らぶ or らいく
尊敬する人へ
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ううー凄く緊張する……。
今日はバレンタイン。
いつもお世話になっている師匠に日頃お世話になっているからチョコを渡そうと思って、
頑張ってボーダー本部に来ました。
…そもそも今日は師匠に稽古をつけてもらう約束もしていたし、
来る予定ではあったんだけど。
うん。その時に渡せば、大丈夫、大丈夫。
わたしはいつも師匠に貰ってばかりで何も返せてない。
稽古つけてもらってお礼は勿論言うよ?
だけどそれだけじゃ返しきれていないの知ってる。
理想はすぐに強くなることだけどわたしは平々凡々だから、
地道にコツコツ積み重ねていくしかない。
そんなわたしに呆れもせず突き放さずずっと面倒をみてくれる師匠は凄く感謝している。
早く強くなりたい。
でもなかなか強くなれない。
…だから……というのもあるけど、
あらためて師匠に感謝している事を伝えたい。
それから、これからもよろしくお願いしますって伝えたい。
大丈夫。
いつも通りに渡せば……!
「師しょ……風間さんいますかー?」
「ああ、入れ」
「失礼します!!」
風間隊の作戦室に入って、師匠の姿を確認する。
「予定していた時間までまだあるが」
「えっといつもよりHRが早く終わったので、
早く来ちゃいました〜」
「そうか。なら丁度いいかもしれないな」
「??」
言うと師匠が三上先輩を呼ぶ。
師匠はテーブルに置かれた紙箱を空ける。
中にはクッキーが入ってた。
それに続いて三上先輩がお茶を出して来てくれた。
促されるままわたしはソファに座った。
「加古さんから風間隊の皆でどうぞって貰ったの。
折角だからアキちゃんも一緒にどうかな?」
「わー、ありがとうございますっ!!」
早速クッキーを一枚。
凄く美味しい!
お店で売っているお菓子よりも美味しい!
加古さん凄いなー。
「神威は美味しそうに食べるな」
師匠の声を聞いてはっと我に返った。
し、しまった……貰った人達より先に食べてしまった…!
どうしよう恥ずかしい。
わたしの様子を見て三上先輩がくすりと笑う。
「良かったらアキちゃんに」
「やったー!」
三上先輩からバレンタイン貰って思わず声を出して喜んじゃった。
だから渡し甲斐があると言われて慌てる。
貰うのは凄く嬉しいけど、わたしの目的を忘れちゃダメだ。
「風間さんも、いつもお世話になってます」
「ああ、ありがとう」
三上先輩が師匠にチョコを渡している。
この流れに便乗して……。
わたしは勢いよく立ち上がる。
「あ、あのっ!
わたしも、チョコ!
いつもありがとうございますっ!!」
「神威もありがとう」
「はいっ!!」
無事に渡せた。
渡せたよ!!
「良かったわね」と三上先輩の言葉が聞こえて来て、
思わず返事をしてしまった。
先輩と目が合って、私のは師匠だけじゃない事を思い出す。
「三上先輩もいつもありがとうございます。
これ、チョコです」
「私にも?アキちゃんありがとう」
「いえ。……歌川先輩と菊地原先輩の分は――」
「今日は顔出しする予定はないな」
「そっか。じゃあまた今度渡そう」
「ああ、そうしてやれ」
師匠が三上先輩のチョコとわたしのチョコを早速食べてくれる。
「美味いな」
「ありがとうございます!!」
無事に渡せた上に、食べて貰えて、その姿も見れて、
わたし本当に幸せ!
「わたし、今日はいつもより上手く動けそうな気がします!」
「そんなにチョコが美味しかったか」
「はいっ!ヤル気めちゃくちゃ出ました!!」
「そうか」
師匠が笑う。
喜んでくれている姿を見て、渡して本当に良かったって心の底から思った。
「では、そのやる気があるうちに訓練するか」
「はいっ!」
「三上、頼めるか」
「分かりました」
師匠が作戦室にある訓練室に入っていく。
わたしもその後に続く。
仮想空間が変わっていく。
「来い」
「はい、行きます!」
今日はいつもと違って、なにかキラキラして見えた気がした。
20170205
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