黄りく 0624

「りくっち?」
後ろを振り返ると休み時間だというのに机に突っ伏したまま動かない人が一人、声を掛けてみても反応がないという事は心地良い夢の世界に入り浸ってるのかもしれない。小さな頭に顔を近づけると微かに聞こえてくる吐息、間違いなく当たり。
このまま起こさずに寝かせておくのが一番なんだろうがりくが寝たまま俺一人で休み時間を過ごすってのも勿体無いというか寂しいというか、反面寝起きのりくを拝みたい願望があるなんてのも嘘じゃない、だって可愛いの間違いないっス。
「りくっちー、休み時間っスよ」
やわらかい髪に手を埋め小さく揺らすと、ぴくりとりくの肩が反応を示す。後に聞こえてくる眠たそうな気の抜ける声。
「んー…、涼、ちゃん…?」「はいっス」「………あー」
髪から覗く伏せられていた顔、薄っすらと開いた瞳が今まで寝てたことを語っている。予想通り、寝起きも可愛い。
「…涼ちゃん、あと五分」「それは駄目っス!」「だってねむ…」
もう一度伏せられる前に慌てて頬に手を添え防ごうとするがそれまた逆効果だったようで、枕代わりになってしまった。
「あ、涼ちゃんの手あったかい…」
柔らかい頬を俺の手に押し付けるようにそんな事言うもんだからもう何も言い返せなくなって、休み時間が終わるまでりくの枕代わりになってたのは聞かれなくてもわかるだろう。




category:黒子
タグ: 黄りく


ALICE+