初音と財前 0123
ウチの可愛い可愛い弟に好きな子がいる、と風の噂で聞いた。というより白石から聞き出したっていうのがほんまの話。
クラスの前をわざとらしく通りかかった時に光が話してた子が、多分そう。間違いないと思う、あんな光幼馴染のウチでも見られることは滅多にないほどやから余程好きなんやろうか。
帰り道、光を取っ捕まえると露骨に嫌な顔をされた、何やねんその顔。
「光ぅ…、聞いたで?」
「なんすか…初音さんと話す事ないんすけど」
「ウチにはあるんや!なぁ光、好きな子ってピンクのリボンつけた2つくくりの子?」
態度に出さないように頑張ってるようやけど、わかり易すぎる動揺っぷりに確信、なるほどなぁ白石の言うてた事はほんまやったんや。
「ちゃいます」
「嘘や、めっちゃ動揺しとるやん」
「ちゃいます言うてるやないすか、先輩しつこいわ」
「ほんま可愛げなくなっな光…昔はあんなに」
「しつこい言うてるやないすか!」
シン、と辺りが静まり返る。そんなそこまで怒らんでもええんとちゃうの?別に誰が好きとかどうだとか話して楽しいと事ちゃうん?
「…すみません」
「あ、ううん、ウチもゴメン」
そのまましかめっ面を浮かべたまま歩きだした光を引き止める事は出来ず、気まずさと溝だけが生まれただけやった。
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