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※大学生×高校生パロ
「ねぇねぇ。」
「ンー?」
「 暇アル。」
「そっかーじゃあ寝ればいいと思うよ。」
「ふざけんな馬鹿兄貴。
適当に返事されて可愛い妹は見事にぶろーくんはーとヨ。」
「あれ、そんな難しい言葉よく覚えてきたね。」
「頭かち割ってやろうか。」
「やめてやめてー。
まだ俺は生きてたいからー。」
あはは、と笑いながらも視線をこちらに向けない。
そんな兄の態度に、妹はムスッとしていた。
「何アルか。
せっかく遊びに来たのに雑誌ばっかり。」
二人がいるのは一人暮らしをしている神威の家。
かつ神威のプライベートの部屋。
久々に遊びに来た神楽だったが、当の本人はどこ吹く風。
ベッドに寝転がりながらずっと雑誌を読んでいた。
一方の神楽は床に座り、紙パックのオレンジジュースを飲みながら、兄の様子を伺っている。
これでは雑誌に負けた気がして居心地は悪くなるばかりだ。
「今日の夕飯はどうするアルか。」
「んー、まぁ適当に?」
「冷蔵庫の中、さっき見たけど何も無かったヨ。」
「えー、じゃあ後で買い物に行かなきゃね。」
「…ばーか。」
「殺しちゃうぞ。」
悪口だけは俊敏に反応する。
そんな兄に、神楽はふぅとため息を吐いた。
「………………。」
普段は物に執着しない兄が、面白そうに読んでいる。
いったい何の雑誌なのか。
神楽はオレンジジュースを床に置き、神威の体に乗っかった。
仰向けだった神威には少しダメージがあったのだろう。
ぐえ、と呻き声が聞こえた気がした。
「どうしたの?」
「別に、何でもないアル。」
すると神威が体を横にずらす。
そのおかげでベッドと壁にちょっとした隙間が生まれ、神楽は神威の体からベッドへと寝転がった。
そして雑誌を見てみる。
「何これ。
女子が読むものアル。」
「ちょっとね。
最近の女子高生は何が好きなのかなーって。」
「フーン。」
「神楽も読んでんの?」
「そういうのは買うものじゃなくて回し読みするものネ。」
「成る程。
神楽は人一倍食費がかかるから雑誌が買えないんだ。」
「お前も人のこと言えないアル。」
相変わらず、失礼な兄貴だ。
「あ、コレ。
私の友達が持ってたやつにそっくりネ。」
そう言って、神楽は雑誌のページを指さす。
さすがは女子向きの雑誌。
ファッションにショップにアクセサリー、ありとあらゆるトレンドが載っている。
流行に疎い神楽だが、周りの友人が持っている物などは知っている。
だから皆持っているのかと納得していた。
「ほしい?」
「いらないネ。
ストラップとかアクセサリーとか付ける場所も無いし、化粧もしないアル。」
「そっか、相変わらずクールだね。」
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