく。
そしてしっかりと筋肉のついた体を愛おしむように触れ、銀時は高杉を包み込むように抱き締めた。
黙って胸元に顔を埋める高杉に、銀時はごろんと横向きに寝転がり、高杉の息遣いや鼓動など全てを感じる。




「お疲れ?」

「少しだけだ…。」

「じゃあ寝よ。」

「…いいのかよ。」

「ん。」

今は、旦那様の休息が大事。

そう言って高杉の体を抱きしめる。
すると胸を吸われたので、甘い疼きにピクリと反応してしまった。




「赤ん坊。」

「いいだろ…。」

俺を、甘やかせ。

高杉は目の前にある銀時の胸に吸いつく。
乳首を舐められ、丹念に吸ってくる。
まるで授乳をしているような感覚に、銀時は高杉の髪を梳いて受け入れた。
その際、指に引っかかる包帯を丁寧に取る。




(かわいい…)

こんな風に甘えてくるのは疲れてる証拠。
全裸の体を絡ませながら、胸に首筋に鎖骨と、次々と変わる愛撫を受け入れた。
次第に快感よりも胸にじんわりと温かいものが広がっていく。

些細なことだけど、少しでも高杉の支えになっているなら嬉しい。
銀時は黒髪を掻き上げて額に唇を落とす。
それに気を良くしたのか、よくできた嫁を持って幸せだと高杉が呟いた。




「あったけェ…。」

「ん…ゆっくり寝ろよ。」

「あぁ…。」

「おやすみ。」

「……………。」






たまに尽くして、
たまに甘えて、

たまには夫婦っぽくできた、かな。





充電日






15,10/24
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