はちこと 0125
一人、来客。それは私がよく知る人で、というか琴であって。透の部屋に遊びに行くと去った雷蔵が帰って来たのかと思いきや全くの検討違い。叩かれた扉の音に返事をし扉を開けると何故か廊下にちょこんと可愛らしく正座をし少し顔を俯かせた琴。全くもって私の頭は現状を理解してくれようとせずに扉を開けたままつったっていたが何も言わない琴に何か様子がおかしいのかもしれない、目線を合わせるようにしゃがみこむ。
「琴…?」
睫毛長いな…、って今はそんな事を考えているバヤイではない。紺色の髪に這わせやわやわと優しく頭を撫でる。三郎くん、と小さな声が耳に届く。
「どうした琴、こんな夜更けに」
「あの……、言いにくい事なんだけ、ど」
言いにくい事、やはり何かあったのか?琴の身に、ではないな?
「何かあったのか?」
「ううん、違うの。…ただ」
「ただ?」
ちらり、上目遣いの瞳と視線が交わる。
「…よ、夜這いに、きました」
今、なんと。みるみるうちに真っ赤に染まる琴の頬を見ていて冷静を保てるわけもなく、ようするに。手を出していいという、しまった私の頬も熱い絶対真っ赤だ。
緊張のせいか情けなく震える手で琴の腕を掴み、そのまま自室に引き入れた。
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