0629

迂闊だった。迷い込んだのは敵地、原因は自分自身の好奇心と不釣り合いな腕前。
とにかく逃げた、迷子だった事も忘れ足を進めた。今までに感じたことのない激痛が右目に走る、恐る恐る斬られた右目に手を添えるとぬるっとしたような感触と真っ赤に染まる右手。
痛い、目が開かない。よりによって利き目である右目に怪我を負うとは思ってもいなかった。

「ドジったなぁ…」

ぼんやりとぼやける慣れない視界に木々を頼りにし、ふらつく足取りで歩く。帰らないと、学園に帰らないと。任務も終わってない。朧兄さんに会いたい、会いたい。馬鹿って言われるのかな、言われても仕方ないよね。

「朧兄さん…」

ぼんやりとした世界に浮かぶのは大好きな貴方だった。



category:うちのこ
タグ: 落乱


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