転生はちこと 0124
三郎くん?呼び掛けても返事はなし。廊下に座り込み顔を伏せたままなにも反応がない。委員会で待たせちゃったから怒ってるのかな…?三郎くんの髪に手を伸ばした途端、手首を掴まれそのまま力任せに引っ張られる。当然その力に勝てるはずもなく三郎くんの胸に顔を押し付ける形に、近すぎる距離に胸元を押して離れようとするけどそれも背中に回された腕によって阻止される。いたい、予想以上に力が強くて圧迫される。
「三郎、くん、苦しっ…」
なにも言わない三郎くんが私の知ってる三郎くんじゃないみたいで何だが怖い。どうにかしないと、混乱する頭で三郎くんの背中を小さく撫でると腕の力が弱まると同時に肩口に押し付けられる三郎くんの頭、首筋に髪が触れてくすぐったい。口を開く前に名前を呼ばれる、やっと声聞けた。
「琴、琴。嫌だ、私から離れないでくれ、私には琴しかいないんだ、琴がいてくれば十分なんだ。だから、だから…、っ」
三郎くんから発せられた言葉に思考が固まる。これって、あの。
「あの、三郎くん」
「好きだ」
「えっ、」
「ずっと琴が好きなんだ。幼馴染としてじゃなくて琴が」
好き、三郎くんが私を。嬉しくて言葉が出てこない、わたしいま凄く幸せなんだ。回した腕に力を込める、わたしじゃ三郎くんを包み込めないけどそれぐらいわたしも好きなの。
「わたしも好き…、三郎くんが好き」
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