私をもっと   にさせて







※銀時♀注意









離さないで、愛で。
掴んでて、愛で。

甘い唄だけ、聴かせて…。













「晋助……。」

銀時の指がゆっくりと高杉の首筋を辿る。
そっと抱き締められれば思わず息が詰まってしまう。
それほど、この空間が甘く感じた。




「何だよ、銀時。」

「…………。」

「仕方ねェな。」

胸板にすり寄ってみれば、髪の毛に優しく触れてくれる。
それが嬉しくて、しばらく高杉の腕の中にいた。

ふわふわと撫でては髪を指先で遊ぶ。
それがたまらなく気持ちいい。
頭皮から感じる甘い痺れに、銀時もうっとりとしていた。




「眠い…。」

「おい、半殺しかよ。」

「そんなに?」

「そうさなァ…こんな別嬪さんに密着されちゃ、離したくなくなる。」

「ふーん。」

「ダメか?」

「ううん…。」

そう言いながらも背中をぽんぽんと軽く叩いてくれる。
銀時はふふっと笑い、高杉の首筋に唇を寄せた。




(我が侭だけど…)

色々な痛みから始まった恋。
幸せだけど、急な加速で始まったから少し不安。
そうやって恥ずかしいこともサラっと言ってくるのも、ちょっと嫌気。




「あまり痕つけんなよ。」

「もう遅い。」

それもこれも、疑うことに慣れてたから。
だけど晋助の純粋な瞳の中で歩きたいって思えてから何かが変わっていった。

銀時は高杉の首筋に付けられた痕を見ては自己満足したように微笑む。
仕舞いには高杉の着物の隙間に手を差し込んで、まるで挑発するかのように肌に直接触れた。
それに対して高杉は、銀時の好きなようにやらせている。




「んー…。」

「寝るんじゃねェのかよ。」

「晋助は?」

「添い寝だけで済むと思うか?」

顔を覗き込んできた銀時と唇を重ねる。
言葉とは裏腹に唇はすぐ離れたため、銀時は「あれ?」と疑問に思う。
それにフッと笑い、親指で銀時の唇に触れた。




「っとに…テメェは。」

すぐ、顔に出る。

仕方のねェ奴と言って微笑む高杉の目が、ゆらゆらと光ってとても綺麗だった。
銀時は自ら顔を近付け、吸い込まれるように唇を重ねる。
自分の中に溢れる高杉への想いを口移しで伝えようと、銀時はリップの音を立てながら啄み続けた。
すると次第に高杉が求めてくるようになり、相手のペースに呑まれていった。




「ふ…ぁ……はぁン、」

「は………。」

「ん……晋助…。」

「銀時……。」

「すき……ン…晋助。」

「……あァ…俺も、」

耳から脳にかけて響く高杉の声。
その言葉で体と心の奥がジンと熱くなった。
痺れて疼いて、もう吐息しか出てこない。




(止まんない…)

唇が零した『愛してる』
この響きだけがあれば生きていける。

それもこれも、ここまで溺れさせた晋助が悪い。




「はあ…はあ…。」

「息、止めんな…。」

「ん………もっと、」

「銀時…。」

「もっと…こわして。」

銀時の手がゆっくりと高杉の着物の奥まで入ってくる。
指で腹筋や背筋、肩胛骨をなぞれば、不意に高杉が熱い吐息を洩らした。




「綺麗だなァ…銀時。」

高杉の口説きは上機嫌な証拠。
銀時の着物に手を伸ばし、ゆっくりと脱がしていく
その間も口付けは止まらない。
「綺麗だ」「好きだ」「愛してる」と呟いてくれる高杉に、身体も心もとろけていく感覚。

この世の中で、たった一つだけ身を預けられるぬくもり。
それがこの体温。
銀時は高杉の包帯を解き、唇から顔の輪郭、そして左頬に唇を寄せた。




「銀時、」

「感じる?」

「焦れってェが…悪くねェ。」

熱い吐息を洩らしながら、高杉は自分の着物の帯を解く。
そして銀時の衣類を全て脱がし、抱き寄せては再び口付けを交わす。
腰を揺らしながら舌を絡ませるその姿がとても妖艶で、とても綺麗だった。




「ふ、ぁ…晋助。」

「綺麗だ…本当に。」

「ん………。」

「もう、離さねェ…。」

高杉の肩からぱさりと着物が滑り落ちる。
お互いの身体を抱き締めれば、肌と肌が擦れて甘い痺れとなる。
体温もすぐに馴染み、いつの間にかはあはあと息が上がっていた。

一方で、愛液がとろとろと溢れて止まらない。
早く欲しいと思う反面、まだこの焦れったいような甘い空間を味わい気持ちもある。
唇が離れた一瞬、銀時は高杉の目を見つめては再び口付けを繰り返す。




(離さないで…)

恋をする女が綺麗になるのなら、そうなりたい。
晋助のために、もっと。




「ン……俺をもっと、キレイにさせて…?」











貴方の前で強がりはいらない

夜空をそっと
抱き寄せて、踊る







15,05/23 曲題提出
15,10/01 更新
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