たけあや 0122
「…ごめん」
何事、喧嘩をしても滅多に素直に謝ったりしない絢から謝罪の言葉が飛び出たものだから俺は気の抜けたような声を上げてしまった。
謝られるような事何かあったっけな、これっぽっちも浮かんでこない。先程までの行為を思い出すとどちらかといえば俺が謝るべきなのかもしれない…うん。多少ながらも強引に事を進めたことには反省。
背を向け膝を抱え座り込む絢の肩に手を置き顔を覗き込む、やはりおかしい絢らしくない。いつもならここで鉄拳の一つや二つはくるはずなんだが。どうした?肩にかかる髪を掬うと絢が小さく呟く。
「…背中、ごめん」
背中?背中、…わかった。引っ掻き傷の事、しがみつく絢が爪をたてるものだから俺の背中には傷痕がいっぱい残っていて、それを気にしてたと?馬鹿だなぁ、俺にとってそれは所有権の証であって。爪をたてるほどその時だけは俺しか見えてないって事だろ、謝る事なんかじゃねーのにな。
「絢に愛されてる証だろ?」
「っ、ハチ!」
「俺も証、つけようか?」
「なに、を」
無防備な首筋に紅い痕を。
category:落乱
タグ:
たけあや