ユウジ 0408

これまた偶然のタイミング、白石が教室を飛び出して走っていく後ろ姿が見えた。なんや忙しないな、あの白石が何事かと思った時にはもうその背中は見えなくなっていた。後を追いかけるように走り去ろうとした彼方は呼び止められそうな気がした、いや別に気にすることやないのに、ただ何となく。

「彼方、何急いどるん」
「なんや!って…ユウジか、今それどころや」
「白石がごっつう急いどったけど何かあったんか?」
「何かって…、花梨が倒れ」

あ、しもた。みたいな表情をした彼方が慌てて口を塞ぐが耳に届いてしまった、白石妹が倒れたやと?俺が気にすることやない、関係なんてないわ。

「なんやそんだけか」
「そんだけって…気にならへんの!?」

あんだけ好かれとんのに、情けない表情を浮かべた彼方をよそに足を進める。別に気にする必要は俺にはない、関係ない話や。
そうやってわかってんのに、嗚呼わからんなんでこんなイライラするんや。歩む速度は速くなるばかり。
気がつけば保健室の扉に手を掛けていた。



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タグ: ユーカリ


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