「存分に可愛がってやる」
「ん……高杉。」
腕の中にいる銀時が、胸板に顔を擦り寄せる。
こんな風に甘えてくるのは性交をしたいという合図。
口には出さず、態度で示すことが多い銀時は、厄介でもあり可愛くもある。
まぁそれは昔馴染み、
というより惚れた弱みというわけで。
「たかすぎー。」
「さっきまで寝みぃって言ってたのは誰だ。」
「でもそれの匂いを嗅いだら気が変わった。」
「それ?」
「ん。」
銀時は目線を横に流す。
高杉も銀時の目線を追うと、手に持っている煙管が見えた。
「…昔は、一服する度に文句言ってたじゃねぇか。」
「銀さんはもう大人だからそういう楽しみもわかりますぅー。」
「別に、お前が子供だなんて言ってねぇだろ。」
高杉がクツクツ笑うと、銀時はムッと頬を膨らませる。
だが高杉から離れないところをみると、機嫌が悪くなったわけではないらしい。
これはつまり、
構ってほしいだけなのだ。
(さて、どうしたものか)
高杉は煙管を煙草盆に置き、銀時の背中や腰のラインを撫でる。
その手つきに、銀時はピクリと反応し吐息を洩らした。
このまま押し倒して貪るように体を求めるのも良いが、焦らして芯から甘く溶けさせるのも面白い。
そう思いながら服の上から体を撫で続ける。
「…ンぅ……。」
「いい声してんなァ。」
「…ぁ………。」
「その声で、どうしてぇか言ってみろ。」
「ん…ン、」
銀時の腰が揺れ始める。
鼻息も荒くなり、高杉にしがみつく力が強くなった。
すると高杉は銀時の体を反転させ、自分にもたれ掛かるような体勢をとらせる。
「たか、す…。」
「このままでいいのか。」
高杉の言葉に、銀時はフルフルと首を横に振る。
もう何が欲しいのかはわかる。
白い着物を押し上げている銀時のモノを見れば、一目瞭然だった。
だが高杉は着物を脱がさず、そのまま体を撫で続ける。
仕舞いには胸板や性器をなぞり、銀時を更に追い詰めた。
「ぁ…もっと、触って……。」
「触るだけか?」
「……舐めて。」
「それから?」
「入れて……突い、て。」
「どこに、だ?」
「…奥を、いっぱい…。」
「ほぉ…。」
「なかに…熱いの。」
頂戴。
はぁはぁと息を洩らしながら銀時は告げる。
それはもう声に艶があり、まだ脱いでもいないのに壮絶な色気を放っていた。
高杉の思惑通り、芯が溶け始めたようだ。
「ぁ…たかすぎ……。」
「上出来だ。」
情欲で火照った体を押し倒し、高杉は銀時の唇をペロリと舐める。
そしてそのまま覆い被さると、唇が重なる前に舌を出してお互いを絡ませた。
熱い舌に熱い体。
欲しかった感触に心が震える。
だからと言って焦っているわけでもなく、唇を吸ったり唾液の味を確かめたりして口付けを堪能していた。
「ン…んんっ……は、」
「好きだぜ…銀時。」
「…ぁ、俺も……好き。」
口付けの音と銀時の甘える声が混ざる。
高杉の顔、声、体、舌、唾液などで五感が満たされた銀時は、思考も全てトロトロに溶かされていた。
ここまでくればもう充分。
「存分に可愛がってやる」
(だから、このまま俺に愛されろ)
14,06/15
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