つぎちよ 0128
「次屋くん」
ろ組の扉から少し恥ずかしそうにひょっこりと顔を出した千代。千代は俺の事を名前で呼んでくれない、俺としては呼んで欲しいんだけども。三之助でいいって、っていうと千代がちょっと泣きそうになるからそこで妥協して食い下がる、いつもなら。だけど今日という今日は食い下がらない。名前、とまでいかなくていいから次屋呼びから脱却したい。
「三之助」
「さ、…次屋く」
「千代、駄目」
「うっ…、」
身長差のせいもあって上目遣いの視線が俺に突き刺さる、可愛い、凄く可愛いっていうか頭撫でたい。けど惑わされてはいけない…!
「…そんなに俺の名前呼ぶのイヤ?」
「い、嫌じゃない!」
「ならどうしてさ」
「…だって」
恥ずかしいから、と小さい声で呟く千代がちょっと可愛すぎてどうしたらいいのか。
「…ちゃん」
「え?」
「さ、んちゃん、は?」
「三ちゃん?」
「うん」
三ちゃん、うん確かに三之助の三であることは間違いない。三之助呼びまではまだまだ遠そうだけど名字呼びから抜け出せたならもう問題ない気がする、自分で名前呼びしてほしいとか言っておきながら実際に呼ばれるとちょっと照れ臭いような、返事の代わりに千代の頭を少し乱雑に撫でた。
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