凛と刹 0613
「刹先輩、それ?」
伊作に用事がある同士待つ間お話でもしませんか、という凛の誘いに乗った俺は隣に座る凛に咥えていた煙管を指差される。
「んあ、これか?」
「煙管…ですよね?」
形だけはな、と言い終えた後先端を持ち引くと鋭利な刃先が現れる。驚いた表情を浮かべる凛を見て仕込み煙管だと一言説明すると納得したようだ。
「いつも持ってますよね、その煙管」
「まぁな」
「宝物…ですか?」
宝物、そう言われれば確かに宝物に値かもしれない。俺にとってこの煙管は手放せないモノで、あの苦い煙の匂いは一生忘れられないだろう。
「亡くした野郎の形見だ」
今はもう見ることも出来ない先輩の声や笑顔が頭を掠めた。
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落乱