東西兄妹 0513
黒いスーツを身に纏い、小さな墓に花を添えた。
今日、7月4日に自ら消失を望んだ彼女に。
俺が生み出した存在。
国家様、お兄様と慕ってくれた彼女、他人だったはずなのに家族以上の存在だった。
親父も、ヴェストも、隣で手を合わすシャルもそうだっただろう。
大事な奴の消失がこんなにも辛い事だとは思いもしなかった。
重く、心に残った感情。
それを振り切るように空を見た、晴れ渡る空はまるで彼女と出会った時を彷彿とさせるようで。
「…綺麗だな」
小さく呟くとシャルも顔を上げ空を見る、その瞳には涙が浮かんでいた。
「ニーナ姉も…、どこかで見守ってくれてるはずですよ」
「…そうだな、」
眠りについた彼女に
安らかな祝福を
Auf Wiedersehen.(おやすみ、ニーナ)
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