刹と兵助 0821

おかしい、もうすぐで予算会議が始まると言うのに肝心の火薬委員長である花山院刹先輩がいない、自分の片割れでもある綴までもがいない。よりによって上級生が二人も欠けている状態で予算会議に挑むことは避けなければいけない。刹先輩がいるとしたら長屋、そこだろう。早足で六年生の長屋まで足を運び刹先輩の姿を探す。いた、部屋から廊下へと続くところを跨ぐように寝そべっている姿が視界に入る。

「刹先輩!」

駆け寄り名前を呼ぶか刹先輩は起きる様子がなくうつぶせのまま顔をあげない。…寝ているのか?
わからないままではどうしようもないから少し肩を揺さぶってみると、ゆっくりと顔をあげると共に寝起きの不機嫌そうな声が耳に入る。

「あ?…兵助か、おめー何やってんだ」
「何じゃないですよ!刹先輩、今日は予算会議じゃないですか、火薬委員長が不在なんて火薬委員が」

言葉を遮られるかのように肩を捕まれる。

「兵助、火薬委員長代理はおめーに任せた」
「は、い?ちょ、刹先輩!」
「俺は無理だ…ここから動く気力がねぇ。夏に予算会議があるのがわりぃんだ…」
「んな理不尽な!」
「文句言うな代理、火薬委員を頼むぞ、しっかり予算獲得してこい。…あぁ、綴も早く連れていけ、木陰でくたばってんはずだ」

刹先輩が指差した木陰に見覚えのある黒髪が見えた。…サボりか綴。後で引きずってでも連れていこうと決意をし、再び寝そべって夏バテの為に動く見込みのない普段は頼りある委員長に兵助はただため息をつくだけだった。



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