馬岱→華月 0514

「おめでとう!」

まわりから見ていてもどかし過ぎた若とお嬢の恋がやっと叶った、と二人から告げられた時に出た第一声はソレだった。
ソレを聞いた二人は照れたように笑う。本当におめでとう、俺は二人の幸せを祝福するよ。

だけど抑えようとしている俺のどす黒い感情が笑顔の下でぐるぐると渦巻く。
お嬢の笑顔には若に見せるだけの特別な笑顔があって、それは俺に向けられる事はなくて。
わかっていたのに、全部わかっていてお嬢の背中を押したと良いのに、これじゃ馬鹿みたいだと自分を嘲笑う。

もし、もしもだ。
あの時、お嬢を抱き締めた時にお嬢に俺の想いを告げてたとしたら、あの笑顔が向く先は俺だったのだろうか?
二人の幸せを祝っておきながら嗚呼何て未練がましい俺の感情だこと。

本当、馬鹿みたいだ。

それでも俺は、これからもお嬢への叶わぬ恋心を心に押し殺しつつも、笑いかけるんだろう。


(今更後悔しても遅いのにね)



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