1/2






※大学生×高校生パロ






「ねぇねぇ。」

「ンー?」

「 暇アル。」

「そっかーじゃあ寝ればいいと思うよ。」

「ふざけんな馬鹿兄貴。
適当に返事されて可愛い妹は見事にぶろーくんはーとヨ。」

「あれ、そんな難しい言葉よく覚えてきたね。」

「頭かち割ってやろうか。」

「やめてやめてー。
まだ俺は生きてたいからー。」

あはは、と笑いながらも視線をこちらに向けない。
そんな兄の態度に、妹はムスッとしていた。




「何アルか。
せっかく遊びに来たのに雑誌ばっかり。」

二人がいるのは一人暮らしをしている神威の家。
かつ神威のプライベートの部屋。
久々に遊びに来た神楽だったが、当の本人はどこ吹く風。
ベッドに寝転がりながらずっと雑誌を読んでいた。

一方の神楽は床に座り、紙パックのオレンジジュースを飲みながら、兄の様子を伺っている。
これでは雑誌に負けた気がして居心地は悪くなるばかりだ。




「今日の夕飯はどうするアルか。」

「んー、まぁ適当に?」

「冷蔵庫の中、さっき見たけど何も無かったヨ。」

「えー、じゃあ後で買い物に行かなきゃね。」

「…ばーか。」

「殺しちゃうぞ。」

悪口だけは俊敏に反応する。
そんな兄に、神楽はふぅとため息を吐いた。




「………………。」

普段は物に執着しない兄が、面白そうに読んでいる。
いったい何の雑誌なのか。

神楽はオレンジジュースを床に置き、神威の体に乗っかった。
仰向けだった神威には少しダメージがあったのだろう。
ぐえ、と呻き声が聞こえた気がした。




「どうしたの?」

「別に、何でもないアル。」

すると神威が体を横にずらす。
そのおかげでベッドと壁にちょっとした隙間が生まれ、神楽は神威の体からベッドへと寝転がった。
そして雑誌を見てみる。




「何これ。
女子が読むものアル。」

「ちょっとね。
最近の女子高生は何が好きなのかなーって。」

「フーン。」

「神楽も読んでんの?」

「そういうのは買うものじゃなくて回し読みするものネ。」

「成る程。
神楽は人一倍食費がかかるから雑誌が買えないんだ。」

「お前も人のこと言えないアル。」

相変わらず、失礼な兄貴だ。




「あ、コレ。
私の友達が持ってたやつにそっくりネ。」

そう言って、神楽は雑誌のページを指さす。
さすがは女子向きの雑誌。
ファッションにショップにアクセサリー、ありとあらゆるトレンドが載っている。

流行に疎い神楽だが、周りの友人が持っている物などは知っている。
だから皆持っているのかと納得していた。




「ほしい?」

「いらないネ。
ストラップとかアクセサリーとか付ける場所も無いし、化粧もしないアル。」

「そっか、相変わらずクールだね。」




[*前へ] [次へ#]



戻る

←top